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決算個社ソフトウェア2026年09月25日

【テモナ株式会社(証券コード:3985)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──売上-3.0%で営業損失29百万円の赤字転落

【テモナ株式会社(証券コード:3985)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──売上-3.0%で営業損失29百万円の赤字転落

テモナ株式会社は、サブスクリプションビジネスに特化したECシステム「サブスクストア」「たまごリピート」を中核に、EC支援事業・エンジニアリング事業・フィンテック事業の3セグメントを展開する企業です。顧客のサブスクリプションビジネスを総合的に支援することを成長の鍵と位置づけています。

2026年9月期第3四半期累計期間(2025年10月〜2026年6月)の連結業績は、売上高13億38百万円(前年同期比-3.0%)と減収になりました。損益面では営業損失29百万円(前年同期は営業利益1億32百万円)、経常損失35百万円(前年同期は経常利益1億30百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失40百万円(前年同期は純利益87百万円)となり、減収かつ損益が赤字に転じています。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
テモナ株式会社(証券コード:3985)の決算解説

本記事では、Q3時点の市場環境、業績推移、赤字転落の要因、そしてセグメント別の明暗を整理します。


1. 通期着地を左右する市場環境

当第3四半期累計期間の国内経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復が期待される一方で、先行きは不透明な状況が続きました。同社は開示のなかで、不安定な国際情勢に伴う原材料価格の高騰、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスク、消費者物価の継続的な上昇を懸念材料として挙げています。

同社の事業基盤である国内電子商取引市場については、「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を引用し、2024年のBtoC-EC市場規模が前年比5.1%増の26.1兆円、BtoB-EC市場規模が前年比10.6%増の514.4兆円になったと説明しています。EC化率もBtoC-ECで9.8%、BtoB-ECで43.1%と増加傾向が続いています。

市場そのものは拡大が続いている一方で、同社の売上は減少しました。市場環境の追い風を自社の成長に取り込めるかどうかが、通期の着地を左右する論点になると考えられます。


2. 業績推移

当第3四半期累計期間の売上高は13億38百万円で、前年同期比-3.0%の減収となりました。増収要因と減収要因が入り混じった結果です。

増収に働いたのは、「サブスクアット」を利用したリアル店舗マーケット『BCモール』の商流への参画による取引量の増加、システムエンジニアリングサービスの提供先増加、そしてフィンテック事業の拡大です。一方の減収要因は、「サブスクストア」のカスタマイズ等の受託開発収益の減少と、「たまごリピート」への不正アクセスによるシステム障害の影響でした。

費用面では、売上原価が7億57百万円(前年同期比21.0%増)へ増加しました。『BCモール』とフィンテック事業の取引増加に伴う商品仕入原価や減価償却費の増加が主因です。販売費及び一般管理費は、本社および福岡事務所の移転に伴う地代家賃や減価償却費の減少により6億10百万円(同1.9%減)と圧縮されています。

この結果、営業損失29百万円、経常損失35百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失40百万円を計上しました。1株当たり四半期純損失は3.78円です。


3. 直近決算の重要ポイント

赤字転落の直接的な引き金は、売上の減少そのものよりも原価構造の変化にあります。売上高が3.0%減った一方で、売上原価は21.0%増えました。売上総利益の段階で前年同期を大きく下回ったことが、営業損失につながっています。

原価増の背景には、事業ミックスの変化があります。『BCモール』の商流参画やフィンテック事業の拡大は売上を押し上げる一方、商品仕入を伴うため原価率が高くなります。従来のシステム利用料を中心とした収益構造と比べ、売上の質が変化している点は押さえておきたいポイントです。

もう一つの重要な数字が、主力サービスの利用アカウントです。「サブスクストア」および「たまごリピート」のサービス利用アカウント総数は586件(前年同期比19.7%減)となりました。継続課金型のリカーリング収益は契約数に連動するため、アカウント減少は今後の収益基盤にも影響します。

不正アクセスによるシステム障害の影響も見逃せません。同社の提供するサービスに係る流通総額は763億円(前年同期比17.7%減)となり、流通総額に連動するGMV連動収益は2億49百万円(同22.4%減)まで縮小しました。


4. Q3時点の事業進捗

セグメント別に見ると、明暗がはっきり分かれています。主力のEC支援事業は売上高8億71百万円(前年同期比18.5%減)、セグメント損失55百万円(前年同期はセグメント利益1億25百万円)となりました。サービス別では、「サブスクストア」「たまごリピート」の小計が4億58百万円(同28.3%減)、決済手数料のGMV連動収益が2億49百万円(同22.4%減)と、いずれも二桁の減少です。

一方で、その他サービスは1億63百万円(同51.3%増)と伸びました。『BCモール』の商流参画による取引量増加が、その他収益を91百万円(同244.0%増)へ押し上げています。リアル店舗向けの「サブスクアット」のアカウント数も173件(同2.4%増)と増加しました。

