日用品メーカーの営業・販促部門にとって、本部商談で合意した棚割や販促が、各店舗の売場でどこまで実現しているかを継続して確認することは重要な業務です。店頭で商品が見つからない、棚上で欠品している、POPが設置されていないといった状態では、広告で商品を知ったお客様の購入機会を逃す可能性があります。
本記事では、棚割・欠品状況を本部で把握するための巡回報告の見直し方と、MarketWatcher NEOの活用方法を紹介します。「店頭実現率」は、合意した陳列条件(棚割・フェイス数・POPなど)を満たす店舗数を対象店舗数で割った割合として扱います。
棚割・欠品状況が本部から見えにくくなる4つの理由
1.本部商談の棚割が店舗で再現されないことがある
棚割が採用されても、店舗のレイアウトや商品の入荷状況、棚替えに充てられる時間、指示の伝達状況によって、売場での展開に差が出ることがあります。未実施の店舗を把握するだけでなく、理由を報告に含めることで必要な対応を選びやすくなります。
2.欠品やフェイス数不足は売場を見ないと気づきにくい
販促期間中などに売れ行きが急増すると、店舗に在庫があっても棚への補充が追いつかない場合があります。フェイス数(商品を棚の最前列に並べる列数)も棚上の在庫量に関係します。適正な数は売れ行きや棚の奥行き、補充頻度によって異なるため、実際の売場を確認することが必要です。
3.POSデータだけでは売上不振の原因を特定しにくい
POSデータは売上の推移や店舗ごとの差を捉える材料になりますが、記録されるのは売れた結果です。欠品、陳列位置、POPの未設置などの原因を見極めるには、売場写真や欠品報告と照らし合わせる必要があります。
4.報告形式がそろわず、本部で集計・比較できない
報告がメール、表計算ソフト、チャットの写真などに分散すると、店舗の状況を一覧で比較しにくくなります。担当者によって確認項目や撮影方法が異なると、未対応店舗の判断にも時間がかかります。
店頭実現率を高める巡回報告の見直し方
確認項目を統一する
営業担当者、ラウンダー、委託先スタッフが同じ項目で報告できるよう、本部が判断に使う情報を決めます。選択肢や数値で答えられる形式にすると、店舗間の比較や集計がしやすくなります。
- 対象SKUが棚にあるか、欠品していないか
- 合意したフェイス数・陳列位置になっているか
- POPが設置されているか
- 未対応の理由と次に行う対応
写真の撮り方と整理のルールを決める
「棚全体を正面から1枚」「対象商品の周辺を1枚」「POPの設置状況を1枚」など、枚数と撮影範囲をあらかじめ決めると比較しやすくなります。店内撮影には店舗の許可が必要です。小売業の本部や店舗と、撮影可能な範囲やルールを事前に確認してください。
未対応の理由と次の対応を記録する
「商品が未入荷」「棚替え日が未定」「売場変更で位置が変わった」などの理由と、「店舗担当者に依頼済み」「次回訪問時に再確認」といった対応を記録します。本部は追加の働きかけが必要な店舗を絞り込み、店舗や小売業の本部と合意条件を確認・調整できます。
MarketWatcher NEOで巡回報告と本部集計を整える
MarketWatcher NEOは、インパクトフィールド株式会社が提供する、ラウンダーや店頭調査などのフィールドマーケティングに特化したレポーティングシステムです。統一した報告項目を使い、報告を集めて本部で確認する仕組みとして活用できます。
スマートフォン・PCから写真付きレポートを報告
パソコンやスマートフォンなどのマルチデバイスに対応し、巡回担当者は確認内容と売場写真を報告できます。本部は入力されたレポートを閲覧・ダウンロードでき、店舗ごとの状況を同じ形式で確認しやすくなります。
画像の一覧表示と集計機能で未対応店舗を確認
売場写真の一覧閲覧と報告内容の集計により、「棚割未実施」「欠品あり」の店舗とその理由を確認できます。集計結果をもとに、営業担当者から小売業の本部への確認や次回巡回での再確認など、店舗ごとの次の対応を決めていきます。

棚の陳列状況を数値で把握する場合
フェイス数や占有率を数値で把握したい場合は、拡張機能のShareWatcherも選択肢です。事前に登録した対象商品を、陳列棚の画像からAIで解析する買い場分析システムで、別途契約と対象商品の事前登録が必要です。MarketWatcher NEO単体の機能とは分けて検討してください。適正なフェイス数を検討するには、棚の状況と販売実績、補充頻度などを組み合わせることも大切です。
活用例:ヘアケア新商品の店頭実現率を確認する
以下は実在企業の導入実績ではなく、ヘアケア新商品を発売するトイレタリーメーカーを想定した活用例です。
出荷データ上はドラッグストアに配荷されていても、一部店舗の販売が想定より伸びない場合、担当者ごとに異なる巡回報告では棚割未実施の店舗を一覧にできません。そこで、対象SKU、欠品の有無、フェイス数、POPの設置状況、未対応理由などを統一し、MarketWatcher NEOで写真と報告を集約します。
本部は合意条件を満たす店舗の割合を同じ基準で確認し、未入荷なら物流部門への確認、棚替え日が未定なら小売業の本部への相談など、理由に応じた対応を選びやすくなります。売上は広告や価格、競合の動きなどにも左右されるため、システム導入だけで成果が決まるわけではありません。本システムは売場の状況を確認し、改善の判断を支援します。
巡回報告の項目や、本部での確認方法にお悩みではありませんか?
