無料で使えるLINE公式アカウントの主な機能
LINE公式アカウントは、無料プラン(コミュニケーションプラン)でも充実した機能を備えており、はじめてLINE運用を開始する企業にも最適です。ここでは、無料プランで活用できる主要な5つの機能を具体的に紹介します。
メッセージ配信
無料プランでは、1か月あたり最大200通までメッセージを配信できます。この配信数は「友だち数 × 配信回数」で計算されるため、以下のような配信パターンが考えられます。
- ●100人の友だちに2回送信 = 200通
- ●200人の友だちに1回送信 = 200通
1回の配信で最大3つまで吹き出しを送信できます。また、以下のメッセージは配信数にカウントされず、無料で利用可能です。
- ●ユーザーとの1対1チャット
- ●自動で送られるあいさつメッセージ
- ●キーワード応答などの自動返信メッセージ
これらの無料機能を上手に組み合わせることで、配信数の上限内でも効率的に情報発信や顧客対応が行えます。
1対1のチャット対応
顧客とLINE上で直接やりとりできるチャット機能も無料で利用可能です。LINEアプリと同じ操作感覚のため、スタッフもすぐに使いこなせるでしょう。
- ●顧客からの質問にリアルタイムで返答する
- ●予約の確認・変更に応じる
- ●商品やサービスの詳細を個別に案内する
電話よりも気軽で、メールよりもスピーディーな対応ができるため、カスタマー対応の質を高めたい企業に有用な機能です。
リッチメッセージ・クーポン配信
リッチメッセージとは、画像やボタンを組み合わせた視覚的に訴求力の高い配信形式です。目を引くデザインで商品やキャンペーンを効果的にアピールできます。
さらに、LINE内でクーポンの作成・配信も可能。割引クーポンや来店特典を届ければ、ユーザーの行動促進にもつながります。例えば「○月○日まで使える10%OFFクーポン」などを期間限定で配信すれば、即時の来店や購買意欲を高められます。
ショップカード機能
紙のポイントカードに代わるデジタルショップカードも無料プランで利用可能です。LINE上で発行・管理が行えるため、ユーザーもスマホで手軽に確認できます。
例えば「来店1回で1ポイント付与、5ポイントでドリンク1杯無料」といった設定が可能。リピーター育成や定期来店の促進に効果的です。また、ショップカードのデザインや特典内容も自由にカスタマイズでき、ブランドにあわせた訴求が可能な点もメリットです。
細かい分析(インサイト)
LINE公式アカウントの管理画面では、アカウントの運用状況を確認できるインサイト(分析機能)が用意されています。具体的には以下のような情報が確認できます。
- ●友だちの追加数・ブロック数の推移
- ●メッセージの開封率やクリック数
- ●配信ごとの効果(反応の多かったメッセージなど)
これらの情報をもとに、「どんな内容の配信が反応がよかったか」「配信タイミングは適切だったか」などを振り返り、次回の配信に活かせます。
LINE公式アカウントの無料プランと有料プランの違い
LINE公式アカウントの各プランは、主にメッセージ配信数の上限や追加購入の可否に違いがあります。比較表でそれぞれの違いを確認してみましょう。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|---|
月額費用 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
無料メッセージ配信数 | 200通 | 5,000通 | 30,000通 |
追加メッセージ購入/単価 | 不可 | 不可 | 可能(~3円/通) |
かつては有料プランでしか使えなかった一部の機能(セグメント配信、自動応答、リッチメッセージなど)も、現在では無料プランでも利用できます。そのため、機能面においては無料プランでも基本的な運用が行えます。
参考:LINE公式アカウント料金プラン|LINEヤフー株式会社
LINE公式アカウントの無料プランが適した企業
以下のような企業・業種にとって、無料プランは非常に有用です。
- ■飲食店、美容院、整体院などの来店型ビジネス
- 来店をきっかけに友だち追加を促し、定期的なメッセージ配信や割引クーポン、デジタルショップカードを活用することで、リピーターの獲得や来店頻度の向上に効果を発揮します。紙のポイントカードをLINEに切り替えたい店舗にも最適です。
- ■小規模事業者・スタートアップ企業
- 限られた予算のなかで、顧客との接点を増やしたい場合に有効です。無料でメッセージ配信・チャット対応・分析などを活用できるため、広告コストを抑えながらも情報発信・顧客対応を行えます。初期投資を抑えてデジタル施策をはじめたい企業に適しています。
- ■まずはLINE運用を試してみたい企業
- 本格的なLINEマーケティングの前に、ツールの操作性や顧客の反応を無料でテストできます。初めての方でも導入しやすく、実際の運用感や効果を把握したうえで、必要に応じて有料プランや外部ツールへの拡張を検討できます。
メッセージ配信・チャット・クーポンといった基本的な機能が無料で利用できるため、導入ハードルが低く、LINE運用の第一歩として非常におすすめです。
LINE公式アカウントの運用強化には外部ツールの活用がおすすめ
LINE公式アカウント単体でも十分に運用できますが、より効果的な活用を目指すなら、外部ツールとの連携が大きな鍵になります。具体的には以下のような拡張が可能です。
- ■顧客セグメントに応じた配信の最適化
- ユーザーの属性や行動履歴に応じたパーソナライズ配信が可能になります。興味関心にあった情報だけを届けられるため、開封率や反応率の向上が期待できます。
- ■予約管理・CRMと連携
- LINEでのやりとりを顧客情報と一元管理できます。例えば、予約状況の自動通知や、過去のやりとりを参照した対応ができるようになり、業務の効率化や顧客満足度の向上につながります。
- ■ステップ配信や自動応答の高度化
- ユーザーのアクションや時間経過に応じて、あらかじめ設定したメッセージを自動で送信できます(例:友だち追加から1日後にクーポン配信など)。また、チャットボットによるFAQ対応や問い合わせ受付も自動化できるため、少人数でもスムーズな顧客対応が可能になります。
こうした運用を実現するには、LINE連携可能なマーケティングツールやCRMの導入が効果的です。
ITトレンドでは、LINE公式アカウントと連携できるツールを多数掲載しています。以下の比較ページで、具体的な製品情報をご確認ください。
まとめ
LINE公式アカウントの無料プランは、費用をかけずにはじめられる非常に有効な販促チャネルです。月200通までの配信枠と基本機能で、来店促進・顧客対応・再来店の仕組みづくりなど幅広く活用できます。
ただし、運用が軌道に乗ってくると無料プランではメッセージ配信数に限界を感じる場面もあるでしょう。より高い成果を求めるなら、有料プランや外部ツールとの連携も検討してみてください。まずは無料プランからスタートし、自社にあったLINE運用スタイルを見つけていきましょう。