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シンクライアントとは?仕組みや実行方式の種類、人気製品も比較

シンクライアントとは?仕組みや実行方式の種類、人気製品も比較

企業は、事業に係わる機密情報や個人情報などさまざまな情報を保有し管理しなければいけません。適切な情報管理は企業の義務であり、情報漏えいを防ぐためにセキュリティ対策に力を入れる企業は多いでしょう。この記事では、シンクライアントの仕組みを図解し、実行方式の種類や人気製品を紹介します。関連製品の一括資料請求も可能なため、製品を検討したい方はぜひご利用ください。

この記事は2023年5月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    シンクライアント紹介ページ遷移画像

    【図解】シンクライアントとは

    シンクライアントとは、「Thin(薄い)」と「Client(端末)」を組み合わせた言葉で、必要最小限の機能だけを備えたクライアント端末を指します。業務アプリケーションやデータ処理はすべてサーバ側で行われ、端末側では画面操作や入力処理のみを担います。

    シンクライアントとは

    このような構成により、シンクライアント端末にはデータが残らないため、情報漏えい対策として有効です。また、シンクライアント端末はOSに依存しない設計が多く、LinuxやWindows Embeddedなど、自由に選択できる点も特徴です。ハードウェアコストの削減と、IT資産の一元管理による運用効率の向上が期待されます。

    シンクライアント登場から普及への背景

    シンクライアントは1990年代後半、TCO(Total Cost of Ownership)の削減ニーズから登場しました。当時、クライアント・サーバ型の普及によりPC管理が煩雑化し、集中管理できる端末として注目されました。2000年代にはセキュリティ重視の流れを受け、端末にデータを保持しない特性から導入が加速。さらに内部統制の必要性が高まり、仮想化技術の進展とともに、VDI環境に欠かせない構成要素として定着しています。

    柔軟な働き方やハイブリッドワークの定着により、シンクライアントは安全かつ効率的な業務環境を支える手段として再注目されています。データを端末に残さず、マルウェア感染リスクも低いため、社外からの安全なアクセスを実現できます。PCに加えて、タブレットやスマートフォンからの利用も可能で、柔軟な働き方を支えるインフラとして採用が拡大しています。

    シンクライアントと通常のPCの違い

    シンクライアントと通常のPCは、仕組み・管理方法・性能・コストなど多くの面で異なります。以下の表で主な違いを整理しました。

    比較項目シンクライアント通常のPC
    処理方式サーバ側で処理を実行し、端末は表示と操作のみに限定端末自身がすべての処理を実行(ローカル完結型)
    管理方法データや設定をサーバで一元管理、保守も集中対応各端末で個別に管理が必要、IT部門の負担が大きい
    必要スペック処理負荷が小さいため、低スペックでも運用可能処理内容に応じて高性能なハードウェアが必要
    コスト面初期・運用コストを抑えやすく、TCO削減に貢献端末費・更新費・管理費がかさみ、コスト増要因に

    シンクライアントとゼロクライアントの違い

    仮想デスクトップ環境を構築する手段として「シンクライアント」と「ゼロクライアント」があります。どちらも端末側でのデータ保持を避ける設計ですが、構造や用途には明確な違いがあります。

    ゼロクライアントとは

    ゼロクライアントとは、OSやアプリケーション、ストレージなどを一切持たず、表示と入力の役割に特化した端末です。すべての処理はサーバ側で行われるため、端末単体ではほとんど機能せず、接続先の仮想デスクトップ環境に完全に依存しています。セキュリティ面に優れ、管理負担も小さいため、厳密な管理が求められる医療機関や金融機関などでの活用が進んでいます。

    主な違い

    シンクライアントは軽量なOSやソフトウェアを内蔵し、最低限の処理をローカルで行えるのに対し、ゼロクライアントはローカル処理を完全に排除し、サーバへの依存度が非常に高い点が大きな違いです。また、ゼロクライアントは構成がシンプルで一元管理がしやすい反面、利用できるシステムが限られるため、汎用性ではシンクライアントが優れます。導入時には業務内容や運用体制を踏まえた判断が必要です。

    シンクライアントのメリット

    シンクライアントを導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

    一括管理による運用管理コスト低減

    シンクライアントの利用により、クライアント端末などすべての利用環境を一括管理できるため、個々の端末の運用や管理が不要となり、運用管理のコストが低減できます。必要な端末が増えた場合、OSやアプリケーションをインストールせずにクライアント端末を接続するだけですぐに利用可能です。

