業種によって懸念が変わる背景
サブスクリプション管理システムとは、継続的な契約にもとづく課金と請求、契約者の情報をまとめて扱う仕組みです。同じ仕組みでも、契約の内容が業種によって異なるため、生じる課題も変わります。
料金の決まり方の違い
毎月同じ金額を請求する形もあれば、利用した量に応じて金額が変わる形、複数の要素を組み合わせて計算する形もあります。計算の要素が増えるほど、システム側で扱える範囲の確認が重要になります。
検討の前に、自社の料金がどのような要素で決まるかを書き出しましょう。基本の料金、利用量に応じた分、追加の項目、割引の条件といった要素を整理します。今後追加する予定のプランがあれば、それも含めて伝えると、対応の可否を早い段階で確認できます。
契約に付随する処理の違い
課金と請求だけで完結する業種と、商品の発送や利用権限の付与といった処理が伴う業種があります。後者では、契約の状態と実際の提供が連動する必要があります。
整理の際は、契約の開始、変更、停止、解約という場面ごとに、何が起きるべきかを書き出しましょう。決済が完了したら権限を付与する、解約したら発送を止めるといった流れです。これらを手作業で行うか、連携で自動化するかによって、必要な機能が変わります。既存の仕組みがあれば、その製品名を伝えて連携の可否を確認してください。
SaaS事業で料金体系が合わない場面
自社でサービスを提供する事業では、料金の組み方が複雑になりやすい傾向があります。
複数の要素を組み合わせた料金の場面
利用者数に応じた基本料金に、使った量に応じた金額を加え、さらに機能ごとの追加料金を組み合わせるといった体系では、計算の順序や端数の扱いまで確認が必要です。想定と違う計算になると、請求の修正が発生します。
確認したいのは、要素を組み合わせた料金を設定できるか、計算の順序を指定できるか、端数の処理方法を選べるかという点です。代表的な契約のパターンをいくつか用意し、実際に設定して計算結果を確かめましょう。想定と異なる場合は、設定で調整できるか、別の方法があるかを確認してください。
契約の途中で条件が変わる場面
利用者数が月の途中で増減する、上位のプランへ変更する、追加の機能を有効にするといった変更は日常的に発生します。それぞれの扱いを決めておかないと、請求の計算が定まりません。
確認したいのは、変更の反映時点を選べるか、日割りの計算方法を指定できるか、変更の履歴を後から確認できるかという点です。上位への変更と下位への変更で扱いを分けたい場合は、その設定ができるかも確認しましょう。契約者へ変更内容を案内する仕組みがあると、問い合わせを減らせます。
EC通販の定期購入で生じる場面
商品を継続して届ける事業では、課金と発送の両方を扱う必要があります。
配送と課金が連動しない場面
配送の周期と課金の周期が異なる場合や、配送が遅れた際の課金の扱いを決めていないと、契約者からの問い合わせにつながる可能性があります。在庫が不足して発送できない場合の対応も、あらかじめ決めておく必要があります。
確認したいのは、課金と配送の周期を別に設定できるか、次回配送の日程を変更できるか、スキップや休止に対応できるかという点です。あわせて、在庫や配送を管理する仕組みとの連携方法も確認しましょう。連携できない場合は、手作業でどこまで対応するかを運用として決めておく必要があります。
契約者が内容を変更する場面
届ける商品や数量、配送先を契約者自身が変更できる仕組みは、問い合わせの削減につながります。ただし、変更を受け付ける期限と、それが課金へどう反映されるかを整理しておく必要があります。
確認したいのは、契約者向けの画面が用意されているか、変更できる項目を制限できるか、変更の期限を設定できるかという点です。発送の準備が始まった後の変更をどう扱うかも決めておきましょう。変更の記録が残る仕組みであれば、問い合わせを受けた際の確認も進みます。誰がいつ変更したかを追える形にしておくと、対応の経緯も説明できます。
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メディアや出版で会員管理が難しくなる場面
有料の会員向けに情報を提供する事業では、契約の状態と閲覧できる範囲を連動させる必要があります。
閲覧権限と契約状態が合わない場面
解約したのに閲覧できる状態が続く、あるいは支払いが完了しているのに閲覧できないという状況は、契約の状態が提供側へ反映される仕組みに原因がある場合があります。反映までの時間差も確認が必要です。
確認したいのは、契約の状態を外部へ伝える仕組みがあるか、反映までにかかる時間はどの程度か、状態が変わった際に通知を受け取れるかという点です。会員向けの画面を提供する仕組みとの連携方法も確認しましょう。連携が途切れた際にどちらの状態が優先されるかも、あらかじめ決めておく必要があります。
会員の区分が複雑になる場面
紙媒体と電子版の両方を提供している場合や、法人契約で複数の利用者が含まれる場合、会員の区分が細かくなります。区分ごとに閲覧できる範囲や料金が異なると、管理の対象が増えます。
