従業員エンゲージメントとは
「エンゲージメント」とは、英語の “engagement” に由来し、関与・約束・愛着といった意味をもちます。ビジネス領域では、企業と従業員が相互に信頼関係を築き、目標達成に向かって協力する関係性を指す言葉として使われています。
そのなかでも「従業員エンゲージメント」は、従業員が企業の一員として主体的に貢献する姿勢を表します。以下で詳しく見ていきましょう。
企業と従業員が互いに貢献しあうこと
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社の戦略や目標を理解し、積極的に行動を起こす状態です。愛社精神とも呼ばれます。
現在、給与や福利厚生だけでなく、働く場所やワークライフバランス、仕事へのモチベーションなどを重視する人が増えており、働くことの価値観も多様化されています。そのため生産性向上や離職率低下のためには、従業員との良好な関係維持が大切であり、従業員エンゲージメントが必要な要素として注目されるようになりました。
優秀な人材を流出させないことが目的
従業員エンゲージメントの主な目的の一つは、優秀な人材を流出させないことです。会社に愛着を持たせることで、離職率の低下を図ります。
以前は年功序列や終身雇用によって、会社に貢献すれば安定や収入が保証されていました。しかし終身雇用が崩壊しつつある現在では、エンゲージメントが高まりにくい環境になっています。
せっかく採用した優秀な人材が離職するのを回避するために、エンゲージメントを高めるための方法がより注目されるようになりました。
従業員満足度とは異なる
従業員のエンゲージメントは、以下の点で従業員満足度とは異なります。
- ■従業員のエンゲージメント
- 従業員が会社の戦略や目標を理解し積極的に貢献すること。
- ■従業員満足度
- 職場環境・賃金・人間関係・待遇などにおける従業員の満足度のこと。
従業員満足度については、以下の記事で紹介しています。
従業員エンゲージメントを高める効果やメリット
エンゲージメントを高めることによって企業にもたらすメリットには、以下のものがあります。
- ■企業の生産性・利益アップ
- 従業員のエンゲージメントが高まると自発的に企業に貢献するようになり、サービスレベルや営業利益、顧客満足度の向上が期待できます。
- ■離職防止につながる
- 信頼関係の構築によりエンゲージメントが高まると、人材の定着が図れ、離職防止につながります。
- ■人材確保につながる
- エンゲージメントを高めることで、従業員の働きやすさが話題となり新たな人材確保につながります。
株式会社リンクアンドモチベーションの研究機関である「モチベーションエンジニアリング研究所」が、2022年5月に発表した「従業員エンゲージメントとキャリア充足度」に関する調査では、従業員エンゲージメントの向上は営業利益率や労働生産性にプラスの影響があることを発表しています。
参考:「従業員エンゲージメントとキャリア充足度」に関する研究結果を公開 | 株式会社リンクアンドモチベーション
従業員エンゲージメントを高める具体的な方法
従業員エンゲージメントを高めるには、従業員の帰属意識や貢献感などがポイントです。具体的に解説します。
従業員の価値観やエンゲージメントの現状を把握する
従業員とのコミュニケーションを心がけ、従業員の価値観を把握することが大切です。同じ職場で働いていても、仕事に対する考え方は人それぞれです。仕事を人生における重要なものと考える人もいる一方で、あくまで生活維持の手段と考える人もいます。
そのため、従業員の価値観を知ることは、信頼を得るために欠かせません。直接対話する機会を設けるだけでなく、多彩な社内ソーシャルメディアなどのツールも使ってコミュニケーションを増やしましょう。
またコミュニケーションを通して、価値観だけでなく仕事や企業に対するエンゲージメント状況を確認できます。価値観や現状の把握は、アンケート調査を実施するのも一つの方法です。
組織の一員であることを認識させる
組織の中で認められ帰属意識をもつことも、エンゲージメント向上につながります。帰属意識が高まると、従業員は企業に長く定着し貢献するでしょう。またテレワークの導入により、帰属意識低下が見られるケースもあるようです。オンライン上でも、組織の一員として仲間意識をもてる施策の実施が必要です。
例えば、1on1などの定期的な面談やメンター制度、相談役としてのブラザー・シスター制度を導入するのも効果的です。
貢献していることを認識させる
自分の役割が、企業内でどのように貢献しているかを認識させることが大切です。役職にかかわらず、「よかった」「役に立った」というポイントを積極的に褒めたり、感謝を伝えたりすることで、従業員の貢献感を育てます。
職場環境の整備を行う
従業員それぞれの適性に応じた人材配置が大切です。また、職場の人間関係・物理的レイアウト・メンタルヘルス・労働時間などを考慮して、働きやすいと実感できる職場環境の構築を目指しましょう。
管理者を教育する
管理者の教育も、従業員のエンゲージメントを高めるために重要な要素です。従業員のモチベーションは、管理者によって大きく左右されます。管理者はフィードバックやコーチングなど、部下のやる気や能力を引き出すための技能を身につける必要があります。
タレントマネジメントを実施する
従業員エンゲージメントを高めるには、タレントマネジメントの実施も効果的です。タレントマネジメントとは、従業員のスキルや経験、適性などを把握し、人材配置や育成、評価に活かす人事戦略のことです。
タレントマネジメントを実施すれば、従業員一人ひとりの能力や希望を踏まえた適材適所の配置が可能になります。自分の強みを活かせる環境で働けるようになることで、従業員は成長実感や貢献感を得やすくなり、エンゲージメント向上につながります。
なお、従業員情報やスキル、評価データを手作業で管理するには限界があります。効率的にタレントマネジメントを進めたい場合は、タレントマネジメントシステムの活用がおすすめです。以下の記事では、おすすめタレントマネジメントシステムを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
エンゲージメント向上にタレントマネジメントシステムが役立つ理由
従業員エンゲージメントを高めるには、従業員の状態を正しく把握し、配置・育成・評価などの人事施策に反映することが重要です。タレントマネジメントシステムを活用すれば、従業員情報を一元管理し、データにもとづいた人事施策を実施しやすくなります。
タレントマネジメントシステムで実現できる主なことは、以下のとおりです。
- ●従業員情報やスキル、経歴、評価データの一元管理
- ●従業員の適性や能力にもとづく人材配置
- ●育成計画やキャリア支援の効率化
- ●エンゲージメントや組織課題の可視化
- ●経営層や管理職への迅速な情報共有
従業員の状態を可視化できれば、エンゲージメント低下の要因を把握しやすくなります。また、適性にあった配置や育成を行うことで、従業員の成長実感や貢献感を高める効果も期待できます。
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