    個人では勝手にアプリケーションをインストールできないうえ、OSやアプリケーションのアップデートも不要なため、セキュリティ面が強化され、運用保守・管理面も最小限にできます。また、機能制限により負荷がかかるパーツも少なく、クライアント端末の故障などのトラブルも抑えられるでしょう。

    情報漏えい防止

    シンクライアントではサーバ側にデータなどが保管されており、クライアント端末に表示される情報はすべてイメージ画面です。万が一、クライアント端末がウイルスに侵されたり端末自体を紛失した場合でも、すべてのデータはサーバに保管されているため、情報漏えいのリスクを大幅に抑えることができるでしょう。

    シンクライアントとサーバ間はSSL通信により暗号化されています。公衆無線LANを利用する場合でも安心して通信を行えます。

    アクセス性の向上

    シンクライアント環境はネットワーク接続ができれば、自宅やサテライトオフィスなどどのような場所からでもセキュリティが守られた状態で自分のPC環境にアクセスできます。また実行方式によっては、対象の端末は専用のシンクライアント端末に限らずスマートフォンやタブレットでも利用可能です。

    緊急時への対策

    シンクライアントではデータセンターのサーバに問題が発生していなければ、自然災害やテロなどの緊急事態が発生しても事業を継続できます。クライアント端末からシンクライアント環境へ接続して業務を行うため、緊急時の損害範囲を抑えることが可能です。

    以下の記事ではシンクライアントの活用事例を紹介しています。自社に適した使い方と実行方式を確認し、シンクライアントのメリットを最大限活かしましょう。

    関連記事 シンクライアントの活用事例を4つ紹介!導入前の課題と効果とは?

    シンクライアントのデメリット

    シンクライアントの主なデメリットについて解説します。

    サーバに負荷がかかる

    シンクライアントは、各ユーザーのCPUやディスクなどのリソースをサーバに集約して共有することから、サーバ側に大きな負担がかかります。これにより、通常のPCでは快適に動作していたアプリケーションも遅くなってしまう可能性があります。

    ネットワーク環境が整っていないと利用できない

    シンクライアントでは、PC操作やサーバからの通信はネットワーク回線を利用して行われます。ネットワーク環境が整っていない場合、マウスの追随や画面の読み込みの際に非常に時間がかかり、業務に支障をきたす場合があるでしょう。

    画面データを転送するという性質上、データ転送量が多くなるため、特にモバイル通信網を利用する際にはデータ転送量の上限を気にする必要があります。外出先で利用する際には安定した通信環境を確保しなければなりません。

    導入コストが高額になる場合がある

    シンクライアントは自身で端末にデータを保存したり、アプリケーションのインストールができません。そのため端末の設定や調整などのサービスを併用する必要があったり、制御ソフトウェアを導入する必要があるため、場合によっては導入コストが高額になることもあります。

    複数の製品の資料請求をし費用を比べて自社の希望予算と合っているか検討することがおすすめです。シンクライアントの導入後は運用管理のコストダウンが期待できるため、導入コストとのバランスも考えて検討するとよいでしょう。

    以下の記事ではシンクライアント導入前に陥りがちな失敗例を紹介しています。シンクライアントのデメリットや失敗例を正しく理解し、本当にシンクライアントの導入が正しいのかを検討しましょう。

    関連記事 シンクライアント導入前に陥りがちな失敗例とは?

    シンクライアントの実行方式

    シンクライアントの実行方式は大きく分けて「ネットブート型」と「画面転送型」の2つに分けられます。それぞれの実行方式について解説していきます。

    ネットブート型

    ネットブート型は、サーバ上のイメージファイルをネットワーク経由でダウンロードし、クライアント端末でOSやアプリケーションを実行する仕組みです。パソコンのCPUやメモリを使用するため、通常のパソコンを使っている感覚で利用可能です。

    パソコンを起動するごとにサーバから大量のデータが送られてくるため、起動時に時間がかかる場合があります。そのためパソコンの台数にあわせてサーバを設置する必要があります。

    画面転送型

    画面転送型はサーバ側で処理した結果をクライアント端末の画面に表示する方式です。画面転送型は3つの方式に分けられます。

    ■ブレードPC型
    ブレードPC型は、超小型PC(ブレードPC)とクライアント端末を1対1で接続する方式です。高性能が求められる業務に向いていますが、端末ごとにPCを用意するためコストと管理負担が大きくなります。
    ■サーバベース型
    アプリケーションをサーバで実行し、複数ユーザーが同時に共有する方式です。コストは抑えられますが、サーバ障害が全ユーザーに影響するリスクがあります。
    ■VDI(デスクトップ仮想化)型
    仮想デスクトップをサーバ上に構築し、ユーザーはリモートで利用します。個別の仮想環境が提供されるため、他ユーザーの影響を受けにくく、柔軟性にも優れます。ただし、仮想化ソフトのライセンス費用や管理の手間が発生します。

