契約と課金を扱う機能
サブスクリプション管理システムとは、継続的な契約にもとづく課金と請求、契約者の情報をまとめて扱う仕組みです。まず、その土台にあたる部分の機能を見ていきます。
契約者情報を一元管理する仕組み
契約者ごとに、契約しているプラン、開始日、支払い方法、請求先といった情報を保持します。同じ契約者が複数の契約を持つ場合や、請求先と利用者が異なる場合にどう扱えるかは、製品によって差があります。
確認したいのは、1つの契約者に複数の契約を紐づけられるか、請求先を別に設定できるか、契約の履歴を後から確認できるかという点です。過去にどのプランをいつまで利用していたかをたどれると、問い合わせへの回答が早まります。項目を自社で追加できるかも、業種特有の情報を扱う場合の確認項目です。契約者の情報を既存の顧客管理の仕組みと連携できるかも、二重の登録を避けるうえで確認しておきましょう。
継続して課金を実行する仕組み
決められた周期で課金を実行する処理は、この種のシステムの中心にあたります。決済の仕組みと連携し、結果を記録するまでが一連の流れです。
確認したいのは、連携できる決済の手段、失敗した場合に再度試みる設定ができるか、失敗が続いた場合の扱いを決められるかという点です。カードの有効期限切れや残高の不足など、決済が通らない理由はいくつか考えられます。理由ごとに対応を変えられるか、契約者へ自動で案内を送れるかもあわせて確認しましょう。失敗した契約の一覧を確認できる画面があるかも重要です。
請求にかかわる機能
請求の内容が正確でないと、契約者からの問い合わせや、経理での確認作業が増えます。
請求書を発行する仕組み
課金の内容にもとづいて請求書を作成し、契約者へ送る機能です。自社の様式にあわせられるか、必要な記載事項を満たせるかを確認しましょう。
確認したいのは、様式を編集できる範囲、送付の方法、送付の記録が残るかという点です。制度上の要件を満たす記載が必要な場合は、対応の状況を確認してください。あわせて、会計の仕組みへ請求のデータを渡せるかも確認項目です。手作業で転記する工程が残ると、件数が増えるほど負担も増えます。入金の消し込みまで対応できるか、入金の情報をどう取り込むかも確認しておきましょう。
プランの変更に対応する仕組み
契約の途中でプランを変更した場合、その月の請求額をどう計算するかという扱いが必要になります。日割りで計算する、次の周期から反映する、差額を次回請求へ繰り越すといった方法があります。
確認したいのは、これらの方法を選べるか、上位への変更と下位への変更で扱いを分けられるか、変更の予約ができるかという点です。自社の料金の考え方を伝えて、実際にどう計算されるかを示してもらいましょう。契約者へ変更内容を案内する仕組みがあるかも、問い合わせを減らすうえで確認したい項目です。
解約を抑える取り組みを支える機能
契約が続くことが収益の前提となるため、解約の兆しを把握し対応する仕組みが検討されます。
解約の状況を把握する仕組み
解約の件数や理由を記録し、傾向を確認できる機能です。どのプラン、どの利用期間、どの獲得経路で解約が多いかが分かると、対応を考える材料になります。
確認したいのは、解約時に理由を選択または記入してもらえるか、その内容を集計できるか、契約期間ごとに集計できるかという点です。ただし、記録できるのは契約者が申告した内容であり、実際の理由をすべて把握できるわけではありません。利用状況のデータとあわせて確認する運用も検討しましょう。利用の頻度が下がっている契約者を抽出できる機能があれば、早い段階で対応を検討できます。
解約の手続きにかかわる仕組み
解約の申し出を受けた際に、引き止めの案内を表示する機能や、一時的に休止する選択肢を提示する機能を備えた製品もあります。ただし、手続きを不当に難しくすることは避ける必要があります。
確認したいのは、解約の手続きを画面上で完結できるか、その手順が明確に案内されるか、休止や変更といった選択肢を提示できるかという点です。関係する法令や自社の規約に照らして、適切な手続きになっているかを法務の担当者と確認してください。解約後のデータの扱いについても、方針を決めておく必要があります。再び契約する場合に過去の情報を引き継げるかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。
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収益を把握する機能
継続課金の事業では、単月の売上だけでなく、契約の積み上がり方を追う指標が使われます。
指標を集計する仕組み
継続的に得られる収益の合計、契約者1人あたりの平均、解約による減少分といった指標を集計できる機能です。これらを定期的に確認すると、事業の状況を把握しやすくなります。
確認したいのは、どの指標が標準で用意されているか、集計の定義を確認できるか、自社の考え方にあわせて調整できるかという点です。同じ名称の指標でも、計算に含める範囲が製品によって異なる場合があります。定義を確認せずに数値だけを見ると、社内での認識がずれる可能性があります。
結果を共有する仕組み
集計した内容を関係者へ届ける方法も、活用の広がりに影響します。画面で確認する形、定期的にレポートを配信する形、他の分析基盤へデータを渡す形があります。
