SEO対策とは？意味・重要性・具体的な取り組みまで解説
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。Googleなどの検索エンジンで、特定のキーワードを検索した際に、自社のWebサイトがより上位に表示されるように工夫・対策する取り組み全般を指します。
例えるなら、SEOとは“お店の立地をインターネット上でよくすること”です。検索結果の目立つ場所に自社サイトが表示されれば、それだけ多くの人の目に触れ、来店（＝アクセス）してもらいやすくなります。
検索順位は、Webサイトのアクセス数や問い合わせ、資料請求などの成果に直結する重要な要素です。インターネットで情報を探す多くのユーザーは、検索結果の１ページ目、特に上位３〜５位までしか見ない傾向があるため、上位表示されるかどうかが機会損失に大きく影響します。
特にEC事業者やBtoBサービスのように競合が多い分野では、SEO対策の有無が売上や成約数を左右するといっても過言ではありません。自社サイトへの流入を増やすことで、自然検索からの集客コストを抑えつつ、継続的に成果を上げられます。
そのため、SEO対策では「どのキーワードで上位を狙うか」、「どんな情報を提供すべきか」といった戦略設計から始まり、コンテンツの質の向上や内部構造の最適化、外部サイトからの評価獲得など、多面的な施策が求められます。
SEOは一度の対策で終わるものではなく、継続的な改善・運用が必要です。正しい理解と中長期的な視点で取り組むことで、Webサイトが資産となり、将来的なマーケティング基盤として大きな成果をもたらします。
SEO対策の種類
SEO対策には、主に３つの種類があります。
- ●コンテンツ対策
- ●外部対策
- ●内部対策
もっとも重要なのは、ユーザーの検索ニーズを満たす質の高いコンテンツであること。次に、外部サイトからも高い評価を受け、被リンクを集めていることです。さらに、サイトを構成するタグの最適化が求められます。
SEO対策において、内部対策だけで結果を出すのは難しいと考えられます。まずはコンテンツ対策を重視し、その後、外部対策へと駒を進めていくのがおすすめです。これらの作業と並行して、Googleガイドラインに則った形で内部対策を行いましょう。
続いて、３つの対策について、それぞれのポイントを解説します。
コンテンツSEO
コンテンツSEOでは、ユーザーの検索意図に合った情報を的確に届けることが鍵です。主なポイントは以下のとおりです。
- ●既存コンテンツの改良
- ●不足しているコンテンツの追加
まずは、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを把握しましょう。上位表示されているWebサイトを参考にしたり、SEOツールを使ってキーワードを収集することで、ニーズを可視化できます。そのうえで、既存コンテンツのリライトや追加を行い、内容の充実を図ります。
また、不要な情報の整理や削除も含め、コンテンツの質を高めていくことが大切です。これらを継続的に行うことで、検索順位の向上につながります。近年では、「SEO対策サイト」として、特定のテーマに特化した情報発信を行う専門サイトも増加しています。こうしたサイトや、SEO支援サービスの登録ページなども、検索上位に表示されやすい傾向があります。
外部対策
Googleは、発信している情報の「質の高さ」を外部評価からも判断しています。その一つが被リンク（他サイトからのリンク）の有無です。ただし、単にリンク数が多いだけでは評価されず、信頼性の高いサイトからのリンクが重要です。
SNS・チラシ・プレスリリースといった手段を活用し、積極的にコンテンツを広めることで、自然な被リンク獲得が期待できます。また、拡散されやすい内容を意識したサイト設計や記事制作も有効です。
内部対策
内部対策では、サイト構造の最適化や表示速度の改善などを通じて、検索エンジンとユーザー双方にとってわかりやすい設計を目指します。主な施策は以下の通りです。
- ●タグの最適化
- ●メタディスクリプションの整備
- ●内部リンクの見直し
- ●モバイル対応の強化
なかでも重要なのは、titleタグや見出し（hタグ）の最適化です。ページ内容を端的に示すことで、検索エンジンが適切に情報を判断できます。1ページごとに固有のタイトルを設定し、重要なキーワードは前方に配置するのが効果的です。
SEO対策で何をすればいいのか
SEO対策において、まず取り組むべき基本施策は以下の３点です。
- ●ユーザーの検索意図に合致したコンテンツの作成
- ●検索エンジンに正しく情報を伝えるための内部構造の最適化
- ●他サイトやSNSからの良質な被リンク獲得
まずは自社のサービスや製品に関連するキーワードを洗い出し、それに沿った内容を提供できるページを整備しましょう。コンテンツの改善やページ追加により検索意図をカバーしつつ、定期的な分析・更新を継続していくことが成功の鍵となります。
SEOでサイトが評価される仕組み
SEO対策を行ううえで、まず頭に入れておきたいのが仕組みについてです。「Googleの検索結果ページで上位表示されるサイトは、どのような基準で決められているのか」を確認しておきましょう。