MarketWatcher NEOのご相談では、棚割・欠品状況の報告項目と、本部での確認方法をご案内します。
巡回報告システムを選ぶときの確認ポイント
日用品メーカーが巡回報告の仕組みを見直す際は、機能の数だけでなく、現場が入力できることと、本部が報告を次の対応につなげられることを確認しましょう。以下は導入検討に使う確認観点であり、各項目への対応可否や費用を保証するものではありません。
既存の日報をどこまで置き換えるか
現在の報告項目を、集計する選択式・数値項目と、経緯を残す自由記述に分けます。例えば「欠品あり」という結果だけでは、店舗に在庫がないのか、バックヤードからの補充待ちなのかが分かりません。理由と対応状況を分けて記録する設計が、自社の運用に合うか確認してください。
写真と報告が同じ店舗・訪問に結び付くか
画像を集められることに加え、どの店舗の、いつの報告なのかを確認する手順が重要です。導入前のデモでは、実際に使う項目で報告を入力し、本部担当者が欠品店舗と写真を照らし合わせて次の担当者を決めるまでを確認すると、入力の手間や確認のしやすさを評価できます。
社内と委託先の閲覧・運用条件を確認する
営業担当者、委託先ラウンダー、本部の確認担当者ごとに、入力・閲覧が必要な情報を整理します。アカウント発行、閲覧範囲、委託先の交代時の管理、写真の保存やダウンロードの運用条件は、導入先に確認しましょう。店内撮影の許可と、画像に不要な個人情報が写り込まない運用もあわせて決めます。
小さな範囲で運用を確認してから広げる
対象店舗と対象SKUを絞り、現場の入力、本部の確認、店舗への対応、次回訪問での再確認という一連の流れを試します。報告作成に要する時間、集計に要する時間、理由が分からない未対応報告の数を導入前後で比較すれば、運用を見直す材料になります。売上の変化は他の要因も含むため、報告業務の改善と分けて評価してください。
導入前に整理しておきたいこと
- 巡回の対象店舗・対象SKUと合意した陳列条件
- 比較・集計したい項目と文章で残したい項目
- 写真の撮り方と店舗の撮影ルール
- 報告を確認する担当者と未対応店舗への対応手順
現在の日報をレポートとしてどう設定できるか、項目変更の条件、アカウント発行方法や閲覧範囲は、導入前に確認してください。営業担当者と委託先が同じ項目で報告することで、本部での比較・集計がしやすくなります。
まとめ
棚割・欠品状況を把握する第一歩は、巡回報告の中身と集め方をそろえることです。確認項目、写真、未対応の理由と次の対応を統一し、写真付きレポートの収集・一覧表示・集計を活用することで、本部が未対応店舗を確認し、売場改善を判断できる状態を整えます。
参考情報:当社(インパクトフィールド株式会社)が公開した日用品業界向けの巡回報告解説(2026年10月6日)。本記事は、同解説に、システム選定時の確認観点と導入前の運用検証手順を加えて編集しています。引用元URL欄に参考記事を記載しています。

