図面管理とは?どのような管理方法がある?
図面管理とは、設計図や建築図面といった技術資料などを保存し管理することです。建設業や製造業では多くの図面を扱うため、いつでも引き出せるよう整理・保管が求められます。
図面管理の主な方法は次のとおりです。
- ●紙の図面をファイリングして保管
- ●CAD図面を社内サーバなどの共有フォルダに保管
- ●紙の図面をスキャンしてデータ化し、共有フォルダに保管
そのほか、CADをエクセルデータに変換して管理する場合もあります。なお電子データの保管場所は社内サーバのほか、オンラインストレージなどのクラウドサービス、USBメモリやCD-ROMなどの外部記憶装置、図面管理システムなど多岐にわたります。
エクセルでの図面管理の限界とよくある課題
エクセルを使った図面管理は手軽にはじめられる反面、運用が属人化しやすく、管理ルールが曖昧になりがちです。ファイル名や保存先が統一されていないと、目的の図面を探すのに時間がかかったり、誤って古いバージョンを使用してしまったりするリスクもあります。
また、複数人で同時に編集できない、誤って削除・上書きされやすいといった課題も顕在化します。図面の種類や量が増えるほど、エクセルでは限界があり、効率的かつ安全な管理を行うには専用システムの導入が効果的です。
こうした課題を解決するには、図面管理専用のシステムを導入するのが効果的です。具体的な機能やメリットについては、以下の記事で詳しく解説しているので、業務効率化を図りたい方はぜひご覧ください。
図面管理における課題
図面管理をより効率的に行う方法を考えるにあたって、図面管理においてどのようなトラブルや課題が存在するのかをおさらいしてみましょう。
- ■同じ図面を何枚も作成してしまう
- 過去に作成した図面の管理がされておらず、すでにある図面なのに再度製図してしまった。
- ■外注先に間違った図面を渡してしまう
- 図面をどこに納品したかの履歴が明確にされておらず、どの図面がどの外注先のものなのかわからなくなってしまった。
- ■最新図面がどれかわからなくなる
- 図面のバージョン管理が行われておらず、最新版がどれかわからない。そのため誤発注や設計ミスが生じた。
- ■目的の図面を見つけられない
- 大量の図面を管理しているため、どこに目的の図面があるか把握できず検索に時間がかかってしまった。
- ■部門ごとに情報共有ができない
- 設計・開発など部門ごとに図面情報を管理しているが、部門間での情報共有がされていない。そのため図面の入手に手間がかかった。
また、図面管理の担当者しか図面の場所を把握していない場合、図面管理の属人化が課題となります。
「誰もがすぐにほしい図面を取り出せる(検索性の向上)」、「最新版がどれかひと目でわかる」、図面管理においてはこれら2つの点が大きな課題といえるでしょう。
図面管理のポイント
図面をすぐに探せるようにするには、どのような点に気をつけて管理すればよいのでしょうか。
フォルダ・ファイル名をルール化する
各々が適当な名前でファイル名やフォルダ名をつけると、どれが何の図面なのかわかりにくくなります。そこで図面を保管する際の名称のルールを決めておくのがおすすめです。
例えばファイル名は「日付_種類_名称」のように表記する内容と順番を決めます。表記ルールが統一されていれば、データをソートしやすく、図面を取り出したい場合にも検索がスムーズです。
図面のバージョン管理を徹底する
どの図面が最新版なのかひと目でわかるよう、図面の更新情報をどのようにして管理するか決めておきましょう。
例えば図面のファイル名に更新日を入れるようにしておくと、最新のものがどれかすぐにわかります。また、図面を修正しても前の図面を使用するケースは多々あるため、古い図面も必要に応じて取り出せるようにまとめて保存しておくとよいです。
保管場所を決める
図面の保管場所を特に定めていないと、紙面で保管されていたりクラウド上にあったりと情報が点在してしまいます。図面を保管する共有フォルダを作り、外注先やプロジェクト別、種類別など、何をどこに保管すればいいかのルールを決めて従業員へ周知しましょう。できるだけ図面を一元管理できる仕組みを整えることが重要です。
セキュリティ・紛失対策を行う
図面情報の流出や紛失リスクについても対策を行うべきです。PC上で保管している場合はアクセス制限を、USBメモリで持ち歩くのであればパスワードを設定すると安心でしょう。自社のセキュリティポリシーにあった対策を検討してみてください。
こうした工夫を積み重ねることで、図面の検索性・管理効率・社内共有性が向上し、業務全体の生産性向上にもつながります。エクセルや共有フォルダを用いた運用でも対応可能な部分はありますが、図面の量や種類が増えると対応しきれなくなるケースも多く見られます。
本格的な管理体制の構築を目指す企業には、図面管理専用のシステム導入を検討するのがおすすめです。以下から複数の製品資料をまとめて請求できるので、ぜひ比較検討にお役立てください。
図面管理システムとは?活用のメリットは?
図面管理システムとは、図面や関連する技術資料などをPCで一元管理するシステムです。紙で保管している図面も、CAD図面等にデータ化して管理・運用できます。データの共有に長けており、複数人で設計を行っている場合にも役立ちます。
図面管理システムの導入メリットは以下のとおりです。
- ■情報を一元管理できる
- 社内に散在していた図面データをシステム内に集約・管理できます。管理スペースの削減やペーパーレスによる管理コストの低減も期待できるでしょう。
- ■検索性が向上する
- 図面管理システムではキーワード検索やカテゴリ検索ができます。キーワードが思いつかない場合でも、カテゴリから遡って検索可能です。
- ■部門を横断して図面情報を共有できる
- 他部門の図面データに簡単にアクセスできるため、全社的なナレッジ共有が行なえます。
図面管理システムのメリットや導入時の注意点、デメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。比較検討を進める際の参考にしてください。
図面管理の方法を知りシステム活用を検討しよう
図面を効率的に管理するには、属人化を防ぎ、バージョンや保管場所、セキュリティ面まで考慮することが重要です。エクセルによる管理は一時的には有効ですが、業務の拡大とともに限界が見えてきます。そこで、図面管理専用のシステムを導入すれば、検索性やバージョン管理、セキュリティまでトータルで改善が可能になります。最適な図面管理の方法を検討し、業務効率化を目指しましょう。