クラウド生産管理システムのメリットとデメリット
クラウド生産管理システムを導入するメリットとデメリットについて解説します。
メリット
クラウド生産管理システムは、自社にサーバを設置する必要がなく、保守管理も不要のため、初期費用を抑えられます。また、バージョンアップやメンテナンスの手間がなく、常に最新バージョンを利用可能です。システム障害時もベンダーが対応するため、安心して利用できます。
デメリット
セキュリティ面で自社内管理ができないため、ベンダーのサーバが不正アクセスを受けると情報漏えいの恐れがあります。導入前にシステムのセキュリティを確認することが重要です。また、オンプレミス型と比べてカスタマイズの自由度は低い点にも注意が必要です。

導入前にチェック!クラウド生産管理システムのデモ画面集
こちらではクラウド生産管理システムのデモ画面をまとめてご紹介しています。今回は、レビュー評価の高い製品から上位3製品のデモ画面を比較してみました。「どんな操作ができるのか」「使いやすいのか」を事前に確認し、導入イメージを具体化してみてください。また、さらに詳しく知りたい方は製品によって無料トライアルで実際に体験できるので、各製品ページをご確認ください。
スマートFのデモ画面
「スマートF」は、生産計画や現場の負荷状況を一覧とガントチャートで可視化できる画面構成です。工程ごとの進捗や予定を色分けで確認でき、負荷の偏りもグラフで把握できます。これにより、生産スケジュールの調整や現場状況の把握を直感的に行えるのが特徴です。
TPiCS-Xのデモ画面
「TPiCS-X」は、生産計画や所要量計算の結果を表形式で確認できる画面構成です。アイテムコードや担当部署ごとの計画数量が日付単位で一覧化され、色分けにより負荷状況や変更点を直感的に把握できます。下部のジャーナル欄では、計画変更の詳細内容を確認できるため、進捗管理や調整作業を効率的に行えるのが特徴です。
A's Styleのデモ画面
「A’s Style」は、入力フォーム画面とプログラム開発画面を併せ持つ構成が確認できます。業務データの管理と独自モジュール開発を同一基盤で行えるERPパッケージです。
【比較表】おすすめのクラウド生産管理システム
おすすめのクラウド生産管理システムを比較表にまとめました。各製品の価格詳細については、後述しています。
クラウド生産管理システムの料金目安
クラウド生産管理システムの場合、月額3~5万円程度から利用可能です。ユーザー数による従量課金制よりも、月額固定制の製品が多い印象です。ユーザー数による従量課金制の場合、一人あたり月額1万円前後で利用できるもの、初期費用が無料のものもあります。オンプレミス型よりも安価で導入が可能です。
おすすめのクラウド生産管理システムを比較
IT製品取扱数・カテゴリ数業界一のITトレンド編集部がおすすめするクラウド型生産管理システムを紹介します。ITトレンド上半期ランキング2024「生産管理システム」の上位製品から紹介するので、人気製品の把握にも活用してください。
スマートF
- 在庫管理や工程管理など、必要な機能からスモールスタート可能
- 導入コンサルつきのトライアル可能、既存システムにも柔軟に連携
- バーコード管理やタブレット活用でペーパーレスIoTを実現
株式会社ネクスタが提供する「スマートF」は、運用しながらの機能追加が可能なクラウド型生産管理システムです。在庫管理をはじめ、工程管理や原価管理、保守備品在庫、受発注、品質管理など豊富な機能から選択できます。現場に詳しいコンサルタントによるヒアリングと導入支援で、自社にあわせた運用が実現するでしょう。会計システムなど既存システムとの連携も柔軟に対応します。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 | 初期費用300,000円 月額48,000円~ | 無料トライアル | ◯ |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / プロセス製造 / 生産計画 / 需要予測 / 資材管理 |
スマートFを利用したユーザーの口コミ
商品の在庫管理の時にしか使用した事が無いため、特に困っている事は無いのですがバーコードを色分け出来たらもっと仕分けしやすいかなと思います。
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TPiCS-X
- 国内外で2109社以上の実績(英語・中国語・ベトナム語の対応)
- 一品生産(製番管理)や繰り返し生産(MRP)の機能が充実
- 短納期の対応や、在庫削減を目的とされる企業にお勧めします
株式会社 ティーピクス研究所が提供する「TPiCS-X」は、MRP(資材所要量計画)機能を搭載した生産管理システムです。英語や中国語、ベトナム語に対応しており、海外工場でも安心して活用できるでしょう。会計パッケージや販売管理システムとの連携も可能で、国内の対応パッケージを使用している場合はCSVファイルの作成も容易です。
対象企業規模 | すべての規模に対応 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | オンプレミス:1,100,000円~ サブスクリプション:月額45,000円~ | 無料トライアル | ◯ |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / プロセス製造 / 生産計画 / 需要予測 / 資材管理 |
TPiCS-Xを利用したユーザーの口コミ
自動で計画を立ててくれるので、過剰在庫などの心配がなくなりました。また、生産管理としても全部署が一つのソフトで行うので、発注から出荷までスムーズになります。
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データを登録して、注文書を発行してしまうと、何らかの修正が発生した場合、複数の画面で処理しないと修正ができない。
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TECHS-S NOA
- アクティブユーザ10万人超! 導入社数4,500社超の実績あり
- 仕掛原価と完成時予測原価をリアルタイムに管理!
