ECサイトとは
ECサイトとは、「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、インターネット上で商品やサービスを売買できるWebサイトのことを指します。楽天市場やAmazonなどの大規模なモール型サイトから、自社ブランド専用のECサイトまで、さまざまな形態があります。
近年では、消費者のオンラインショッピング利用が一般化したことにより、企業が自社でECサイトを運営する重要性が高まっています。実店舗を補完したり、新たな販路を開拓したりする手段として、多くの企業が導入を進めています。
ECサイトの仕組み
ECサイトは、単に商品を掲載して購入できるサイトではなく、ユーザーの購入体験を支える複数の仕組みが連動して成り立っています。大きく分けると、以下のような流れで機能します。
- 1.ユーザーがサイトを訪れる:検索やSNSなどを経由してサイトへアクセス
- 2.商品を探す・選ぶ:カテゴリや検索機能を使って欲しい商品を探す
- 3.カートに入れて注文:カートに商品を追加し、支払い方法や配送先を指定
- 4.注文完了・確認メール送信:購入完了後に自動メールが配信される
- 5.運営者が受注・出荷手配:バックヤードで注文内容を確認し、出荷作業へ
- 6.顧客が商品を受け取る:配送会社経由で商品が手元に届く
この一連の流れをスムーズに行うためには、フロント(ユーザー向け)とバックエンド(運営者向け)の両面において機能が連携している必要があります。
ECサイトに搭載される主な機能
ECサイトには、大きく分けてフロント機能(ユーザー側)と管理機能(管理者側)の2つがあります。それぞれの役割と主な機能について以下で解説します。
フロント機能(ユーザー側の機能)
フロント機能とは、ECサイトを訪れたユーザーが実際に操作する画面のことです。商品の検索・閲覧・購入といった購買体験を支える役割を担っており、ユーザーの満足度や離脱率に大きく影響します。主な機能は以下のとおりです。
- ■商品紹介ページ
- 商品をカテゴリごとに閲覧できる商品一覧機能や、お気に入り登録数や人気順などで商品を並べ替えられる商品並べ替え機能がある。
- ■商品注文ページ
- 複数の商品を選択・購買できるショッピングカート機能や決済に関する支払い方法の選択機能、商品注文と同時に確認メールなどが配信される機能がある。
- ■MYページ
- 会員登録や会員情報を変更できる会員登録・変更機能や過去の注文履歴を閲覧・管理できる注文履歴一覧表示機能がある。
- ■その他のページ
- 問い合わせフォームから管理者に問い合わせができる問い合わせ機能やメールマガジンの登録・解除ができる機能がある。
管理機能(管理者側の機能)
管理機能は、ECサイトを運営・管理する側が使用する管理画面のことです。商品登録や在庫管理、注文対応、売上集計など、日々の運営業務を担う中核となる役割があります主な機能は以下のとおりです。
- ■認証ページ
- 管理者として登録したユーザーでのIDやパスワードでの認証を行える。新しい管理者の登録も可能。
- ■Topページ
- 商品の受注状況が確認できる機能や売上状況が管理・確認できる機能がある。商品の在庫数や会員数の管理も可能。
- ■基本情報設定ページ
- サイトの運営に必要な会社情報の設定・編集を行える。その他、特定商取引に関する法律に定める要件の編集や、会員規約に関する規約の編集を行う機能がある。
- ■商品管理ページ
- 商品の検索や一覧表示、商品登録や商品の情報の変更を行える。各種情報のCSV出力やCSVによる一括登録も可能。
- ■受注管理ページ
- 受注内容の検索や一覧表示、商品手配中や発送中などの各種対応状況を確認できる。受注情報や発送情報などをCSVに出力可能。
- ■顧客管理ページ
- 顧客情報の検索や一覧表示、顧客情報の登録や編集が行える。会員登録の完了メール等の配信も可能。
- ■売上集計ページ
- 期間別や商品別に売上集計結果をグラフと一覧で表示できる。
- ■メルマガ配信ページ
- メールマガジンを配信したり、配信先の絞り込み検索が可能。HTMLメールの作成も簡単に行える。
- ■コンテンツ管理ページ
- フロントページに表示するおすすめ商品や人気商品、新着情報の登録や編集が可能。サイトのレイアウトやデザインの編集も行える。
- ■システム情報設定ページ
- サーバー、OSなどのシステム設定。管理画面にログイン出来るメンバー管理やセキュリティー管理が可能。
ECサイトの構築方法の種類と特徴
ECサイトを構築する方法にはいくつかの種類があり、使用するシステムやツールによって、構築コストや自由度、運用のしやすさが異なります。ここでは、代表的な構築方法とその特徴をわかりやすく解説します。
構築方法 | 特徴 |
---|---|
ASP型 | コスト・短期間で始められる。機能が限定されているが初心者向け。 |
クラウド型(SaaS) | ASPよりも自由度が高く、デザインや機能のカスタマイズが可能。自動アップデートで常に最新の状態を維持。 |
オープンソース型 | 無料でソースコードを利用可能。自社でカスタマイズや運用を行う必要あり。 |
パッケージ型 | 基本機能が揃ったソフトをベースにカスタマイズ可能。中〜大規模向けで拡張性に優れる。 |
フルスクラッチ型 | ゼロから完全に独自で開発する方式。要件に100%対応できるが、費用と期間が非常に大きい。 |
それぞれの構築方法にはメリット・デメリットがあるため、自社の目的・体制・予算に合った方法を選ぶことが重要です。構築方法については、以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
まとめ
ECサイトは、商品を販売するだけでなく、ユーザー体験を高めるための多くの機能が連携して成り立っています。フロント機能と管理機能がそれぞれの役割を果たすことで、スムーズな購買プロセスと円滑な運営が実現できます。
また、ECサイトの構築にはASPやクラウド、オープンソース、パッケージなど複数の手法があり、自社の規模や運用体制に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。これからECサイトの構築や運営を検討している方は、まずは自社に必要な機能と目的を明確にし、最適な仕組みを選定しましょう。