金融業や官公庁で重視するアプリケーション仮想化の要件
金融業や官公庁・自治体は、取り扱う情報の重要性が高く、社内規程や外部の基準に沿った運用が求められる業種です。そのため、セキュリティ面の確認項目が増える傾向があります。
金融業の情報管理と操作ログ
金融業では、顧客の情報を扱う業務アプリを、できるだけ端末に残さずに利用したい場面があります。アプリケーション仮想化は、データをサーバー側にとどめる使い方ができる場合があります。
あわせて、誰がいつ操作したかを後から確認できる、ログの取得範囲を確認しましょう。社内の監査や規程にあう形で保管できるかも、選定時の重要な点です。ログを分析しやすい形式で出力できるかも、確かめておくとよいでしょう。
官公庁・自治体のネットワーク分離への適合
官公庁や自治体では、業務で使うネットワークを用途ごとに分けて運用している場合があります。アプリケーション仮想化を使う際は、その構成の中で安全に接続できるかを確認する必要があります。
導入先のネットワーク構成を担当部署と共有し、ベンダーに構成案を相談しましょう。国や自治体が定める基準への対応状況も、あわせて確認すると安心です。構成が変わる場合の再確認の手順も、聞いておきましょう。
製造業や建設業向けのアプリケーション仮想化の確認点
製造業や建設業では、設計用のソフトや現場の管理アプリなど、専用のアプリを複数の拠点で使う場面があります。拠点や現場の端末環境が異なる点も、検討の前提になります。
製造業の拠点間でのアプリ共有
製造業では、生産管理や品質管理のアプリを、工場や営業所など複数の拠点で使う場合があります。拠点ごとに端末へインストールしていると、バージョンの違いが問題になることがあります。
サーバー側でアプリを一括管理できると、更新の手間を減らせる可能性があります。工場内のネットワークが不安定な場合に、接続が途切れたときの動作も確認しておきましょう。再接続後に作業内容が残るかも、現場の使いやすさに関わります。
建設業のCADの遠隔利用
建設業では、事務所の高性能なパソコンで動くCAD(設計用のソフト)を、現場や自宅から使いたい場面があります。ただし、CADのような負荷の高いアプリは、画面転送の速度や回線の品質にも左右されます。
GPU(画像処理を担う部品)に対応した環境か、必要な回線の速度の目安を事前に確認しましょう。実際の図面を使った試用で、操作の遅れを確かめることをおすすめします。同時に使う人数が増えた場合の動きも、試しておくと安心です。
医療法人でアプリケーション仮想化を選ぶときの注意点
医療法人では、患者の情報を扱うため、情報の取り扱いに特に慎重な対応が求められます。診療や事務など、部門ごとに使うアプリが異なる点も、選定の前提です。
患者情報を扱う端末の管理
医療情報を扱う場合は、国が示す安全管理に関するガイドラインなどへの対応が求められます。アプリケーション仮想化を使う際は、端末にデータを残さない運用や、アクセス権限の管理方法を確認しましょう。
自院で使っているシステムが、仮想化した環境での動作に対応しているかも重要です。システムの提供会社へ、動作条件を事前に問い合わせることをおすすめします。回答は文書で受け取り、社内で共有しておきましょう。
共用端末と職種ごとの利用権限
診察室や病棟では、複数の職員が同じ端末を使う場面があります。利用者ごとに使えるアプリや見られる情報を分けられないと、操作の記録も不明確になりえます。
職種ごとに利用できるアプリを設定できるか、確認しておきましょう。端末を切り替えても作業を続けられるかは、現場の負担にも関わります。ログインの手間が増えると、運用の定着にも影響する場合があります。
夜間や休日の保守体制
医療の現場では、夜間や休日にも業務が続く場合があります。仮想化の環境に問題が起きたとき、対応が遅れると業務への影響が大きくなる可能性があります。
ベンダーの問い合わせ窓口や、受付時間、緊急時の連絡方法を確認しましょう。自院の担当者が不在でも動けるよう、連絡の流れをあらかじめ決めておくと安心です。夜間の連絡を受ける担当者は、交代制にするなど負担の偏りを抑える工夫も大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアプリケーション仮想化の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