- 導入から稼動まで各専門スタッフが全面サポート!
株式会社テクノアが提供する「TECHS-S NOA」は、個別受注型の機械や装置に特化した中小中堅企業向けの生産管理システムです。CADやExcelから部品表データを取り込んで使用するため、再入力工数の削減や入力ミスの防止につながるでしょう。バーコードを用いた発注書や作業指示書作成により、簡単な処理が実現します。リアルタイムな原価情報など利益体質への改善に役立つ機能が豊富です。
対象企業規模 | 従業員数10名以上100名未満 1億円以上50億円未満 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | ー | 無料トライアル | ー |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / 資材管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
TECHS-S NOAを利用したユーザーの口コミ
中小企業向けの生産管理システム。導入までにしっかり要件定義され、特注品にも対応可能。導入までのサポートもとても充実している。
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標準で部品の在庫管理があると便利だと思います。購入した部品の点数がとても多く管理が大変なので、在庫数や引当状況がわかるものが良いです。
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A's Style
- WEB型ERP:受注~出荷まで一連のプロセスとデータを管理
- 生産計画~工程予実をガントチャートで見える化 ※マウス調整OK
- 現場タブレット活用で叶える現場実績登録 (製造・検査、入出庫)
株式会社ケーエムケーワールドが提供する「A’s Style」は、柔軟性や拡張性の高いクラウド対応のWeb型ERPパッケージです。長年のスクラッチ開発で培ったノウハウを活かしたオリジナル開発基盤の使用で、セミオーダーによる最適なソリューションの導入が可能です。必要機能のみの選択導入や既存システム、他専用パッケージとの連携もできます。
対象企業規模 | 従業員数50名以上500名未満 売上10億円以上 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | ライセンス費・総導入費:10,000,000円~50,000,000円 | 無料トライアル | ー |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / プロセス製造 / 生産計画 / 資材管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
A's Styleを利用したユーザーの口コミ
これまではエクセルの帳票やマクロを使って、生産管理らしいことをやってきましたが、進捗管理が全然できてませんでした。A's Styeは導入が手軽で、簡単な機器で生産実績を取得することができ、進捗管理が見える化することができました。Chromeさえ動けばどこでも使うことができる簡単さもありながら、実績管理・原価管理他管理項目も多く生産に必要な情報をすぐにまとめられます。またエクセルなどとの連携もよく最近では入力作業を負かせるなどRPAとも親和性が高いです。
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特段ありませんが過去に1度システムエラーが発生した時は都度対応して頂いたので問題はありません。 製造内での生産実績入力方法について現在タブレット入力を行っていますが間違えて入力してしまった場合の修正が少し大変なのでもう少し楽に直せれば有難いです
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STRAMMIC
- SCMに必要な調達管理・生産管理・販売物流管理に対応
- 外注先や仕入先、子会社・外部倉庫等も統合管理
- リアルな製造業データに基づく原価・収益管理が可能
「STRAMMIC」は、株式会社 ニッセイコムが提供するERPパッケージです。生産管理をはじめ、販売物流管理や原価管理、工程管理など製造業に必要な業務に対応しています。計画情報を同期化し、予算から生産、収益まですべてをPDCAサイクルで回し可視化します。リアルタイムに収益を管理し、スピーディーな経営判断に役立つでしょう。
対象企業規模 | 従業員100名以上 売上50億円以上5,000億円未満 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
参考価格 | ー | 無料トライアル | ー |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / プロセス製造 / 生産計画 / 資材管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
FutureStage
- 「FastPack」導入モデルなら最短3ヵ月でシステムの導入を実現
- AWS活用モデルで低コスト&フレキシブルなシステムを構築
- 業種に特化した業種別テンプレートで業務のフィット感が向上
株式会社日立システムズが提供する「FutureStage」は、見込み生産や受注生産、個別生産などに対応した製造業向け生産・販売管理システムです。導入モデルは予算・要件にあわせて3種類から選択でき、最短3か月の短期導入も可能です。業界特有の要件をあらかじめインプットした「自動車部品業向け」「金属加工業向け」「一般機械製造業向け」の専用システムを用意しています。