    シンクライアント端末の種類

    シンクライアント端末は以下の4つに分類できます。比較的コンパクトで薄型の製品が主です。

    ■デスクトップ型
    専用OSなどが搭載されたデスクトップ型PC端末
    ■モバイル型
    持ち運び可能なモバイルノートPC型の端末
    ■USB型
    既存端末にUSBを差し込んでシンクライアント化するUSB型端末
    ■ソフトウェアインストール型
    既存端末にソフトウェアをインストールしてシンクライアント化するソフトウェア型端末

    注目のVDI(デスクトップ仮想化)とDaaS

    仮想デスクトップの導入は、セキュリティ強化や運用効率化、柔軟な働き方への対応といった観点から企業での導入が進んでいます。中でも注目されているのが、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とDaaS(Desktop as a Service)です。いずれもシンクライアント端末と組み合わせることで、端末にデータを残さず安全に業務環境へアクセスできる仕組みを実現します。

    VDI(デスクトップ仮想化)とは

    VDIは、サーバ上に仮想的なデスクトップ環境を構築し、各ユーザーがその環境へリモート接続して利用する仕組みです。リソースの集中管理が可能であり、ユーザーごとに独立した環境を提供できる点が特長です。仮想化基盤やサーバの性能向上により、近年はオンプレミス環境でのVDI導入が現実的になり、社内のセキュアなITインフラとして広く採用されています。なお、以下の記事ではVDIについて詳しく解説しているので、興味がある方はあわせてご覧ください。

    関連記事 仮想デスクトップ(VDI)とシンクライアントの違いとは?比較解説

    DaaS(クラウド型VDI)とは

    DaaSは、VDIと同様の仮想デスクトップ環境を、クラウドベースで提供するサービスです。自社に仮想基盤を持たず、クラウド事業者のインフラ上に構築されたデスクトップにアクセスする形態で、インフラ管理が不要でスピーディーな導入が可能です。特に拠点が複数ある企業やテレワーク運用においては、導入・運用の柔軟性からDaaSのニーズが高まっています。以下の記事ではDaasについて詳しく解説しているので、興味がある方はあわせてご覧ください。

    関連記事 DaaSとは?VDIとの比較・メリット・デメリットも解説!

    人気のシンクライアント製品を比較

    ユーザーから資料請求の多いシンクライアント製品を紹介します。各製品の価格や特徴を比較してみましょう。

    Amazon WorkSpaces導入支援サービス

    株式会社TOKAIコミュニケーションズ
    製品・サービスのPOINT
    1. お客様ニーズに沿う導入支援
    2. セキュリティ強化策のご提案
    3. サポートデスクで運用負荷軽減

    「Amazon WorkSpaces導入支援サービス」は、仮想デスクトップサービス『Amazon WorkSpaces』の導入を、株式会社TOKAIコミュニケーションズがトータルサポートしてくれるものです。自社のシステム環境やニーズにマッチした仮想デスクトップ環境の構築が可能です。

    要件定義から運用後のトラブル対応までワンストップでサポートが受けられるため、担当者の負荷軽減や効率的な運用を可能にします。セキュリティやコスト面に配慮したオプション機能もあり、自社にとって最適な運用を選択できる点も強みです。

    提供形態サービス / クラウド対象企業規模すべての規模に対応
    参考価格

    ※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。

    Amazon WorkSpaces導入支援サービスを利用したユーザーの口コミ

    いい点 その他 5,000名以上

    コロナで在宅勤務が基本となったが、これまで通り会社のネットワークドライブにアクセスできるため、これなしでは業務は成立しない。

    続きを読む


    改善してほしい点 その他 5,000名以上

    再起動すると15分ほど使用が出来なくなること。業務中すぐに再起動をかけたい時は、なかなか長く感じてしまう。

    続きを読む

    より多くの製品を比較したい場合は、以下の記事もご覧ください。

    関連記事 【2025年版】シンクライアント製品比較!VDIなど実行方式の種類も解説

    シンクライアントの理解を深め、導入の検討をしよう

    シンクライアントの導入により、各端末の保守管理にかかるコストの削減が可能です。しかし、企業規模に比例して負担は大きなものになるでしょう。

    シンクライアントの特徴、仮想デスクトップやDaasとの違いを理解したうえで、製品の資料請求をして検討することがおすすめです

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