ソーシャル分析の機能を整理する全体像
ソーシャル分析の機能は製品ごとに名称や範囲が異なります。まず全体像を3段階に分けて捉えると、比較の抜けを防ぐことができます。
| 段階 | 主な機能 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 集める | 投稿の収集、横断検索 | 対象のSNSと収集できる期間 |
| 分析する | 感情分析、競合比較、インフルエンサーの抽出 | 分析の軸、判定を調整できるか |
| 活用する | アラート、レポート作成 | 通知の手段と出力の形式 |
集める、分析する、活用するの3段階
集める段階では、キーワードにもとづいてSNSの投稿を収集します。分析する段階では、収集した投稿を感情や話題、投稿者の属性などの軸で整理します。どの軸で整理できるかは、製品で差があります。
活用する段階では、分析の結果をアラートやレポートの形で担当者に届けます。段階ごとに必要な機能がそろっているかを確認すると、製品の比較で見落としを減らせます。自社が重視する段階を決めておけば、優先順位をつけられます。
自社アカウント分析と投稿分析の違い
SNS分析には、自社アカウントの反応を見る分析と、世の中の投稿全体から評判や話題を探るソーシャルリスニングがあります。名称が似ていても、できることが異なります。前者は自社が運用する情報が中心で、後者は第三者の投稿も対象です。
自社の投稿へのいいねや閲覧数を見たいのか、競合も含めた世間の声を知りたいかを先に決めましょう。目的によって、必要な機能と製品の種類が変わります。両方を使う場合は、別々の製品を組み合わせる方法もあります。
取得できるデータの範囲とSNS側の仕様
ソーシャル分析の機能で取得できるデータは、各SNSが提供するAPIの仕様や利用規約に左右される場合があります。そのため、機能の一覧に記載があっても、取得できる範囲が条件によって変わる可能性があります。
確認の際は、取得できる情報を、SNSごとに具体的に聞きましょう。仕様が変わった場合の対応方針を、ベンダーに確認しておくと安心です。投稿に含まれる個人情報の扱いも、あわせて確認しましょう。
投稿の収集と横断検索の機能
投稿の収集は、ソーシャル分析の土台となる機能です。収集の方法と検索の自由度、対象の範囲を確認すると、分析の質を見きわめられます。
キーワードにもとづく投稿の収集
キーワード収集とは、自社名や商品名、関連する言葉を登録して、該当する投稿を自動的に集める機能です。登録したキーワードにもとづいて、継続的に投稿を蓄積できます。
キーワードの登録数に上限がある場合や、除外する言葉を指定できる場合があります。関係のない投稿が混ざると分析の精度が下がるため、除外条件の設定ができるかも確認しましょう。キーワードの追加や変更を、担当者が自分で行えるかも見ておくと運用の負担を抑えられます。
複数のSNSを横断して検索する機能
横断検索とは、複数のSNSやWebの投稿を、1つの画面でまとめて検索できる機能です。SNSごとに画面を切り替える手間が省け、話題の広がりを把握しやすくなります。同じ話題が複数のSNSで広がっているかも、並べて確認できます。
横断できるSNSの種類は製品によって異なります。自社の顧客が使うSNSが対象に含まれているか、検索条件を保存して繰り返し使えるかを見ておきましょう。検索結果を件数や日付で並べ替えられるかも、日々の確認で役立ちます。
収集できる期間と更新頻度の確認
過去の投稿をさかのぼって収集できる期間は、製品やSNSの仕様によって異なります。過去の傾向と比較したい場合は、さかのぼれる期間が分析の目的にあうかを確認しましょう。期間を延ばすと追加の費用がかかる場合もあります。
データの更新が、ほぼ即時なのか、日次や週次なのかも確認項目です。更新の間隔が長いと、速報性の求められる用途には向かない場合があります。炎上の兆候を把握したい場合は、更新の間隔を特に重視しましょう。
感情分析と炎上の兆候検知の機能
投稿の内容を読み取る分析機能は、評判の把握や炎上の早期把握に役立ちます。仕組みと限界をあわせて理解しておくことが大切です。
ポジネガの感情分析の仕組みと限界
感情分析は、投稿の言葉づかいから、肯定的、否定的、中立といった傾向を自動で判定する機能です。大量の投稿を短時間で仕分けられる点が利点です。
ただし、皮肉や冗談、文脈に依存する表現は、誤って判定される場合があります。例えば、褒め言葉に聞こえる皮肉の投稿を、肯定的と判断してしまう可能性があります。判定結果を手作業で修正できるか、自社の用語にあわせて辞書を調整できるかを確認しましょう。
炎上の兆候検知とアラートの設定
兆候検知の機能は、特定の言葉を含む投稿の急な増加や、否定的な投稿の割合の変化を捉えて通知します。通知の条件は、キーワードや件数、時間帯などで設定できる製品があります。
通知の手段が、メールやチャットなど自社の運用にあうかも確認しましょう。条件が厳しすぎると誤検知が増え、緩すぎると見落としが生じるため、運用しながら調整する前提で選びます。通知の履歴を残せる製品なら、条件を見直す際の根拠に使えます。
分析結果を確認し補正する機能
自動の分析結果は、そのまま鵜呑みにせず、元の投稿を確認できる画面が重要です。通知された投稿の本文や投稿者の情報を、すぐに見られるかを確かめましょう。投稿へのリンクから、元のSNSの画面へ移動できると確認が早く進みます。
