FAQシステムの信頼性への不安の整理
不安をまとめて解消しようとすると、確認する項目が多くなり判断が進みません。不安の種類ごとに、確認できる情報の性質が異なります。まずは分類し、自社にとって優先度の高いものから確かめていきましょう。
不安の種類の分類
信頼性に関する不安は、いくつかの方向に分かれます。それぞれ確認先も判断基準も違うため、区別して扱うことが出発点です。
- ■止まらないかという不安
- 障害やメンテナンスでFAQが閲覧できなくなる可能性に関する不安です
- ■情報が守られるかという不安
- 登録した内容や利用者の操作記録がどう扱われるかに関する不安です
- ■使い続けられるかという不安
- 提供が終了した場合に業務が止まらないかに関する不安です
- ■評判が確かかという不安
- 公開されている実績数値や口コミをどこまで信じてよいかに関する不安です
自社にとってどれが重いかは、FAQを社内向けに使うか社外向けに使うかでも変わります。社外公開が中心であれば稼働と情報の扱いが優先され、社内利用が中心であれば継続性の比重が高くなる場合があります。
確認できる情報とできない情報の区別
ベンダーが公開している情報には限りがあります。公式サイトで確認できる項目、契約前の問い合わせで回答を得られる項目、開示されない項目に分けておくと、確認作業を効率よく進められます。
開示されない項目については、開示されないこと自体を不信の材料とせず、代わりに何が確認できるかを聞いてみましょう。例えば個別の障害内容を公開していなくても、障害時の連絡手順や復旧の考え方については説明を受けられる場合があります。質問の仕方を変えることで、判断に使える情報を得られることがあります。
稼働状況と障害への備えの確認
FAQが閲覧できない時間が生じると、利用者は他の手段で問い合わせることになります。障害を完全になくすことはどの製品でも難しいため、起きたときにどう扱われるかを確認しておきましょう。
稼働状況の公開範囲
サービスの稼働状況を専用のページで公開しているベンダーがあります。過去の障害の発生時期や影響範囲、復旧までの経緯を確認できる場合、対応の姿勢を知る手がかりになります。
公開されていない場合は、契約前の問い合わせで直近の障害の有無や対応内容を質問してみましょう。あわせて、契約書や利用規約に稼働に関する取り決めが記載されているかも確認しておきます。数値目標が定められている場合は、その対象範囲と、達成できなかった場合の扱いまで見ておくと判断材料が増えます。
障害時の連絡と復旧の流れ
障害が起きた際に、利用者へどのように連絡されるかは重要な確認項目です。管理者へメールで通知されるのか、専用ページの更新のみなのかによって、社内での気付きやすさが変わります。
連絡の手段、想定される連絡までの時間、復旧見込みの案内があるかを確認しておきましょう。あわせて、計画的なメンテナンスの実施時間帯と、事前告知の期間も聞いておくと運用計画を立てやすくなります。自社の業務が集中する時間帯と重なる可能性がある場合は、その点も相談してみてください。
停止時に備えた社内の対応
製品側の対策を確認するだけでなく、止まった場合に自社で何ができるかも考えておきましょう。FAQが閲覧できない間の問い合わせ先を案内できる状態にしておくと、利用者の混乱を抑えられます。
社内向けに使っている場合は、よく参照されるFAQを別の形で保管しておく方法もあります。定期的にデータを出力しておけば、閲覧できない時間帯でも内容を確認できます。誰が出力作業を行うか、どこに保管するかを決めておくと、特定の担当者に依存しない運用になります。
データの取り扱いに関する確認
FAQシステムには、登録した回答文だけでなく、利用者の検索キーワードや問い合わせ内容が記録される場合があります。どの範囲のデータが保存されるかを把握したうえで、対策の状況を確認しましょう。
保存されるデータの範囲
まず、システム上にどのようなデータが保存されるかを整理します。FAQ本文や画像に加え、検索キーワードの記録、閲覧の記録、問い合わせフォームから送られた内容が含まれる場合があります。
個人情報にあたる項目が含まれるかどうかは、社内の規程に照らして判断する必要があります。データの保存場所、保存される期間、契約終了後の扱いを契約前に確認し、社内の管理部門や法務の担当と共有しておきましょう。書面で残しておくと、後の確認にも使えます。
対策状況と認証の確認
データを守る取り組みとして、通信の暗号化、アクセス権限の設定、操作記録の保存といった機能が用意されているかを確認します。機能があるかだけでなく、自社で設定を管理できるかもあわせて見ておきましょう。
第三者機関の認証を取得しているかも判断材料の一つです。ただし認証の対象範囲は組織全体の場合とサービス単位の場合があり、内容は一律ではありません。取得している認証の名称と対象範囲、更新の状況まで確認すると、実態に近い理解ができます。不明な点は情報システム部門とあわせて確認を進めましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でFAQシステムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
サービスの継続性の確認
導入した製品が将来も提供され続けるかを完全に見通すことは難しいものです。それでも、確認できる範囲を押さえ、終了した場合の備えを用意しておくことで不安は和らげられます。
提供状況を判断する材料
提供の継続性を判断する材料としては、機能の更新が続いているか、サポート情報が新しい状態に保たれているか、公開されている導入事例が最近のものかといった点が挙げられます。いずれも一つだけでは判断できないため、複数を組み合わせて確かめましょう。
あわせて、契約書に記載された提供終了時の取り決めも確認しておきます。終了する場合の告知期間が定められているか、その期間で移行を完了できるかを想定しておくと、実際の対応を検討しやすくなります。判断に迷う場合は、他の製品と条件を並べて比較すると相対的に見えてきます。
