デジタルサイネージソフトとは
デジタルサイネージソフトとは、ディスプレイやモニターを用いて、広告や情報を表示するためのコンテンツを作成・配信するためのソフトウェアです。主にショッピングモールや公共施設、オフィスなどで活用されています。従来の静的な看板や広告に比べ、入稿・掲載がしやすいうえ、多くの人の目に留まりやすいことから近年注目されている広告媒体のひとつです。
デジタルサイネージの導入例
デジタルサイネージが導入されている主な場所と目的は以下のとおりです。
- ●商業施設:商品プロモーション、イベント案内、フロア案内
- ●飲食店:メニューや日替わりキャンペーンの表示
- ●交通機関:時刻表や遅延情報の提供、キャンペーンや広告の表示
- ●教育施設:校内案内や行事スケジュールの表示
- ●オフィス:営業成果の共有、管理部門からの全社通知
- ●その他:屋外広告、空間演出、アート作品
デジタルサイネージソフトをお探しの方へ
この記事では、クラウド型・スタンドアロン型・タッチパネル型の3つの導入形態に分けて、定番のデジタルサイネージソフトを紹介します。ツール導入を検討されている方は、こちらから詳しい製品情報をすぐに確認できます。また、コストを抑えて始めたい方向けに、無料で利用できるツールも厳選しています。
- ▶クラウド型デジタルサイネージソフト(多拠点でまとめて運用)
- ▶スタンドアロン型デジタルサイネージソフト(現場単位で運用)
- ▶タッチパネル型デジタルサイネージソフト(セルフ操作型運用)
- ▶無料のデジタルサイネージソフト
▼一覧表からまずは比較したい方はこちら!
【比較表】おすすめのデジタルサイネージソフト一覧
デジタルサイネージソフトの主な機能
デジタルサイネージソフトには、コンテンツ管理やスケジューリングなどの基本機能をはじめ、ARやマルチタッチなどのインタラクティブな機能が搭載されています。
- ■コンテンツ管理機能
- 画像や動画などのコンテンツ管理や、アップロード・削除・編集などを行う機能。
- ■スケジュール機能
- 時間設定しておくことで、ディスプレイにコンテンツを自動表示する。コンテンツ配信の時間帯を細かく決められる場合も。
- ■AR機能
- 人感センサーやカメラを用いて人の動きを検知し、ディスプレイ画面が反応する。
※AR(現実世界に仮想データを映し出す技術) - ■マルチタッチ機能
- ディスプレイに直接触れて操作する。フリックでの操作や、ピンチイン・ピンチアウトでの拡大率変更などが可能。
なお、デジタルサイネージについては、以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参考にしてください。
デジタルサイネージソフトのメリット
デジタルサイネージソフトを導入することで、ユーザーへの訴求効果がアップするほか、広告管理における作業負担を軽減できます。具体的には以下のメリットが得られます。
場所や時間帯に応じて表示コンテンツを切り替えられる
デジタルサイネージは、場所や時間帯にあわせてコンテンツを柔軟に変更できます。朝昼夜で異なる広告を表示したり、エリア特性に応じた情報発信を行ったりすることで、ターゲットへの訴求力を高められます。また、リアルタイムな情報配信にも対応しており、季節イベントや緊急告知をスピーディーに展開できる点もメリットです。
暗い環境でも鮮明に情報を届けられる
高輝度ディスプレイにより、夜間や照明が少ない場所でもコンテンツを明瞭に表示できます。暗所でも高い情報伝達効果を発揮できるため、通行人や来訪者への訴求力を維持しやすく、屋外広告や交通機関など光環境が不安定な場所にも適しています。
動画や音声を使ったリッチコンテンツ配信が可能
静止画だけでなく、動画や音声を組み合わせたリッチなコンテンツを配信できます。動きや音によるインパクトで、視線を引きつけやすく、商品やサービスの魅力をより効果的に伝えられます。映像演出による没入感を高めることで、来店促進やブランドイメージの強化にも大きく貢献します。
紙媒体に比べ、印刷・設置の手間やコストを削減できる
デジタル配信により、印刷や掲示作業の手間が不要になります。コンテンツ変更も遠隔から即時対応できるため、コスト削減と運用効率化を実現。更新頻度の高い広告やキャンペーン展開にも柔軟に対応でき、販促活動全体のスピード感とタイムリーな情報発信力を高められます。
さまざまなメリットが得られるデジタルサイネージソフトは、以下のボタンから一括資料請求(無料)が可能です。製品資料を複数取り寄せ、各社の見積もりを取ってみましょう。
デジタルサイネージソフトのデメリット
デジタルサイネージソフトは、多機能で訴求力が高い一方、初期費用や運用コストが発生する点がデメリットです。導入にはディスプレイや配信機器、ソフト利用料などさまざまなコストがかかり、総額でまとまった投資が必要になるケースもあります。また、コンテンツ更新やスケジュール管理には一定の作業負担が伴うため、専任担当者や適切な運用体制を整える必要があります。
デジタルサイネージソフトの3つのタイプ
デジタルサイネージソフトは、「クラウド型」「スタンドアロン型」「タッチパネル型」に分けられます。各タイプの特徴を解説します。

クラウド型のデジタルサイネージソフト
クラウド型は、ネット上のクラウドサービスを介してコンテンツ管理と配信を行うソフトウェアです。インターネット環境さえあればどこでもデータの変更やスケジュール管理が可能なほか、一つの端末から複数のディスプレイをまとめて操作できます。多拠点にパネルを設置しており、情報配信を効率化させたい企業におすすめです。
▶クラウド型デジタルサイネージソフト(多拠点でまとめて運用)はこちら!