判定の誤りを修正して、以降の分析に反映できる機能がある製品もあります。人の目による確認と組み合わせて使える設計かどうかが、運用の安定につながります。担当者が自動判定の結果を過信しないよう、確認の手順も決めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でソーシャル分析の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
競合比較とインフルエンサー抽出の機能
自社だけでなく、競合や影響力のある投稿者を分析する機能もあります。比較の軸と、抽出結果の扱い方を整理しましょう。
競合ブランドと比較する分析
競合比較の機能は、自社と競合のブランドについて、投稿の量、話題の内容、評判の傾向を並べて確認できる機能です。自社の強みや課題を、相対的に把握する材料にできます。
比較できるブランドの数や、期間の指定方法は製品によって異なります。公開されている投稿にもとづく分析のため、競合の実際の売上や顧客満足度とは異なる点を理解しておきましょう。比較する期間を施策の前後でそろえると、変化を読み取りやすくなります。
インフルエンサーを抽出する機能
インフルエンサーの抽出は、特定の話題について投稿が多い人や、反応が多く集まる人を探す機能です。商品の紹介を依頼する相手の候補を探す際に使われます。抽出の基準は、投稿の数や反応の数、話題との関連の強さなど製品によって異なります。
フォロワー数などの指標だけでは、投稿者の影響力や、自社との相性は判断しきれません。投稿の内容や過去の発信を、担当者が確認する前提で使いましょう。商品の紹介を依頼する場合は、契約の内容や表示のルールも事前に整理しておく必要があります。
話題や関連語の傾向を見る機能
投稿に多く出てくる言葉を可視化する機能は、話題の傾向を把握するのに役立ちます。自社が想定していなかった使われ方や、新しい関連語を発見できる場合があります。例えば、商品の意外な使い方が、言葉の変化から見つかることもあります。
見つかった言葉は、収集するキーワードに追加して分析の精度を高められます。可視化の画面が、担当者以外の関係者にも伝わりやすい表示かも見ておきましょう。表示する期間や言葉の数を変えられるかも、比較の材料です。
レポートの自動作成と機能選びの確認項目
分析の結果を共有するには、レポートの機能が欠かせません。最後に、機能を比較するときの確認項目を整理します。
- ■収集
- 対象のSNS、収集できる期間、除外条件を確認する
- ■分析
- 感情分析の調整、競合比較、抽出の軸を確認する
- ■通知
- アラートの条件と通知の手段を確認する
- ■出力
- レポートの形式、自動作成、共有の方法を確認する
レポートの自動作成と出力形式
レポートの自動作成は、集計した結果を、定型の形式で自動的にまとめる機能です。毎月の報告に使うテンプレートを用意できる製品もあり、作成の手間を減らせる可能性があります。集計の期間や指標を、自社の報告にあわせて指定できるかも確認項目です。
出力の形式は、PDFや表計算ソフト向けのファイル、画面上のダッシュボードなどがあります。報告先の部門が使い慣れた形式で出力できるかを確認しましょう。社内の別の部門へ共有する場合は、閲覧できる人を限定できるかも確かめておきましょう。
機能の過不足を見る比較表
機能が多い製品が、自社にとって適しているとは限りません。使わない機能が多いと、画面が複雑になり、費用もかさむ場合があります。機能が少なくても、自社の用途にあっていれば、運用の負担を抑えられることもあります。
必須の機能と、あれば便利な機能を分けた比較表を作り、各製品に同じ質問をして記入していきましょう。機能の名称が同じでも、できる範囲が異なる点に注意が必要です。比較表は社内で共有し、導入の判断の根拠として残しておきましょう。
トライアルでの操作性の確認
資料だけでは、操作の分かりやすさや、分析結果の見やすさは判断しにくいものです。無料トライアルやデモを使い、実際の担当者が自社のキーワードで操作してみましょう。
確認の際は、検索、分析、レポートの出力を一連の流れで試します。操作に迷う場面や、想定より時間がかかる作業を記録しておくと、製品間の比較に役立ちます。担当者以外の関係者にも画面を見てもらい、分かりやすさの感想を集めましょう。
分析機能の違いで比べるソーシャル分析製品
ここでは、感情分析、インフルエンサーの探索、競合の比較など、分析機能の特徴が異なる製品を紹介します。
Brandwatch
- 1.7兆件以上の信頼性の高いデータをリアルタイムに活用
- 消費者をより深く理解し、マーケティング戦略構築に貢献
- SNSアカウント運用全般に対応し、工数削減・業務効率化を実現
株式会社ブレインパッドが提供する「Brandwatch」は、Web上の消費者の声を収集して分析する市場調査と、SNS運用の管理を組み合わせたソーシャルスイートです。時系列の集計、感情分析、インフルエンサーの探索に対応し、X、Facebook、ブログの投稿も対象です。自社と競合を比較する分析や、レポートの作成、共有の機能も備えています。AIを使ったデータの可視化やアラートの機能もあり、分析の軸を増やしたい場合の比較に向いています。
見える化エンジン
- SNS/アンケート/コールログなどあらゆる顧客の声 (VoC)を一元化!
