ECサイトを構築するうえで直面する課題
構築時にはサーバやシステムの構築・整備、ウェブサイトデザインに関して以下のような課題が生じます。
- ■PHPやHTMLなどの知識はあまりないが短時間で効率良くサイトを構築したい
- ■スマートフォンやタブレットに対応したレスポンシブデザインにしたい
また、ECサイトは構築して終わりではありません。ECサイト運営や保守について、以下のような課題が発生します。
- ■受発注や在庫などフルフィルメントに関しても一元管理したい
- ■実店舗の在庫数や販売数とも連動させ、在庫管理システムや受注管理システムとも連携したい
- ■商品の入れ替わりが激しいためサイトオープン後の出品も簡単にしたい
ユーザーにとっての使いやすさはもちろんですが、このように管理者側の利便性も考慮しなければなりません。特に、多くの商品数・会員数が見込まれる大規模なECサイトでは、これらの課題をクリアできるかどうかで業務効率が大幅に左右されます。
ECサイトの構築方法
続いて、ECサイトの構築方法を2つのステップに分けて紹介します。
1.導入目的の明確化
まずは、ECサイトを導入する目的を明確にしましょう。目的を定めることで、必要な機能やサイトの規模が見えてきます。例えば、少数の商品を扱う小規模な運営であれば、既存のECプラットフォームやクラウド型サービスの利用が適しています。一方、商品数が多い中規模以上のサイトでは、ゼロからの構築やモール型のECサービスを検討するのがよいでしょう。
また、ECサイトにはクーポン機能やSNS共有ボタンなど、さまざまな機能を組み込めますが、やみくもに搭載するとユーザーにとって使いづらいサイトになることもあります。サイトの利用イメージを具体化し、本当に必要な機能に絞り込むことが重要です。
この目的意識は、サイト公開後の運用にも大きく関わってきます。KPIなどの評価指標を使って進捗を測る際にも、明確な目標がなければ効果的な評価はできません。なお、リニューアルを検討している場合は、現状の課題を洗い出したうえで目的を再設定し、優先順位をつけて改善に取り組む必要があります。
2.構築スケジュールの策定
ECサイトの構築は長期的な計画にもとづいて行うものです。運営開始をゴールとするのではなく、その後の取り組みもスケジュールを策定しておきましょう。
1つ簡単な例を紹介します。
- 今月
- ECサイト構築プロジェクト立ち上げ
- 1ヶ月後
- 制作会社の選定
- 2ヶ月後
- 要件定義
- 3ヶ月後
- 開発
- 4ヶ月後
- テスト
- 5ヶ月後
- 試験運用
- 6ヶ月後
- 本稼働
- 8ヶ月後
- ユーザー数を踏まえたリソースの見直し
- 12ヶ月後
- データベースとの連携
- 18ヶ月後
- 新規サイト構築の検討
例では時期ごとに実施すべき内容を定めていますが、「ユーザー数が○○人を超えたら」や「収益が○○円に到達したら」など、数値目標に応じたタイミングでアクションを起こす方法も有効です。いずれの場合も、構築段階で将来的な展望をもち、それにもとづいて開発や運用を進めることが重要です。
後から思いつきで機能追加や仕様変更を行おうとすると、既存システムに大きな修正が必要になるケースもあります。そのため、事前の計画が業務効率やコスト削減に直結します。
ECサイトを手軽に構築する方法
ECサイトの構築には、自社での開発や制作会社への外注など、さまざまな方法があります。なかでももっとも手軽で効率的なのが、ECサイト構築ツールの活用です。以下の特徴・機能でECサイトの運営を網羅的にサポートします。
- 基本機能
- 商品紹介ページ作成やオンライン決済、ショッピングカートなど、ECサイトに必要な基本機能を網羅的に搭載しています。ほかにも在庫数を登録できる商品管理機能や、顧客管理機能などが備わっています。顧客情報やデータはマーケティング施策立案などにも役立てられるでしょう。
- テンプレート
- あらかじめデザインテンプレートが搭載されているため、それを使うだけで美麗なECサイトを構築できます。
- 簡単操作
- 専門知識がなくてもECサイトを構築できます。
- 管理機能が豊富
- 受注管理や在庫管理などもECサイト構築ツール上で一元化できます。
- 実店舗の在庫と連動可能
- 実店舗における管理情報を統合できる場合もあります。
- アクセス解析
- 訪問者の情報を収集・解析できます。
- モバイル最適化
- 自動でモバイル対応したサイトを構築できます。
まとめ
ECサイトの構築には、システムやデザイン面の整備だけでなく、運用や在庫管理といった実務面の課題も伴います。特に商品数が多い場合や、実店舗との連携が求められる場合は、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
専門知識がなくても活用できるECサイト構築ツールを導入すれば、業務負担を抑えつつ高機能なサイト運営が可能になります。自社のビジネスモデルに合った構築方法を選び、EC事業を加速させましょう。