PM・仲介管理兼業向けの賃貸管理ソフト
不動産会社の業務形態として多いのが、オーナーから物件管理を受託するPM業務と、入居希望者への客付(仲介)を兼業するケースです。それぞれの業務に必要な機能の違いを理解した上でソフトを選ぶことが重要です。
プロパティマネジメント業務に特化した機能のポイント
プロパティマネジメント(PM)は、オーナーの資産価値を最大化することを目的に、物件の空室管理・修繕計画・収支報告・オーナーへの送金などを代行する業務です。PM業務に特化した賃貸管理ソフトには、「オーナーごとの収支計算と月次・年次レポートの自動生成」「修繕・原状回復履歴の物件ごとの管理」「オーナーへの送金明細の自動作成」などの機能が求められます。大規模な管理戸数を持つ会社では、これらをまとめて処理できるシステムが業務効率を大きく左右します。
PM業務向けのソフトを選ぶ際の確認ポイントとして、(1)オーナー別・物件別の収支レポートの出力形式が管理業務に適しているか、(2)修繕・設備の点検記録を管理できるか、(3)外部の会計システムとの連携が可能か、の3点が重要です。管理戸数が多い会社では、物件・オーナーのデータが大量になるため、一括インポートやデータ移行の容易さも確認することをお勧めします。
客付(仲介)と管理を一体化できるシステムの特徴
仲介(客付)と管理の両方を行っている不動産会社では、「ポータルサイト(SUUMO・HOME'Sなど)への物件掲載情報の一括管理」「内見予約・申込から契約・入居手続き」「入居後の賃貸管理(家賃収納・更新・退去)」まで一気通貫で管理できるシステムが業務効率を高めます。仲介と管理が別々のシステムでは、情報の二重入力や引き継ぎミスが発生しやすいため、一体型システムの利点が大きいです。
一体型システムを選ぶ際は、「対応しているポータルサイトの種類と自動連携の機能」「電子契約・重要事項説明(IT重説)への対応」「入居者・オーナー向けのポータル機能(入居者アプリや書類交付機能など)」を確認することが重要です。特に電子契約の対応は近年需要が高まっており、紙の契約書を廃止して業務を効率化する際に重要な機能です。デジタル化の進行度合いに合わせてシステムを選ぶことをお勧めします。
商業施設・駐車場向けの賃貸管理ソフト
住居用賃貸物件とは異なる業種特有の請求計算・区画管理が必要なのが、商業施設やテナントビル・月極駐車場の管理です。これらに対応できるシステムは限られるため、確認が必要です。
ビルマネジメント(商業施設)向けの複雑な賃料請求対応
商業施設・テナントビルの管理では、住居賃貸とは異なる複雑な賃料体系への対応が求められます。具体的には「売上連動賃料(売上歩合)の計算」「共益費・電気代・水道代など費目別の請求」「電気・ガス・水道の検針データをもとにした請求書作成」「テナントごとに異なる契約条件(賃料・免除期間・保証金)の管理」などです。これらは住居用の賃貸管理ソフトでは標準機能として対応していない場合が多く、商業施設向けの機能を持つシステムが必要です。
商業施設向けのシステムを選ぶ際は、「検針業務との連動(電気・ガス・水道メーターの読み取りデータのインポート)」「費目別の請求書発行機能」「テナントごとの契約条件の個別設定」ができるかを重点的に確認してください。また、大型ショッピングモールや複合施設では物件・テナント数が多くなるため、処理速度とデータの一括管理機能も確認が必要です。ベンダーへの問い合わせ時に自社施設の規模・テナント数を伝えた上で対応可否を確認することをお勧めします。
月極駐車場の区画管理と大量入金消込への対応
月極駐車場の管理では、「区画(番号)単位の空き状況管理」「契約者と区画の紐付け」「月次の利用料請求」「大量の少額入金の消込(銀行振込の消し込み)」が主な業務です。月極駐車場は件数が多い割に1件の金額が少なく、入金確認と消込の手作業による負荷が高い業務です。住居用の賃貸管理ソフトでも駐車場管理に対応している製品はありますが、区画管理に特化した使いやすさやバルク消込機能があるかどうかは製品によって異なります。