データの持ち出し手段の確認
提供が終了する場合や、他の製品へ移る場合に備えて、蓄積したFAQを取り出せるかを確認しておきましょう。出力できる形式、出力できる項目の範囲、画像などの添付ファイルを含められるかが確認の対象です。
出力作業を管理画面から自分で行えるのか、ベンダーへの依頼が必要なのかでも負担は変わります。契約終了後に一定期間データを取り出せる仕組みがあるかも聞いておくと安心です。定期的に出力して社内に保管する運用を決めておけば、想定外の事態でも内容が残ります。
実績や口コミの読み取り方
公開されている実績数値や利用者の評価は参考になりますが、そのまま受け取ると判断を誤る場合があります。数値の前提と、評価が生まれた背景を確かめる姿勢が求められます。
実績数値の前提の確認
導入実績として示される数値は、集計の対象範囲や期間の取り方がベンダーによって異なります。累計で数えているのか現在の契約数なのか、無償利用を含むのかによって意味は変わります。
数値の大小だけで判断せず、どのような条件で集計されたものかを確認しましょう。自社と近い規模や業種での利用があるかを個別に問い合わせるほうが、判断には役立ちます。事例の紹介を依頼し、導入時の課題や運用体制を聞ければ、より具体的な比較ができます。
口コミ情報の扱い方
口コミやレビューには、良い評価と厳しい評価の両方が含まれます。厳しい評価を見ると不安になりますが、内容を読むと自社には当てはまらない条件のものも含まれています。
確認したいのは、その評価がどの機能や場面に関するものか、投稿された時期はいつかという点です。時間が経った評価は、その後の改善で状況が変わっている可能性があります。自社の利用条件に近い意見を選んで参考にし、気になる内容はベンダーへ直接確認するとよいでしょう。
自社で確かめる方法
他社の評価だけに頼らず、自社で確かめる機会をつくることも有効です。トライアルやデモを利用できるかを相談し、実際の操作感や表示速度を確認してみましょう。
確認の際は、動作したかどうかだけでなく、想定した状態になっているかまで見ることが大切です。権限のない利用者に非公開のFAQが表示されないか、更新した内容が正しく反映されるか、エラー時に通知が届くかといった点まで確かめておくと、公開後の想定外を減らせます。
体制や記録の残し方を確認できるFAQシステム
信頼性を判断する際は、支援の体制や対応の記録がどこまで残せるかも材料になります。その点を確かめやすいFAQシステムを紹介します。
SolutionDesk for カスタマーサポート
- ナレッジをWebサイトでFAQ公開、お客様の自己解決を促進
- 社内ナレッジ×AIで問合せ対応の負荷軽減
- 部門の壁を超えたエスカレーションの実現で問題解決を加速
アクセラテクノロジ株式会社が提供する「SolutionDesk for カスタマーサポート」は、社内ナレッジの共有と生成AIの活用によってカスタマーサポート業務を支援するシステムです。タグによる分類で保存場所を意識せずに情報を探せるほか、製品情報や顧客情報を全社共通のマスターとして管理できます。部門を越えたエスカレーションや、チケットとチャットを紐づけた案件管理に対応します。導入から定着、改善までを伴走する支援サービスが用意されている点も、体制を確認する際の材料になります。
Jira Service Management
- AI搭載の単一プラットフォームでIT、開発、ビジネスチームを統合
- AIエージェントでサービス管理をさらに効率的に
- 高いROIと素早い価値提供のスピード
アトラシアン株式会社が提供する「Jira Service Management」は、リクエスト管理をひとつのクラウド基盤で扱うサービスマネジメントツールです。インシデント管理や問題管理、変更管理をワークフローとして扱えるため、対応の経緯を記録として残しやすくなります。IT資産の登録やインベントリの管理、インフラの構成を可視化する機能も備えています。IT運用からカスタマーサービス、人事まで用途別のテンプレートが用意され、小規模なチームから大企業までの利用が想定されています。
Click Navi
- シンプルなユーザインターフェース
- 表示された「検索条件」をクリックするだけ
- AIによる「絞込キーワード」の自動抽出、カテゴリ候補を自動提示
住友電工情報システム株式会社が提供する「Click Navi」は、エンタープライズサーチの機能として提供される検索・情報活用システムです。文字入力を必要とせず、探し方と検索条件を選んで結果を絞り込む手順で目的の文書にたどり着ける構成になっています。絞り込みに効果的なキーワードはAIが自動で抽出する仕組みで、大学の研究室との共同開発による技術が用いられています。利用実績が自動的に集計・表示されるため、社内でどの情報が参照されているかを継続的に確認できます。
QuickReply (エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社)
- 問い合わせからワンクリックでFAQ検索・回答文を挿入。
- メール対応と同時にFAQ・学習データの登録がでナレッジ化に貢献
- ブラウザでの管理画面提供により、知識共有を促進。
MatchWeb (エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社)
- FAQを統合管理し、運用負荷を軽減。
- 同義語対応の日本語処理技術で高精度検索を実現。
- レポートとフィードバックでFAQ継続改善を促進
まとめ
FAQシステムの信頼性への不安は、稼働状況、データの扱い、提供の継続性、評判の読み取り方という順で確認していくと整理できます。すべてを事前に見通すことはできませんが、確認できる情報を集め、備えを用意しておくことで判断の精度は高められます。気になる製品があれば、資料請求で条件を確かめたうえで比較検討を進めてみてください。