エンジニアリング事業は、システムエンジニアリングサービスの提供先増加により売上高3億46百万円(同12.1%増)と増収でしたが、セグメント利益は4百万円(同82.9%減)まで縮小しています。フィンテック事業は売上高1億20百万円(前年同期は2百万円)、セグメント利益10百万円(前年同期はセグメント損失19百万円)と、黒字化を果たしました。

新規事業が立ち上がる一方で、主力のEC支援事業の落ち込みを補い切れていないのがQ3時点の姿と考えられます。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:アカウント数の減少が示す収益基盤の課題

「サブスクストア」「たまごリピート」の利用アカウント総数は586件(前年同期比19.7%減)となりました。継続課金型のビジネスでは、アカウント数の減少はそのまま将来のリカーリング収益の縮小につながります。

とくに「たまごリピート」のリカーリング収益は1億39百万円(同36.1%減)と大きく落ち込みました。不正アクセスによるシステム障害の影響が重なったとはいえ、主力サービスの契約基盤を立て直せるかが最大の焦点になると見られます。

ポイント2:フィンテック事業の黒字化と資産構成の変化

フィンテック事業は売上高1億20百万円、セグメント利益10百万円と黒字に転換しました。前年同期は売上高2百万円、セグメント損失19百万円でしたので、新たな収益の柱として立ち上がりつつあります。

ただし、この事業の拡大は資産構成にも影響しています。第3四半期末の資産合計は20億99百万円と前連結会計年度末から3億33百万円増加しましたが、その主因は賃貸資産が5億1百万円増えたことでした。同時に現金及び預金は2億3百万円減少しています。

ポイント3:通期予想の据え置きと下期の巻き返し

2026年9月期の通期業績予想は、2026年1月13日公表の数値から変更されていません。通期予想は売上高20億25百万円(前期比+10.5%)、営業利益60百万円(同-61.5%)、経常利益49百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41百万円です。

第3四半期累計時点で営業損失29百万円を計上しているため、通期予想の営業利益60百万円を達成するには、第4四半期だけで90百万円近い営業利益が必要になる計算です。予想が据え置かれている以上、期末に向けた収益改善の実現度が問われる局面と考えられます。


6. ITトレンド編集部の考察

2026年9月期第3四半期累計を一言で表すと、「新規事業が育ち始めた一方で、主力のEC支援事業の縮小が全体を赤字に押し下げた四半期」です。売上高13億38百万円(前年同期比-3.0%)という減収幅は小さく見えますが、中身は大きく入れ替わっています。

注目すべきは収益の質の変化です。売上原価が21.0%増える一方で販売費及び一般管理費は1.9%減っており、コスト管理そのものが緩んだわけではありません。商品仕入を伴う取引の比重が高まったことで、売上総利益率が構造的に下がった点が損益悪化の中心にあると見られます。

もう一つの論点が、不正アクセスによるシステム障害の影響です。流通総額が763億円(前年同期比17.7%減)まで縮小したことは、GMV連動収益の減少に直結しました。障害の影響が一巡すれば流通総額は戻る余地がありますが、利用アカウント総数が586件(同19.7%減)まで減っている点は、より構造的な課題と考えられます。

フィンテック事業の黒字化は前向きな材料です。ただし通期予想が据え置かれているなかで、第4四半期に損益を大きく反転させる必要がある点は、投資家として注視したいところです。


7. まとめ

テモナ株式会社を一言で表すと、「新規事業の立ち上がりと主力サービスの縮小がせめぎ合い、損益が赤字に転じた転換期の企業」です。

2026年9月期第3四半期累計期間(2025年10月〜2026年6月)の業績は以下のとおりでした。

  • 売上高 13億38百万円(前年同期比-3.0%)
  • 営業損失 29百万円(前年同期は営業利益1億32百万円)
  • 経常損失 35百万円(前年同期は経常利益1億30百万円)
  • 親会社株主に帰属する四半期純損失 40百万円(前年同期は純利益87百万円)
  • 1株当たり四半期純損失 3.78円

セグメント別の状況は以下のとおりです。

  • EC支援事業:売上高8億71百万円(前年同期比18.5%減)、セグメント損失55百万円
  • エンジニアリング事業:売上高3億46百万円(同12.1%増)、セグメント利益4百万円(同82.9%減)
  • フィンテック事業:売上高1億20百万円(前年同期は2百万円)、セグメント利益10百万円で黒字転換
  • 「サブスクストア」「たまごリピート」の利用アカウント総数は586件(同19.7%減)、流通総額は763億円(同17.7%減)

2026年9月期通期予想は売上高20億25百万円(前期比+10.5%)、営業利益60百万円(同-61.5%)、経常利益49百万円、親会社株主に帰属する当期純利益41百万円で、2026年1月13日公表値から変更されていません。第4四半期に損益をどこまで反転させられるかが注目されます。


ITトレンド編集部

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