月極駐車場管理に強いシステムを選ぶ際は、「区画番号単位の管理画面の見やすさ」「銀行振込データの一括取込と自動消込の機能」「空き状況の一覧表示と入力の簡便さ」を確認することが重要です。また、賃貸住居と駐車場を同一会社で管理している場合は、住居と駐車場の契約を同一システムで一元管理できるかどうかも選定基準となります。銀行ごとの振込データ形式への対応状況はベンダーに事前確認することをお勧めします。
特殊契約形態に対応した賃貸管理ソフト
サブリース・シェアハウス・社宅代行といった特殊な契約形態を持つ業務は、汎用の賃貸管理ソフトでは機能が不足する場合があります。各業態の特徴と必要な機能を解説します。
サブリース(家賃保証)の複雑な収支計算への対応
サブリース(転貸借)型の不動産管理では、「オーナーからの物件一括借上料(保証賃料)の計算」「入居者から受領した家賃との差額管理」「空室保証時の支払い計算」「オーナーへの毎月の収支送金明細の作成」など、通常の賃貸管理とは異なる複雑な収支計算が必要です。サブリース特有の収支構造を管理できるシステムは限られており、汎用の賃貸管理ソフトでは対応できない場合があります。
サブリース対応のシステムを選ぶ際は、「オーナーへの保証賃料と入居者からの受領家賃の差額を自動集計できるか」「空室時の保証賃料計算に対応しているか」「物件・オーナーごとの収支レポートが自動生成されるか」を確認することが重要です。また、サブリース契約は契約期間が長く、賃料改定のタイミング管理も必要なため、更新・改定の通知・管理機能も確認することをお勧めします。
シェアハウスと社宅代行業務の管理機能
シェアハウスの管理では、「ベッド・部屋単位の空室管理(1棟の中に複数の契約が存在する)」「共益費・水道光熱費の居住者間での按分計算」「短期・中期滞在者の入退去管理」など、通常の賃貸管理とは異なる管理単位と計算方法が必要です。社宅代行業務では、「複数企業からの委託管理」「企業ごとの請求書発行」「入社・退社に合わせた入退去管理と連絡フロー」が求められます。いずれも汎用ソフトでは機能が不足するケースがあります。
シェアハウス対応のシステムを選ぶ際は、「部屋・ベッド単位の契約管理ができるか」「共益費の按分計算式が柔軟に設定できるか」を確認してください。社宅代行システムでは、「企業(委託元)ごとに管理画面を分けられるか」「企業宛の請求書と社員宛の請求書をそれぞれ発行できるか」が選定のポイントです。対応している物件種別をベンダーに事前確認した上でデモを依頼することをお勧めします。
業種対応の賃貸管理ソフトを比較
PM業務・商業施設・サブリース・シェアハウスなど、幅広い業種に対応した賃貸管理ソフトをご紹介します。複数の資料を取り寄せて比較してみてください。
ITANDI 賃貸管理 基幹システムセット
- 現状の体制のまま外部システムと連携でき、業務効率をさらに加速
- 万全のシステム体制により、快適で安定した利用が可能
- CSの不動産知見が強い高品質のサポート体制で成果最大化を支援
ITANDI 賃貸管理 基幹システムセットは、物件管理・賃貸借契約・入居者管理・会計まで賃貸管理業務を一元化できるクラウド型サービスです。仲介と管理の一体運用や電子契約・IT重説への対応など、デジタル化を進める不動産会社の業務効率化を支援します。
資産Navi Biz
- オーナーの心理を数値化し、最適なタイミングで適切な提案が可能
- ワンクリックでレポート送付!オーナー対応もチャットでスムーズ
- 最適な提案文をAIが生成し、高品質で経験に頼らない対応が実現
資産Navi Bizは、不動産会社の賃貸管理・売買管理・資産管理を統合的に扱えるシステムです。物件の入出金管理・オーナーへの収支報告・管理業務のデジタル化を支援する機能を提供しています。
i-SP/SP-Ⅱ
- 賃貸管理システム導入実績4,000社以上