対象企業規模 | 従業員数10名以上500名未満 売上10億円以上500億円未満 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 | 20,000,000円 | 無料トライアル | ー |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / 生産計画 / 資材管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
FutureStageクラウドソリューション
- 機能がコンパクトだから手軽で低価格
- 業務に合ったモデルだから最短3日で導入・利用可能
- 初めての導入でも簡単だから安心
株式会社日立システムズが提供する「FutureStageクラウドソリューション」は、最短3日での導入が可能です。部材の発注と作業指示を同時に実施できるため、手配業務を効率化します。また、原価の仕掛かり状況も製番別で把握し、現場作業の見える化をサポートします。
対象企業規模 | 従業員数50名未満 売上1億円以上50億円未満 | 提供形態 | クラウド / SaaS |
参考価格 | 月額25,000円~ | 無料トライアル | ー |
対応機能 | 組立・加工 / 生産計画 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
FutureStageクラウドソリューションを利用したユーザーの口コミ
生産管理部からの部品調達、現場の部品管理、在庫管理、倉庫の部品管理、今までは手作業で対応していた業務がすべてこれ1つで行えるようになりました。
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廃盤や変更が部品で起きていると、購買担当者が確認漏れが起きるとそれがそのまま情報として残るので、急に部品の欠品が起きます。これ単体では社内の管理しか出来ませんので、そこが改善されるととても楽です。
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Smart生産管理システム
- 特有な業務に応えられるよう、安価でカスタマイズ開発が可能
- 多言語、多通貨、多税種に対応しグローバル・海外展開がしやすい
- 要件分析~導入支援まで、プロパーエンジニアがサポート
株式会社スカイシステムが提供する「Smart生産管理システム」は、多言語対応のWeb型生産管理システムです。受注・生産計画から在庫の棚卸や買掛・売掛までをサポートします。マルチ通貨やマルチ税種に対応しており、海外工場をもつ企業でも安心して利用できます。
対象企業規模 | 従業員数10名以上250名未満 売上10億円以上100億円未満 | 提供形態 | オンプレミス / クラウド / ASP |
参考価格 | クラウドの場合:要相談 | 無料トライアル | ◯(1か月) |
対応機能 | 製造全般 / 組立・加工 / 生産計画 / 資材管理 |
なお、以下のボタンから一括請求(無料)も可能です。資料請求した製品は、価格・機能・特徴・口コミをまとめた比較表をエクセルで作成できます。稟議資料や社内検討時の資料としてぜひ活用ください。
クラウド生産管理システムの選び方
クラウド生産管理システムの選定ポイントについて解説します。
システムが生産方式にあっているか
自社の生産方式と管理方式を把握し、適合するシステムを選びましょう。例えば、生産業務には以下のような生産方式が挙げられます。
- ●ライン生産方式:作業員を順番に配置し、単一の製品を大量に製造する
- ●セル生産方式:少数の作業員がU字型の組立台で、製品を最後まで完成させる
- ●ロット式生産方式:製品を決められた数量でグループ分けし、その数量単位で生産する
自社の生産方式を確認し、適合したシステムを導入しましょう。
セキュリティが強化されているか
クラウド型は、基本的にセキュリティ面をベンダーに依存するため、特にセキュリティ機能の確認が重要です。ログ管理機能やアクセス権限機能の有無、ログイン認証や暗号化への対応可否などをチェックしましょう。
セキュリティ対策により、侵入者の不正アクセスを防ぎ、データを第三者に読み取られるリスクを回避できます。
クラウド生産管理システムの導入ポイント
生産管理システムはあらゆる部署に関連するため、予期しないトラブルが発生する可能性があります。また、導入後に仕様変更やカスタマイズが繰り返されることも考えられるでしょう。そのため、まずは最低限の機能から導入し、効果を確認しながら拡大することをおすすめします。
事前に無料トライアルなどを活用し、機能や操作性、ベンダーのサポート力を確認しておくと安心です。
なお、以下の記事では、小規模導入から大企業向けまでさまざまな生産管理システムを比較しています。「自社のサーバを使用したい」「エンジニアが常駐している」「細かいカスタマイズをしたい」など要望がある場合は、パッケージソフト・オンプレミス型の製品も検討しましょう。
クラウド生産管理システムで生産管理業務を効率化しよう
おすすめのクラウド型生産管理システムを、価格や無料トライアル、対象企業規模、提供形態で比較しました。クラウド型生産管理システムは、導入時の設備を自社で用意しなくてもよいため、コストを抑えられるでしょう。しかし、自社の規模やカスタマイズにおいて費用を要する場合もあるため、事前に確認しましょう。
さまざまなクラウド生産管理システムを比較し、不明点などはベンダーに資料請求や問い合わせをして自社にあう製品を導入しましょう。

こちらのツール・システムを導入したことにより倉庫データをリアルタイムで管理できるようになりました。現場の在庫や入荷予定の製品などを現場で確認できるようになったので、いちいち購買部に連絡を取る必要がなくなりました。
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