ETLツールの連携性を確認する視点
ETL(Extract Transform Load)ツールは、複数のシステム間でデータをやり取りする仕組みです。まず連携性を確認する際の基本的な視点を整理します。連携先が多いほど確認すべき項目も増えるため、優先順位をつけて検討を進めることが大切です。
対応している連携先の種類
ETLツールが対応している連携先の種類は製品によって幅があります。自社が利用しているシステムが対応リストに含まれているかを確認する必要があります。導入検討を始める前に、社内で利用しているシステムを棚卸しして、連携が必要な範囲を明確にしておくとよいでしょう。
対応リストに含まれていても、実際の連携で必要な項目まで細かく設定できるとは限らない点に注意しましょう。導入前にデモ環境などで、自社が想定している連携内容が実現できるかを確認しておくと、導入後のギャップを防ぎやすくなります。対応していない連携先がある場合は、代替の連携方法があるかもあわせて確認しましょう。対応リストが古い場合もあるため、最新の対応状況をベンダーに直接確認する方法も有効です。
連携方式の違い
ETLツールの連携方式には、API連携、ファイル連携、データベースへの直接接続などいくつかの種類があります。連携方式によって設定の手間や更新の反映速度が異なるため、業務内容にあわせた選択が求められます。
API連携は比較的リアルタイムに近い連携ができる一方、ファイル連携は定期的にまとめてデータを受け渡す形式を採用している製品が多くあります。連携先システムがどの方式に対応しているかによって、選べる連携方式が変わるため、事前に連携先の仕様を確認しておく必要があります。複数の連携方式に対応しているツールであれば、業務内容にあわせて使い分けられる場合もあります。
BIツール・データウェアハウスとの連携
データ分析基盤を構築する際は、BIツールやデータウェアハウスとの連携性が重要な確認ポイントになります。分析基盤とのつながりが弱いと、せっかく集めたデータを十分に活用しきれない可能性があります。
BIツールとの連携で確認したいポイント
BIツールと連携できるETLツールを選ぶ際は、対応しているBIツールの種類だけでなく、データを渡す頻度やタイミングも確認する必要があります。分析担当者が求めるデータの粒度にも配慮した設計が求められます。
分析に使うデータの更新頻度が低いと、経営判断や現場の意思決定に古い情報を使ってしまう可能性があります。BIツール側でどれくらいの頻度でデータが必要とされているかを確認したうえで、連携の実行間隔を設定できるかを比較検討の材料にしましょう。部署によって求める更新頻度が異なる場合は、優先度をつけて調整する方法もあります。
データウェアハウスとの連携で確認したいポイント
データウェアハウスへのデータ集約を目的とする場合、大量データの書き出しに対応できる処理性能が求められます。処理性能が不足していると、集約作業自体に時間がかかり、分析の着手が遅れる可能性があります。
データウェアハウス側のデータ形式にあわせた変換処理ができるか、書き出し時にエラーが起きた場合の再実行機能があるかを確認しておきましょう。将来的に扱うデータ量が増える見込みがある場合は、拡張性もあわせて検討する必要があります。複数部署からデータが集まる構成の場合は、書き出し先のテーブル設計をあらかじめ整理しておくと混乱を防ぎやすくなります。
クラウドストレージ・基幹システムとの連携
クラウドストレージや基幹システムとの連携では、ファイル形式やセキュリティ面での確認が必要になる場合があります。特に基幹システムは業務の中核を担うため、慎重な確認が求められます。
クラウドストレージとの連携
クラウドストレージと連携できるETLツールでは、保存されているファイルを定期的に取り込んで処理する使い方が想定されます。手作業でのファイルダウンロードを減らせる点が、業務効率化の面で期待できます。
対応しているファイル形式や、フォルダ構成の指定方法は製品によって異なります。大量のファイルを扱う場合は、処理にかかる時間の目安をあらかじめ確認しておくと、業務のタイミングにあわせた運用がしやすくなります。複数のクラウドストレージサービスを併用している場合は、それぞれに対応しているかも個別に確認しましょう。
基幹システムとの連携
基幹システムは企業ごとにカスタマイズされている場合が多く、標準的な連携方式だけでは対応できないことがあります。長年運用してきたシステムほど独自の仕様が積み重なっている傾向があります。
個別の仕様に対応できる柔軟な設定機能があるか、過去に同様の基幹システムとの連携実績があるかをベンダーに確認する方法があります。基幹システムとの連携は業務への影響が大きいため、事前の検証を丁寧に行う必要があります。検証環境で十分に確認したうえで、段階的に本番環境へ移行する進め方も検討材料になります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でETLの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
SaaS製品・APIとの連携性
Salesforceなど複数のSaaS製品を利用している企業では、API連携のしやすさが選定の重要な判断軸になります。利用するSaaS製品の組み合わせは企業ごとに異なるため、自社の環境に沿った確認が欠かせません。
SalesforceなどSaaS製品との連携
SaaS製品と連携できるETLツールでは、あらかじめ用意されたコネクタを使って比較的短期間で連携を設定できる場合があります。ゼロから開発する場合と比べて、担当者の負担を抑えられる可能性があります。