教育機関やコールセンターで求められる端末管理
教育機関やコールセンターは、多数の端末を同じ設定で管理する必要がある業種です。端末の入れ替わりや利用者の増減が起こる点も、アプリケーション仮想化を検討する理由になります。
教育機関の学内PCへのアプリ配布
教育機関では、授業や学年に応じて、学内のパソコンに必要なアプリを入れる作業が発生します。教室ごとにインストールすると、作業の負担が大きくなる場合があります。
アプリケーション仮想化なら、サーバー側で配布する範囲を管理しやすくなります。授業ごとに使うアプリを切り替えられるか、学期の変わり目の作業も確認しましょう。長期休暇中にまとめて更新できるかも、見ておきたい点です。
コールセンターのオペレーター端末の一括管理
コールセンターでは、オペレーターの入れ替わりや席の増減により、端末の設定作業が発生する場合があります。端末ごとの設定のばらつきは、トラブルの原因にもなりえます。
アプリを一括で管理でき、電話システムや顧客管理のシステムと連携できるかを確認しましょう。通話の音声に遅れが出ないかを、実際の環境で試すことも大切です。席の増減にあわせた設定の追加が簡単かも、確認しておきましょう。
業種を問わず確認したいアプリケーション仮想化の選び方
業種による違いに加えて、どの業種でも共通して確認したい項目があります。ここでは、製品の方式や費用、運用体制に関わるポイントを整理します。
方式の違いと利用するアプリとの相性
アプリケーション仮想化には、画面だけを端末へ転送する方式や、アプリを端末側で隔離して動かす方式などがあります。方式によって、向いているアプリや必要な回線、端末の条件が変わります。
自社で使うアプリが、選ぶ方式で動作するかを事前に確認しましょう。業務アプリの提供元が動作を保証しているかも、あわせて確認すると安心です。方式を併用できる製品があるかも、調べておきましょう。
同時利用数と費用の考え方
同時に利用する人数が増えるほど、サーバーの性能やライセンスの費用に影響します。利用者数だけでなく、最も混み合う時間帯の同時利用者数も、見積もっておく必要があります。
費用はライセンスや保守、運用の人件費を含めて比較しましょう。将来の利用者の増減に対応しやすい契約形態かどうかも、確認したい項目です。追加の費用が発生する条件についても、見積もりの段階で聞いておきましょう。
アプリケーション仮想化に関するよくある質問
アプリケーション仮想化の業種別の選び方について、よく寄せられる疑問をまとめました。製品を比較する際の確認項目としてお役立てください。自社の業種にあう選び方の参考にもなります。
- ■Q1:金融業や官公庁でアプリケーション仮想化を使うとき、何を重視すべきですか?
- A:データを端末に残さない運用ができるか、操作ログを取得できるか、自社の規程や基準に対応できるかを確認します。ネットワーク構成との相性も、事前に確認しましょう。
- ■Q2:建設業のCADは、アプリケーション仮想化で使えますか?
- A:製品や環境によっては利用できる場合があります。GPUへの対応状況や回線の速度に左右されるため、実際の図面を使った試用で操作性を確かめましょう。
- ■Q3:医療法人が導入する際、どこに相談すればよいですか?
- A:自院で使っているシステムの提供会社と、アプリケーション仮想化のベンダーの両方に、動作条件を確認するのがよいでしょう。情報の取り扱いについては、社内の担当者への相談も欠かせません。
- ■Q4:教育機関やコールセンターでは、どのような点が導入の決め手として挙がりますか?
- A:端末の数が多く入れ替わりもあるため、アプリの配布や設定を一括で管理できるかが重要です。授業の切り替えや席の増減に対応しやすいかも、確認しましょう。
まとめ
アプリケーション仮想化は、金融業や官公庁、製造業、建設業、医療法人など、業種別に重視する点が異なります。教育機関やコールセンターでも、端末管理の考え方が変わります。自社の業務やアプリ、情報の取り扱いを整理したうえで、方式や費用、保守体制を比較することが大切です。自社にあう製品を見つけるために、まずは資料請求から検討を始めてみてはいかがでしょうか。