スタンドアロン型のデジタルサイネージソフト
スタンドアロン型は、個別のディスプレイに直接インストールして使用するソフトウェアです。インターネット接続が不要で、USBやSDカードを用いて独立運用が可能です。ソフトの購入費のみで利用できるものの、コンテンツの変更や管理は現場に赴き手動で対応する必要があります。そのため小規模な店舗やコストを抑えたい企業におすすめです。
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タッチパネル型のデジタルサイネージソフト
タッチパネル型は、ユーザーが直接触れて操作するデジタルディスプレイです。自身で知りたい情報にアクセスできるため、広告の発信側と受け手側で双方向のコミュニケーションが可能です。観光案内や施設案内、商品検索などにも用いられます。専任スタッフが不要になるため、人員不足を課題とする企業や、操作ログによるユーザー分析を行いたい企業におすすめです。
▶タッチパネル型デジタルサイネージソフト(セルフ操作運用)はこちら!
デジタルサイネージソフトの選び方
デジタルサイネージソフトを選ぶ際は、対応OSや導入形態に加え、以下のポイントに留意して各製品を比較しましょう。
導入目的に合わせた配信・連携機能の充実度
デジタルサイネージソフトは主な機能としてコンテンツ配信機能を備えるほか、用途に応じて配信スケジュールや端末ごとの配信の出し分け、センサー機能などを搭載します。例えば、外部データと連携できる製品であれば、天気やニュースなどの配信が可能です。自社の導入目的を明確にし、必要な機能が備わった製品を選びましょう。対応するOSやコンテンツ形式を確認しましょう。
コンテンツ制作・管理のしやすさ
デジタルサイネージに表示させるコンテンツは自身で用意しなければなりません。静止画コンテンツであれば、PowerPointなどのプレゼンテーションソフトを用いることで制作できます。しかし、コンテンツの作成に負担を感じるのであれば、コンテンツ制作に関する機能が搭載された製品を導入するのがおすすめです。例えばドラッグ&ドロップで画像やテキストを割り当てられるものや、テンプレートが用意されたものなどさまざまです。
また、定期配信機能を備えたものなら、コンテンツの更新も容易になります。自社で配信したいコンテンツの内容に応じて、コンテンツ制作・配信・管理機能の豊富なものを選ぶとよいでしょう。
ディスプレイの形式や設置場所の適合性
ソフトとセットでディスプレイを購入する場合、用途を想定して適したものを選択しましょう。デジタルサイネージの設置方法には、壁掛けタイプやスタンドタイプのほか、天井から吊り下げるタイプ、プロジェクターで投影するタイプなどがあります。
例えば、店舗や公共施設の案内看板など設置場所が決まっており、省スペースに活用したいなら壁掛けタイプが適しています。しかし、コンテンツの差し替えにUSBメモリやSDカードを用いる場合、差し替えが容易にできるかに注意しましょう。また、イベントや催事など設置場所が都度変更になる可能性がある場合は、置き場所を選ばないスタンドタイプがおすすめです。なお屋外での活用を想定している場合、ディスプレイの耐久性も確認しておきましょう。
【比較表】おすすめのデジタルサイネージソフト一覧
ここからは、おすすめのデジタルサイネージソフトを紹介します。まずは、この記事で紹介している主要な製品を調査し、見えてきた製品の特徴や傾向を以下にまとめました。製品の比較検討にお役立てください。
- ●スケジュール管理機能はほぼ標準搭載。時間帯や曜日ごとの自動配信切り替えに対応した製品が多い。
- ●設置ディスプレイはスタンドタイプを想定した製品が最多。壁掛け型・天吊り型にも対応可能だが割合はやや少ない。
- ●タッチパネル操作に対応しているのは一部製品に限られ、多くは非タッチ型。
- ●外部データ連携機能(天気情報・ニュース配信など)はクラウド型を中心に搭載しており、リアルタイムな情報発信が可能。
最新の人気傾向を参考にしたうえで製品選定を進めたい方は、ぜひ以下の月間ランキングページもご覧ください。
デジタルサイネージソフトの料金相場