対応しているSaaS製品の種類が多いほど、将来的に利用するSaaS製品が増えた場合にも対応しやすくなります。SaaS製品側の仕様変更が発生した際に、ETLツール側の設定を修正する必要が出る場合もあるため、サポート体制も確認しておきましょう。コネクタの更新頻度や、対応終了時の事前連絡の有無も確認しておくと安心です。
API連携のしやすさ
コネクタが用意されていないシステムとは、APIを使って個別に連携を構築する必要がある場合があります。自社独自のシステムを利用している企業では、こうした場面に直面することが多くなります。
API連携の設定画面が分かりやすいか、認証方式に幅広く対応しているかを確認しておくと、独自システムとの連携もスムーズに進めやすくなります。API仕様が変更された場合の対応方針をベンダーに確認しておくことも大切です。開発担当者がいる場合は、技術的な仕様書が公開されているかもあわせて確認しておきましょう。
連携性を比較する際の確認方法
複数の製品を比較する際は、対応リストを確認するだけでなく、実際の連携を試す方法も検討しましょう。書面上の情報だけでは分からない使い勝手の違いに気づける場合があります。
事前確認しておきたい項目
連携先システムの種類だけでなく、データの反映頻度、対応できるデータ量、エラー時の挙動など、複数の項目を整理してから比較する必要があります。項目に抜け漏れがあると、導入後に想定外の制約に気づく可能性があります。
項目を一覧にまとめておくと、複数の製品を比較する際に条件をそろえやすくなります。ベンダーへ質問する際も、確認したい項目をあらかじめリスト化しておくと、抜け漏れのない確認ができます。社内の関係者にも同じ一覧を共有しておくと、比較検討の過程で認識のずれを防ぎやすくなります。
連携テストの進め方
無料トライアルやデモ環境を利用して、実際に自社のシステムとの連携を試す方法があります。書類上の説明だけでは判断しづらい細かな挙動も、実際に触れることで見えてくる場合があります。
本番環境に影響を与えないよう、検証環境やテスト用のデータを使って確認する方法が現実的です。連携テストの際は、情報システム部門や連携先システムの管理者と事前に相談し、実施範囲を確認しておくと安全に進められます。テスト結果を記録しておくと、複数の候補製品を比較する際の判断材料としても活用できます。
連携先の幅から検討したいETLツールの例
ここまで紹介した連携先ごとの確認ポイントをふまえ、BIツールやデータウェアハウス、SaaS製品など幅広い連携先に対応するETLツールを紹介します。自社が利用しているシステムとの相性を確認する際の候補としてご覧ください。
TROCCO
- 開発・インフラ・人件費のコストやデータ統合作業工数を削減
- 分析リードタイムの短縮によりデータ活用がスピーディーに
- データ環境が整備されることで、データの民主化が促進
株式会社primeNumberが提供する「TROCCO」は、クラウド型のデータ連携・ETLサービスです。各種データベースやSaaS、広告媒体、データウェアハウスなど多様な連携先にあらかじめ対応したコネクタを備え、設定画面上の操作で連携を組み立てられます。分析基盤へのデータ集約を目的に、複数のSaaSやシステムを横断してデータをまとめたい場合の選択肢になります。
ASTERIA Warp
- 豊富なアダプターで様々なソースに対応
- ノーコードの簡単操作で様々な分析を高速に実現
- 1万社以上の導入実績と国内シェアNo.1の製品
アステリア株式会社が提供する「ASTERIA Warp」は、プログラミング知識がなくても操作できるノーコード型のデータ連携ツールです。アイコンを組み合わせる画面設計で、会計・販売管理システムからクラウドストレージ、SaaS製品まで幅広い連携先に対応するアダプターが用意されています。基幹システムなど企業ごとにカスタマイズされた環境との連携実績も豊富な点が特徴です。
Reckoner[レコナー]
- クラウド型ETLサービスの決定版‼100種以上のデータ連携先と接続
- データ連携作業の工数を大幅削減!プログラム作業不要で実現!
- 直感的なインターフェースで簡単操作!ドラッグ&ドロップで連携
株式会社スリーシェイクが提供する「Reckoner[レコナー]」は、クラウド型のデータ連携ツールです。データベースやSaaS、広告媒体など多様な連携先に対応したコネクタを備え、ノーコードでデータ連携処理を組み立てられます。複数のSaaS製品やAPIを横断してデータを一箇所にまとめたい場合に、設定の手間を抑えて連携を進めやすい点が特徴です。
AmazonAppFlow (アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)
- SaaSとAWSのデータ連携を自動化
- リソース不要で大規模データ転送
- 変換・集約によるデータ準備の簡素化・自動化
AWS Glue (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- サーバーレスでデータ統合処理を実行
- 複数データソースを統合し、カタログ形式で一元管理。
- ETLやデータ変換を一つのサービスで完結。
まとめ
ETLツールの連携性は、BIツールやデータウェアハウス、クラウドストレージ、基幹システム、SaaS製品など連携先の種類によって、確認したいポイントが異なります。対応リストの確認だけでなく、実際の連携テストを通じて自社の環境で問題なく動作するかを丁寧に確かめることが大切です。連携先を丁寧に整理したうえで、複数の製品をじっくりと比較検討してみてください。


