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2026年10月28日

総務省など3府省、CRYPTREC暗号リストの耐量子計算機暗号(PQC)対応改定案に意見募集

総務省など3府省、CRYPTREC暗号リストの耐量子計算機暗号(PQC)対応改定案に意見募集

総務省など3府省、CRYPTREC暗号リストの耐量子計算機暗号(PQC)対応改定案に意見募集(写真はイメージ)

総務省、デジタル庁、経済産業省は2026年10月27日、「電子政府における調達のために参照すべき暗号のリスト(CRYPTREC暗号リスト)」の改定について、意見募集を始めたと発表した。量子コンピュータの進展を踏まえた、耐量子計算機暗号(PQC)への対応に関する改定である。

意見を募集する期間は、10月27日14時から11月11日24時までだ。とくに、署名方式「ML-DSA」と「SLH-DSA」のうち、セキュリティ強度が低い区分をリストでどう扱うかについて意見を求めている。

CRYPTREC暗号リストとは

CRYPTRECは、電子政府で使う暗号技術の安全性を評価・監視し、適切な実装法や運用法を調べるプロジェクトだ。3府省はこの活動を通じて、安全性、実装性能、利用実績を評価し、CRYPTREC暗号リストを策定している。政府の情報システムを調達する際に、参照すべき暗号を示すリストである。

量子コンピュータの研究開発が進むなか、将来的に従来の暗号の安全性が下がることが懸念されている。そのため、量子コンピュータでも解読が難しいPQCへの移行に向けた取り組みが重要になっているという。

2026年3月の改定と、保留された論点

3府省は2026年3月、CRYPTREC暗号リストの「電子政府推奨暗号リスト」に、新たに「耐量子計算機暗号(PQC)リスト」を加える改定を行った。ただし、さらに検討が必要な一部の暗号技術の扱いは保留とし、継続して検討することにした。

保留した課題を検討するため、CRYPTRECに「耐量子計算機暗号(PQC)リスト検討タスクフォース」が設けられた。安全性評価の観点に加え、暗号技術の利活用や普及促進の観点も含めて横断的に議論してきた。今回の意見募集は、このタスクフォースでの検討を踏まえたものだ。

改定イメージで示されたPQCリストの案

意見募集の資料として、CRYPTREC暗号リストの「改定イメージ」が公開された。PQCリストには、すでに載っている鍵共有のML-KEMやAESなどに加え、署名方式のML-DSAとSLH-DSAを新たに載せる案が示されている。各方式には、米国立標準技術研究所(NIST)の基準に基づく「セキュリティカテゴリ」が付く。

改定イメージでは、PQCリストについて「Category 3以上の利用を推奨する」と記している。ML-DSAについては、できる限りML-DSA-65かML-DSA-87を使うよう推奨し、長期の保護が必要なデータではこれを強く推奨するとした。

今回、意見を求めているのは、ML-DSAとSLH-DSAのCategory 1・2にあたる方式の扱いだ。具体的にはML-DSA-44と、SLH-DSA-[SHA2/SHAKE]-128[s/f]である。利用状況や将来の利用見込みを踏まえ、リストに載せるべきかどうかの考え方と理由を募っている。

改定内容はまだ確定していない

3府省は、ML-DSAとSLH-DSAについて、CRYPTRECでの安全性評価などが終わっていない段階だと説明している。そのため、改定内容は確定したものではないと注意を促している。

寄せられた意見を踏まえ、CRYPTRECで改めて検討する予定だ。その結果と、別途進めている安全性評価の結果を踏まえて、CRYPTREC暗号リストを改定する。改定の時期は示されていない。資料はe-Govのパブリック・コメント欄にも掲載される。

企業への示唆

CRYPTREC暗号リストは電子政府の調達向けだが、民間の暗号選定でも参考にされることが多い。政府向けにシステムや製品を納める企業は、PQCリストの方式と推奨カテゴリが調達要件にどう反映されるかを追っておきたい。とくに電子署名や証明書を扱う製品では、ML-DSAなどへの対応方針を早めに整理しておくとよい。

自社のシステムでは、どこでどの暗号を使っているかの棚卸しから始めるのが現実的だ。改定イメージは、長期の保護が必要なデータに高いカテゴリを強く推奨している。保存期間の長い契約書や個人情報を扱う部門から、移行計画の優先度を決めておきたい。署名方式を実際に使う事業者は、11月11日までの意見募集に利用状況を伝えることもできる。

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まとめ

総務省、デジタル庁、経済産業省は、CRYPTREC暗号リストのPQC対応に関する改定案について意見募集を始めた。期間は11月11日までで、署名方式ML-DSAとSLH-DSAのCategory 1・2の扱いが焦点となる。

改定内容はまだ確定しておらず、意見と安全性評価の結果を踏まえて改定される。政府向けに製品を納める企業や長期保存データを持つ企業は、暗号の棚卸しとPQC移行の準備を進めておきたい。

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