デジタルサイネージのディスプレイ本体は、大きさや設置場所によって10万円から数百万円と料金に幅があります。またソフトの費用も別途必要であり、クラウド版を利用する場合、月額利用料金は台数や利用規模に応じて数千円から数万円とさまざまです。以下の表は、ITトレンドに掲載中のデジタルサイネージソフトの価格表(レビュー表)です。製品比較時に参考にしてください。
※レビュー評価は2025年4月28日時点における実数を表示しています。"ー"表記はまだレビュー投稿がありません。
詳しい料金については、各社製品の見積もりを取り比較してみましょう。以下のボタンから関連製品の一括資料請求(無料)ができるのでぜひご利用ください。
▶クラウド型デジタルサイネージソフト(多拠点でまとめて運用)
まずは、クラウド型のデジタルサイネージソフトを紹介します。多拠点にディスプレイを設置しており、一括で管理したい企業におすすめです。
FiT サイネージ
- 利用シーンに合わせた3つの動作モードを搭載
- 充実した機能を低価格で、高いコストパフォーマンス
- 直感的に操作できる専用管理コンソールで端末を一元管理
株式会社アイ・エス・ビーが提供する「FiT サイネージ」は、Android端末を活用したクラウド型デジタルサイネージサービスです。利用シーンにあわせた3つの動作モードのほか、HDMI出力やタッチパネル操作、分割表示、カレンダー配信などの多彩な機能をもちます。
【参考価格】初期費用50,000円、月額2,000円/ライセンス
デジサイン
- 「スタンドアロン」「クラウド」「オンプレミス」の3種を提供
- Androidの低価格STB~Windowsの高機能・高耐久STBをラインナップ
- コンテンツ運用を支援する様々な機能を搭載
サイバーステーション株式会社が提供する「デジサイン」は、再生装置や配信管理ソフト、コンテンツサービスを一体化したデジタルサイネージ用プラットフォームです。クラウド型はもちろんのこと、オンプレミス・スタンドアロンから選べ、AndroidやWindows対応の多様な機器構成が可能。用途や規模に応じて柔軟に導入でき、テンプレートやサポート体制も充実しています。導入実績も豊富で、他システムとの連携提案も行えます。
【参考価格】SaaSタイプ クラウド:初期費用25,000円~、月額3,800円
クラモニ
株式会社ビーツが提供する「クラモニ」は、直感的な操作性が魅力のクラウド型デジタルサイネージソフトです。PCとネット環境があれば遠隔でコンテンツを表示できるほか、天気や時間に適した更新設定も可能です。
e-Signage S
シャープ株式会社が提供する「e-Signage S」はネットワーク版をはじめ4つのプランを提供しており、最大1,000台のディスプレイに対応しています。編集・定期配信・フォルダ連携といった機能を搭載しているほか、設定したスケジュールで配信も可能です。
CloudExa(クラウドエクサ)
株式会社クラウドポイントが提供する「CloudExa(クラウドエクサ)」は、映像配信をメインとするクラウド型のデジタルサイネージソフトです。即時配信機能やコンテンツ管理機能などを利用できます。コンテンツ配信は場所や時間に関係なく行えるほか、それぞれのディスプレイにあわせて表示内容や配信の時間帯を変更可能です。
DiSi CLOUD
アビックス株式会社が提供するクラウド型のデジタルサイネージソフト「DiSi CLOUD」は、表示用ディスプレイやプレーヤーと組み合わせて利用します。一つの管理画面から遠隔操作で複数のディスプレイにコンテンツを表示できます。配信済みであれば、障害が発生しても停止しないのも特徴です。
▶スタンドアロン型デジタルサイネージソフト(現場単位で運用)
ここからは、インターネット接続不要で利用できるスタンドアロン型のデジタルサイネージソフトを紹介します。
KI Sign
- 特別な知識・技術は不要ですぐに運用を始められる簡単な操作性
- 個別カスタマイズにもフレキシブルに対応することが可能
- スタンドアロン運用からLAN運用にシフトできる高い拡張性