ロボット（クローラー）が検索エンジン上を巡回、Webサイトの情報を取得することを「クロール」といいます。その後「インデックス」と呼ばれる作業が行われ、検索エンジン上のデータベースに収集した情報が登録されます。このときGoogleは、独自のアルゴリズムによって「ユーザーにとって価値ある情報を提供するサイト」を判断し、順位を決定。検索結果に表示します。Webサイトを評価する具体的な観点は、以下の３つです。
- ●コンテンツ評価が高い
- ●被リンク評価が高い
- ●Googleガイドラインに則ったコーディング
どれも当たり前の項目だからこそ、Google側のポリシーやガイドラインを理解して取り組む必要があります。
E-E-A-Tとは
Googleの考えを正しく理解するために、把握しておきたいキーワードが「E-E-A-T」です。
- ●Experience（経験）
- ●Expertise（専門性）
- ●Authoritativeness（権威性）
- ●Trustworthiness（信頼性）
これら４つの言葉の頭文字を組み合わせたもので、Googleが検索順位に反映させる要素の一つといわれています。人々の生活やお金に関わるWebサイトでは、特にこれら４つが重視されます。
SEO対策を行う際の注意点
SEO対策に取り組むうえで、注意しておきたい４つのポイントを解説します。
短期間で効果は出ない
SEO対策には、相応のリソースとコストがかかります。一方で、その効果をすぐに実感するのは難しいでしょう。結果が出るまでには時間がかかることを理解したうえで、具体的な施策を行いましょう。特に注意が必要なのは、新規サイトの立ち上げ時です。競合ひしめくキーワードで上位表示を狙うためには、Googleからの評価を地道に積み重ねていく必要があります。数か月から年単位を見て、継続的な対策を行ってください。
やり方を間違えると逆効果になる
Googleは品質保持のためにガイドラインを設けています。上位表示を目指すがゆえに、それらを無視したやり方をすると、ペナルティの対象になってしまいます。やってはいけない行動の例は、以下のとおりです。
- ●リンクプログラムへの参加
- ●隠しテキストや隠しリンクの設置
- ●コピーコンテンツの利用
- ●不正なリダイレクト
- ●キーワードの乱用
これらの行為は、Google側の「ユーザーに価値あるコンテンツを提供する」という考えに反します。ペナルティの対象になれば、検索結果に表示されにくくなります。
Googleのアルゴリズムは適宜変更される
Googleの表示順位を決める検索アルゴリズムは、定期的にアップデートされています。その正確な内容は明かされず、アップデートにより、順位が変動するケースも少なくありません。また、アップデートは頻繁に行われており、内容や時期の正確な予測は難しいでしょう。常にGoogleの考えに沿った対策を継続することが重要です。
SEO運用の継続が成果につながる
SEO対策は一度で完結するものではなく、継続的な改善が必要不可欠です。検索順位は、競合の更新状況やGoogleの検索アルゴリズム変更の影響を受けやすいため、定期的な施策の見直しが求められます。
例えば、検索ニーズに対応する新しいコンテンツの追加や、過去の記事の更新・リライト、被リンク状況の把握など、日々の運用が重要です。継続的なSEO運用を行うことで、順位が安定し、Web集客の基盤を強化できます。
SEO対策にSEOツールの導入が効果的
SEO対策は多岐にわたる作業が求められるため、効率的に進めるには専用ツールの活用が非常に有効です。特に、キーワードの取得や検索順位のチェック、競合サイトの分析などをサポートする機能は、施策の精度を高めるうえで重要な役割を果たします。
代表的なSEOツールには、次のような機能を備えたものがあります。
- ●検索順位チェックツール
- ●キーワード分析ツール
- ●コンテンツ診断ツール
- ●被リンクチェックツール
- ●アクセス解析ツール
これらのツールを活用すれば、Google検索でのインデックス状況や自社・競合のSEO施策を客観的に把握でき、改善すべきポイントが明確になります。その結果、戦略的かつ継続的なSEO運用が可能になります。
また、SEOツールを提供している企業のなかには、ツール利用だけでなく、課題に応じたアドバイスや戦略立案を支援するコンサルティング型サービスを展開しているところもあります。これにより、社内リソースが限られていても、専門的な視点からの改善が可能です。
自社の状況や目的に応じて、最適なツールや支援サービスを選ぶことが成果につながります。SEOツールの種類や活用方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご参照ください。
まとめ
SEO対策は、ECビジネスを円滑に進めていくためにきわめて重要な施策です。しかし、すぐに成果を実感できるわけではありません。確かな成果を得るためには、継続的な対策が求められるでしょう。
業務負担が重くなりがちな工程については、ぜひ専用ツールの導入を検討してみてください。より成果が上がるSEO対策につなげられます。
