BOMとは
BOM（Bill of Materials/読み方：ボム）とは、製造業において製品を構成する部品や材料、数量、階層構造などを一覧にまとめた「部品表」のことです。設計・製造・購買などの各部門で共通して利用される基盤情報であり、部品管理や工程計画、原価管理などに不可欠な存在です。
BOMは用途に応じて複数の種類があり、設計段階ではE-BOM、生産段階ではM-BOM、調達ではP-BOMといった形で活用されます。これらを正確に管理・連携するために、近年ではBOMシステムを導入し、情報の一元管理や業務効率化を図る企業も増えています。以下の記事では、BOMの概要についてより詳しく解説しています。
部品管理（BOM）システムとは
部品管理（BOM）システムとは、製品の製造に必要な部品や構成情報を一元管理し、設計・製造・購買など複数部門でリアルタイムに共有できるようにするシステムです。BOM（部品表）のデジタル化によって、設計変更の反映漏れや入力ミス、情報の不整合を防止し、部品の手配ミスや在庫過多といった生産ロスの削減にも貢献します。全社的な業務効率と品質向上を実現するため、製造業における中核システムとして注目されています。
部品管理（BOM）システムの機能
部品管理（BOM)システムには、主に以下の機能があります。
- ●BOM（部品表）管理機能
- ●BOM（部品表）更新機能
- ●在庫管理機能
- ●製品管理機能
BOM（部品表）管理機能
設計・製造・購買など、部門ごとに異なる目的で利用される複数の部品表を一元管理できる機能です。体系的な管理により、重複登録や構成ミスを防止し、製品ごとの部品構成を正確に把握できます。これにより、設計情報の整合性が高まり、類似設計の再利用や変更作業の効率化にもつながります。部品構成の可視化は、生産準備やコスト管理の精度向上にも寄与します。
BOM（部品表）更新機能
設計変更や仕様修正が発生した際に、関連するBOM情報を迅速かつ正確に更新できる機能です。変更内容はシステム上で即時反映されるため、他部門との情報共有ミスや反映遅れによる製造トラブルを防止できます。また、変更履歴を自動で記録できるため、トレーサビリティの確保にも貢献します。設計・製造間の連携強化に不可欠な機能です。
在庫管理機能
BOMに登録された各部品と在庫情報を紐付け、使用予定や在庫残数、調達状況をリアルタイムで把握できる機能です。不足部品の早期発見や余剰在庫の削減に役立ち、在庫回転率の向上やコスト最適化を支援します。工程単位での使用状況も可視化されるため、生産計画や納期調整の精度向上にもつながります。
製品管理機能
製品に関する情報（部品構成、図面、仕様書など）を属性別に整理し、一元的に管理できる機能です。各製品と関連するドキュメントやBOMデータを紐付けて保持できるため、製品開発や保守対応時の情報検索がスムーズになります。変更時の影響範囲も明確に把握でき、製品ライフサイクル全体での管理効率を高めます。
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部品管理（BOM）システムの種類
部品管理（BOM）システムには統合型システムと用途別システムがあり、どちらを選ぶかによって得られるメリットとデメリットが異なります。
統合型部品管理（BOM)システム
統合型の部品管理（BOM）システムは、部門をこえて部品表を一元管理します。統合型システムには、部門間の整合性がとれ、食い違いが生じにくいというメリットがあります。しかし、部門ごとに部品表の用途 が異なるために各部門での活用がしにくいというデメリットもあります。
用途別部品管理（BOM)システム
用途別の部品管理（BOM）システムは、部門に特化した部品表管理機能を持ちます。用途別のシステムには、部門の目的に沿ってシステムが作られているために活用しやすいというメリットがあります。しかし、部門間の整合性が取りにくくなるというデメリットもあります。
部品管理を効率化するためにBOMシステムを導入しよう
多くの企業にとって部品管理は大きな課題となっています。製品が増えるにしたがって部品の種類が増え、管理が難しくなりがちです。しかし、一度にまとめて整理するのもコストが大きく失敗のリスクがあります。
自社の部品管理の方法を全社的に変えたいのか、それとも部門の中での整合性をとりたいのかを考える必要があります。それによって選定基準は変わってくるでしょう。
部品管理（BOM）システムの導入を考える際は、自社の部品管理の問題点を明確にしましょう。