株式会社カテナスが提供するデジタルサイネージソフト「KI Sign」は、スタンドアロン版やLAN対応版から選択可能です。ソフト内で、シナリオの作成・再生・配信兼死活監視がそれぞれ行えます。また、CSV連携・マルチタッチ・スケジュール・ルート表示といった豊富な機能が搭載されています。
【参考価格】お問い合わせください。
びじゅ衛門
東芝ITサービス株式会社が提供するデジタルサイネージソフト「びじゅ衛門」は、インストール型・クラウド型から選択できます。さらに、店舗を複数もつ場合に適したエンタープライズ製品も用意されています。サポート体制も充実しているため、提案から構築・保守まで安心して任せられるでしょう。
時間割看板2
「時間割看板2」は、株式会社アイ・オー・データ機器が提供するデジタルサイネージソフトです。パッケージ版とダウンロード版の2種類から選択し、アプリをPCやスマートフォンにインストールして操作します。設定した時間に自動でコンテンツをディスプレイに表示できるほか、テレビチューナー「テレキング」との接続で、テレビ番組も同時に配信可能です。
STB+ 配信ソフト
株式会社クラウドポイントが提供するデジタルサイネージソフト「STB+ 配信ソフト」は、クラウド型・スタンドアロン型・オンプレミス型が提供されています。販売促進や演出に関するコンテンツを配信でき、公共施設や飲食店などさまざまな場面で利用されています。
▶タッチパネル型デジタルサイネージソフト(セルフ操作型運用)
ここからは、ユーザーが直接画面に触れて操作可能なタッチパネル型のデジタルサイネージソフトを紹介します。
Scala
京セラドキュメントソリューションズ株式会社が提供する「Scala」は、世界100カ国以上・50万画面以上の導入実績を誇るデジタルサイネージソフトです。コンテンツの管理や編集・再生などができるほか、ニュースや天気といった情報の配信に有効な連携機能を利用可能です。また、スケジュール設定機能やコンテンツの検索機能も搭載されています。
DJ-Signage
「DJ-Signage」は、株式会社 デジタルソリューションが提供するデジタルサイネージソフトです。「DJ-Signage」でコンテンツの作成、「DJ-Signage/T」でタッチコンテンツの作成、「DJ-Signage/TF」でタッチボタンの配置を行えます。また、スマートフォンでもディスプレイの表示状況を確認可能です。
StellarSign(ステラサイン)
株式会社ステラリンクが提供するデジタルサイネージソフト「StellarSign(ステラサイン)」は、月額と年額の2種類の支払いプランを提供しています。多彩なテンプレートが用意されているほか、一つの画面で複数のコンテンツを配信できます。「Alertmarker+」をつなげると、地震などの緊急情報を表示可能です。タッチ操作のほか、オプションでタッチレス仕様にも対応しています。
▶無料のデジタルサイネージソフトを比較
次に、無料のデジタルサイネージソフトを紹介します。コストをかけずにデジタルサイネージソフトを利用したいという方は、参考にしてください。
Nomoad
NOMOSOFT合同会社が提供するデジタルサイネージソフト「Nomoad」は、PCにインストールして利用します。フリー版を提供しており、小規模事業者や個人事業主に適しています。テロップやフレームなど7種類のパーツがあり、コンテンツの作成にかかる時間を短縮可能です。
SmartSignage
福猫株式会社が提供するデジタルサイネージソフト「SmartSignage」は、無料ダウンロードを提供しています。テーマの切り替えや動作効果・ウェブ表示などの機能が備わっており、PDFやウェブといったコンテンツにも対応しています。
まとめ
デジタルサイネージソフトを利用すれば、情報発信が効率化され、ターゲットにあわせた柔軟な広告配信が実現します。またテンプレートを活用すれば、簡単に質の高いコンテンツを作成できるのもメリットです。
デジタルサイネージソフトにはさまざまな種類・製品があるため、自社の利用目的に沿ったものを選択することが大切です。まずは資料を請求し各社製品の特徴を比較することからはじめてはいかがでしょうか。