確認したいのは、レポートを自動で作成できるか、宛先と頻度を設定できるか、出力の形式は何かという点です。あわせて、閲覧できる範囲を役割ごとに分けられるかも見ておきましょう。契約者の個人情報を含む画面と、集計結果だけの画面を分けられると、共有しやすくなります。
機能を比較する進め方
機能の一覧を並べるだけでは判断が難しいため、自社の料金体系に照らして確認します。
機能ごとの確認項目を整理する
下表は、代表的な機能について比較時に確認したい項目をまとめたものです。搭載の有無だけでなく、設定できる範囲まで確認すると導入後の差が見えてきます。
| 機能 | 確認したい項目 |
|---|---|
| 契約者情報の管理 | 複数契約の紐づけ、請求先の別設定、履歴の確認、項目の追加 |
| 継続課金 | 連携できる決済手段、再試行の設定、理由別の対応、案内の送信 |
| 請求書の発行 | 様式の編集範囲、送付方法と記録、会計システムへの連携 |
| プラン変更 | 日割りなど計算方法の選択、上位と下位の扱い、変更の予約 |
| 解約への対応 | 理由の記録と集計、手続きの画面、休止などの選択肢 |
| 収益の把握 | 標準の指標、集計定義の確認、レポートの自動作成と閲覧範囲 |
自社の料金体系で試す
もっとも確実な確認方法は、自社の料金体系を伝えて実際に設定してもらうことです。無料や従量、複数の要素を組み合わせた料金など、複雑な体系ほど対応の可否が分かれます。
試用の機会があれば、代表的な契約のパターンを登録し、月をまたぐ変更や解約まで通して確認しましょう。想定と異なる計算になった場合は、設定で調整できるかを確認します。この段階で確かめておくと、導入後に手作業で修正する事態を避けやすくなります。今後追加する予定の料金プランがあれば、その形も伝えて対応可否を確認しておきましょう。
契約と請求の機能を確かめたいサブスクリプション管理システム
料金の組み方や請求の周期は事業によって異なります。自社の体系を扱えるか確認したい製品を紹介します。
Scalebase
- サブスクモデルの複雑な契約も、標準項目で一元管理!
- 契約情報を登録するだけで、 毎月の請求が自動化!
- 新サービスや新プランの投入、 料金改定にスムーズに対応!
Scalebase株式会社が提供する「Scalebase」は、企業間の継続的な取引を対象とした販売管理システムです。契約の情報を一元管理し、毎月発生する請求の作成を進められます。日割りでの計算や利用量に応じた課金に対応しており、契約の途中で条件が変わる場合の扱いも管理できます。
ハヤサブ
- サブスクリプションビジネスの特性に合わせた販売管理を実現
- 多様で複雑な料金パターン・料金条件・請求パターンに対応
- 周辺システムと柔軟にシステム連携し、販売管理を一元化
株式会社オロが提供する「ハヤサブ」は、企業間の継続的な取引を対象とした販売管理システムです。定額の課金に加えて、利用量に応じた課金や段階的な課金にも対応します。オプションの追加やプランの変更、個別の値引きといった条件を契約ごとに管理できるため、顧客ごとに条件が異なる事業で検討できます。
クラウドK
- 通販に必要な業務をトータルサポートし、シームレスな運用を実現
- 1アカウント月額15,000円からのスモールスタートが可能
- ECシステムをお客様のビジネス成長に合わせて引越し可能
FutureRays株式会社が提供する「クラウドK」は、通販業務に特化した基幹システムです。受注や出荷、入金、督促までを一つのシステムで管理でき、定期購入やサブスクリプションの管理にも標準で対応します。クレジットカードや後払い、代引きなど複数の決済方式を扱えるため、継続課金と物販の両方を扱う事業で検討できます。
サブスクリプション管理システムに関するFAQ
サブスクリプション管理システムの機能について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: 複雑な料金体系にも対応できますか?
- 対応の範囲は製品によって異なります。自社の料金体系を伝えて実際に設定してもらい、代表的なパターンで計算結果を確認することをおすすめします。
- Q2: 決済が失敗した場合はどうなりますか?
- 再度試みる設定や、契約者へ案内を送る機能を備えた製品があります。失敗が続いた場合の扱いを決められるかも、あわせて確認しておきましょう。
- Q3: プラン変更時の日割り計算はできますか?
- 計算方法を選べる製品があります。上位への変更と下位への変更で扱いを分けられるか、変更の予約ができるかも確認してみてください。
- Q4: 収益の指標は自社の定義に合わせられますか?
- 調整できる範囲は製品によって異なります。同じ名称でも計算に含める範囲が違う場合があるため、定義を確認してから数値を使いましょう。
まとめ
サブスクリプション管理システムの機能は、契約と課金の土台、請求とプラン変更、解約への対応、収益の把握という役割に分けると比較しやすくなります。搭載の有無だけでなく、自社の料金体系で実際にどう計算されるかを確認することが大切です。解約の手続きは法令や規約との照らし合わせも必要です。契約のパターンを整理したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。