確認したいのは、契約の単位と利用者の単位を分けて扱えるか、法人契約で利用者を追加できるか、区分ごとに料金を設定できるかという点です。無料の期間や紹介による割引といった条件がある場合は、その扱いもあわせて確認しましょう。区分が増えるほど設定も複雑になるため、整理してから相談することをおすすめします。現在の会員区分を一覧にして提示すると、対応の可否を具体的に確認できます。
教育機関の月謝管理で生じる場面
教室や講座の月謝を扱う場合、学期や休会といった独自の事情が関わります。
休会や復会の扱いが定まらない場面
受講を一時的に休む、途中から再開するといった場面では、課金をどう扱うかを決めておく必要があります。休会中は請求を止めるのか、一部の金額を請求するのかによって設定が変わります。
確認したいのは、契約を一時停止する機能があるか、停止中の課金を止められるか、再開時に元の条件へ戻せるかという点です。停止できる期間に上限を設けたい場合は、その設定ができるかも確認しましょう。手続きの窓口と記録の残し方も、運用として決めておくことが大切です。受講者や保護者へ手続きの方法を案内する資料も、あわせて用意しておくとよいでしょう。
兄弟割引や複数受講に対応できない場面
同じ世帯から複数名が受講する場合の割引や、1人が複数の講座を受講する場合の料金は、通常の契約とは異なる扱いが必要です。請求先が受講者と異なる点も、この分野の特徴です。
確認したいのは、請求先と利用者を分けて登録できるか、1つの請求先に複数の契約をまとめられるか、条件による割引を設定できるかという点です。まとめて1通の請求書にできるかも、保護者への案内を考えるうえで確認したい項目です。年度の切り替えにともなう一斉の変更に対応できるかも、あわせて聞いておきましょう。対象を絞って料金を一括で更新できる機能があると、切り替え時期の作業を抑えられます。
業種ごとの契約形態に向き合うサブスクリプション管理システム
配送をともなう契約や会員の区分など、業種によって扱う情報は異なります。要件を相談したい製品を集めました。
Scalebase
- サブスクモデルの複雑な契約も、標準項目で一元管理!
- 契約情報を登録するだけで、 毎月の請求が自動化!
- 新サービスや新プランの投入、 料金改定にスムーズに対応!
Scalebase株式会社が提供する「Scalebase」は、継続課金にもとづく契約と請求を管理するクラウドサービスです。オプションの組み合わせや契約途中の変更履歴を標準の項目で扱えます。新しいプランの追加や料金の改定にも対応しやすい構成です。
ハヤサブ
- サブスクリプションビジネスの特性に合わせた販売管理を実現
- 多様で複雑な料金パターン・料金条件・請求パターンに対応
- 周辺システムと柔軟にシステム連携し、販売管理を一元化
株式会社オロが提供する「ハヤサブ」は、継続的な契約の管理と請求を扱う販売管理システムです。顧客情報に独自の項目を追加でき、契約の内容にあわせた管理を進められます。見積書の作成や入金の消し込み、申請と承認の流れにも対応します。
サブスクストア (テモナ株式会社)
- BtoC向け定期通販カートで業界シェアNo1
- 大規模ショップ向けフルカスタムECカート
- BtoB・卸EC特有の取引に対応したカートシステム
ソアスク (株式会社オプロ)
- ダッシュボード・レポートなど見たい情報をすぐ分析できる!
- 更新案内の自動化で契約管理がラクになる!
- 帳票の作成から配信まで自動化!業務プロセスを簡潔に!
サブスクリプション管理システムに関するFAQ
業種別のシステム導入について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: 複数の要素を組み合わせた料金に対応できますか?
- 対応の範囲は製品によって異なります。代表的な契約のパターンを用意し、実際に設定して計算結果を確かめる方法をおすすめします。
- Q2: 配送の管理と連携できますか?
- 連携の可否は組み合わせによって変わります。現在使っている在庫や配送の仕組みの製品名を伝えて、対応方法と必要な作業を確認してください。
- Q3: 解約後に閲覧できる状態が残ることはありますか?
- 契約の状態を提供側へ伝える仕組みと、反映までの時間差によって生じる可能性があります。反映の方法と時間、通知の有無を確認しておきましょう。
- Q4: 休会に対応できますか?
- 契約を一時停止する機能を備えた製品があります。停止中の課金の扱いや、再開時に元の条件へ戻せるかもあわせて確認してみてください。
まとめ
サブスクリプション管理システムの導入で業種ごとに生じる懸念は、料金の決まり方、契約に付随する処理、契約状態の反映、独自の割引や停止の扱いという観点から整理できます。SaaS事業では計算の順序、EC通販では配送との連動、メディアでは権限の反映、教育機関では休会と請求先の扱いが焦点です。自社の契約パターンを整理したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。