- 50以上の外部システム・サービスと連携し不動産DXを推進
- 導入~稼働~運用に至るまで、全国10拠点からお客様をサポート
i-SP/SP-IIは、不動産管理会社向けの賃貸管理システムです。大規模な物件管理にも対応した機能構成を持ち、賃料請求・入金管理・オーナー送金など賃貸管理の基幹業務をカバーしています。
らくらく賃貸管理
- クラウドで社内の情報共有をリアルタイムに。
- 更新進捗・帳票作成・入金/出金管理・仲介会社対応(内見申込)
- 安心のサポート体制で日曜日以外毎日あなたと伴走します
らくらく賃貸管理は、中小規模の不動産管理会社向けに使いやすく設計された賃貸管理ソフトです。契約管理・家賃収納・オーナー管理などの基本機能をシンプルに操作できる設計が特徴です。
いえらぶCLOUDらくらく賃貸管理 (株式会社いえらぶGROUP)
- 200万件の物件DBから基礎情報を取得し、入力時間を1/2削減
- Web完結の口座振替で家賃回収を効率化
- インボイス制度対応。登録番号項目を追加。
GMO賃貸DX (GMOReTech株式会社)
- 賃貸借契約書等の電子契約に唯一対応したオーナーアプリ
- オーナーアプリは唯一クレカ決済に対応
- AI返信アシスタントによる約100言語対応の翻訳・回答文面生成。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で賃貸管理ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
業種別に賃貸管理ソフトを選ぶ際のポイント
業種や物件種別が確定したら、それに合ったシステムを選ぶための具体的な進め方があります。選定の失敗を防ぐ確認ポイントをまとめます。
自社業務に合った機能要件を整理する方法
賃貸管理ソフトを選定する前に、自社が管理している物件種別と業務フローを整理することが最初のステップです。「管理物件の種別(住居・店舗・駐車場・シェアハウス等)の内訳と件数」「現在の業務で最も時間がかかっているプロセス(入金消込・オーナー報告・請求書発行等)」「将来的に拡大したい業務(電子契約・仲介との一体化等)」を一覧化した上で、その要件を満たすシステムを絞り込む順序で進めることが重要です。
機能要件の整理ができたら、ベンダーに自社の業務要件を詳しく説明した上でデモを依頼することをお勧めします。汎用的な製品デモだけでは自社固有の業務への対応可否が分かりにくいため、「自社が管理している物件種別での動作確認」「特殊な計算パターン(サブリースの差額計算など)の試算デモ」を依頼することで、実際の業務への適合性を確認できます。
業種対応実績とカスタマイズ性の確認ポイント
賃貸管理ソフトを業種別に選ぶ際、ベンダーへの確認事項として特に重要なのが「自社と同じ業種・物件種別の導入実績があるか」です。同業種での実績が豊富なシステムは、業種特有の業務フローへの対応が設計に織り込まれており、導入後の「想定していた機能がなかった」というリスクを下げられます。導入事例の業種・規模・解決した課題などを確認し、自社の状況と照らし合わせることをお勧めします。
また、標準機能で対応できない業務が一部ある場合に、カスタマイズや追加開発で対応できるかどうかも確認することが重要です。カスタマイズ対応の可否・費用・期間・将来のバージョンアップへの影響を事前に確認し、ランニングコストも含めた総合的なコストで製品を比較することが、長期的に見て適切な判断につながります。
まとめ
賃貸管理ソフトは業種・物件種別によって必要な機能が大きく異なります。PM業務・商業施設・仲介と管理の兼業・サブリース・月極駐車場・シェアハウス・社宅代行など、自社の管理業務に特有の計算や管理機能に対応しているかどうかを選定の最優先事項に置いてください。ITトレンドで複数の賃貸管理ソフトの資料を一括請求し、自社業務との適合性を比較して選定を進めることをお勧めします。