- 15年連続シェアNo.1のテキスト解析×AIで不満の原因・感情を可視化
- 40種超の分析機能×1,900社の導入実績・専任コンサルの伴走支援
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「見える化エンジン」は、ソーシャルメディアの声を収集、分析、共有できるデータ活用プラットフォームです。時系列の集計、感情分析、インフルエンサーの探索、Xの投稿に対応しています。生成AIの機能により、競合に寄せられた声との比較分析や、話題が広がった背景の読み取りを行える点が特徴です。分析できるSNSの対象や取得できる情報、利用できる期間は、事前に確認しましょう。
SocialDog
- 予約投稿・分析・キャンペーン・レポート作成が1つで完結
- 複数のSNSアカウントをチームで一元管理
- キーワードを指定してユーザーの投稿や口コミを収集・分析
株式会社SocialDogが提供する「SocialDog」は、SNS運用の効率化と分析を1つにまとめたクラウドのツールです。時系列の集計とインフルエンサーの探索に対応し、XとFacebookの投稿を扱えます。競合アカウントの投稿やフォロワー数の比較、ハッシュタグの分析などもでき、自社アカウントの反応を分析したい場合に向いています。分析できる期間や取得できる情報、複数のアカウントを横断した集計の可否は、資料請求で確認しましょう。
Tofu Analytics (株式会社misosil)
- 全量データ解析でSNS動向を可視化する分析機能
- AIで拡散経路を解析し最適な人を特定
- 複数SNSを一元管理し、分析結果を施策に活用できる。
Facelift Data Studio (Facelift brand building technologies GmbH)
- 複数SNSデータの一元管理と分析が可能
- 指標やダッシュボードを自在にカスタマイズ。
- レポート作成・配信の自動化機能を搭載
ソーシャル分析に関するよくある質問
ソーシャル分析の機能についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:感情分析の結果は、どこまで信頼できますか?
- A:皮肉や冗談、文脈に依存する表現は、誤って判定される場合があります。結果をそのまま使わず、元の投稿を確認する手順を前提にしましょう。判定を修正できる機能があるかも、比較のポイントです。
- ■Q2:横断検索で調べられるSNSは、どの製品でも同じですか?
- A:同じとは限りません。対象のSNSや取得できる情報は、製品の仕様や各SNSの提供する範囲によって異なります。自社の顧客が使うSNSが含まれるかを確認しましょう。
- ■Q3:インフルエンサーの抽出結果だけで、依頼先を決めてよいですか?
- A:抽出結果だけでは、投稿者の影響力や自社との相性は判断しきれません。過去の投稿の内容を担当者が確認したうえで、検討しましょう。依頼する場合は、契約や表示のルールも整理しておく必要があります。
- ■Q4:機能が多い製品のほうが、よいのでしょうか?
- A:機能が多いほどよいとは限りません。使わない機能が多いと、画面が複雑になり、費用もかさむ場合があります。必須の機能を決めたうえで、過不足を比べましょう。
まとめ
ソーシャル分析の機能は、集める、分析する、活用するの3段階で整理できます。投稿の収集と横断検索、感情分析と炎上の兆候検知、競合比較、インフルエンサーの抽出、レポートの自動作成が主な機能です。判定の精度や取得できるデータの範囲には限りがあるため、複数の製品を資料請求して比較してみてください。

