資料請求リスト
0件
決算個社IT・インターネット2026年09月25日

【株式会社ROXX(証券コード:241A)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──営業損失3億99百万円まで縮小、通期計画との距離が焦点

【株式会社ROXX(証券コード:241A)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──営業損失3億99百万円まで縮小、通期計画との距離が焦点

株式会社ROXX(証券コード:241A)は、「時代の転換点を創る」をミッションに掲げ、ノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム「Zキャリア」を運営する企業です。事業はHR tech事業の単一セグメントで構成されています。AI技術を活用したマッチング精度の向上や採用プロセスの最適化に取り組み、求職者と企業の最適なマッチングづくりを進めています。

2026年9月期 第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)の業績は、売上高32億21百万円(前年同期比1.7%減)となりました。損益面では営業損益が-3億99百万円、経常損益が-4億87百万円、四半期純損益が-4億91百万円と、いずれも損失計上です。ただし前年同期の営業損失7億43百万円、四半期純損失7億69百万円と比べると、損失幅は大きく縮小しています。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
株式会社ROXX(証券コード:241A)の決算解説

1. Q3時点で通期着地を左右する市場環境

同社は、当第3四半期累計期間の国内景気について、雇用環境の改善が続くなかで個人消費に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調で推移したと説明しています。一方で、金融資本市場の変動や世界経済の下振れ懸念などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いているとしています。

人材サービス市場については、より踏み込んだ見方が示されています。構造的な労働力不足を背景に企業の採用需要は底堅く推移しているものの、足元では新規求人数の動きにやや弱さがみられるとされています。加えて、求職者の転職活動にも落ち着きがみられるという指摘です。

需要の総量は底堅い一方で、案件化や転職の動きが鈍る局面では、プラットフォーム型の事業は成約数の伸びが抑えられやすくなると考えられます。売上高が前年同期比1.7%減となった背景には、こうした市場の温度差があると見られます。通期着地に向けては、市場環境の変化と自社の施策のどちらが強く効くかが焦点になりそうです。

2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社ROXX 2026年9月期 第3四半期決算短信(PDF)

2026年9月期 第3四半期累計の売上高は32億21百万円となり、前年同期の32億75百万円から1.7%の減収となりました。四半期ごとの累計推移は、第1四半期9億26百万円(前年同期比-13.2%)、中間期18億76百万円(同-5.2%)、第3四半期累計32億21百万円(同1.7%減)です。減収率が四半期を追うごとに縮小しており、売上の落ち込みには歯止めがかかりつつあると見られます。

損益面の改善はより明確です。営業損益は-3億99百万円となり、前年同期の7億43百万円の損失から損失幅が縮小しました。売上原価は6億53百万円と前年同期の5億68百万円から増えた一方、販売費及び一般管理費は29億66百万円と前年同期の34億49百万円から4億83百万円減っています。費用構造の見直しが損失縮小の主因と考えられます。

経常損益は-4億87百万円で、前年同期の7億68百万円の損失から改善しました。営業損益との差は営業外費用によるもので、支払利息40百万円に加え、第2四半期に発生したオフィス移転に伴う解約違約金58百万円が計上されています。四半期純損益は-4億91百万円となり、1株当たり四半期純損益は-67.57円でした。

財政状態は縮小しました。第3四半期末の総資産は42億22百万円となり、前年度末から14億02百万円減少しています。現金及び預金が19億64百万円へと20億65百万円減った一方、売掛金は4億27百万円増加しました。純資産は14億81百万円で、前年度末から4億73百万円の減少です。

通期予想は2025年11月11日の公表値から変更されておらず、売上高50億円(前期比+10.8%)、営業利益45百万円、経常利益1百万円、当期純利益1百万円です。配当予想は0円です。第3四半期累計時点で営業損益が-3億99百万円である以上、通期の営業利益45百万円を達成するには第4四半期に4億44百万円規模の営業利益が必要になります。

3. 直近決算の重要ポイント

今回の決算で最も重要なのは、通期予想と足元の実績の間に大きな距離があることです。同社は業績予想を据え置いていますが、第4四半期に複数の大型案件や新規追加案件のクロージングおよび検収(売上計上)時期を控えていると説明しています。これらの成否および進捗状況によって通期業績が影響を受ける可能性があるとしています。

同社はさらに、主要案件の進捗と通期業績への影響額について精緻な精査を進めているとし、通期業績予想の修正が必要と判明した場合は速やかに適時開示を行う方針を示しました。据え置きという形式のなかに、修正の可能性が明示された点は押さえておきたい部分です。

二点目は、損失縮小の中身です。営業損失は前年同期の7億43百万円から3億99百万円へと3億44百万円改善しました。売上高がわずかに減るなかでの改善であり、販売費及び一般管理費の4億83百万円の減少が寄与しています。売上の拡大による改善ではなく、費用の抑制による改善という構図です。

三点目は資本政策です。同社は財務体質の健全化を目的として、2026年2月25日付で資本金および資本準備金を15億16百万円減少させ、その他資本剰余金へ振り替えたうえで繰越利益剰余金の欠損額の補填に充当しました。発行済株式総数の変更や純資産額の増減は生じない、貸借対照表上の振替処理です。

4. Q3時点の事業進捗

同社の事業はHR tech事業の単一セグメントであり、収益の中心は転職プラットフォーム「Zキャリア」です。求職者と企業のマッチングが成立することで収益が発生する構造と見られ、成約の件数と単価が売上を左右します。この構造では、求人数や求職者の活動量といった市場側の変数が業績に直接影響します。

当第3四半期累計期間の取り組みとして、同社はAI技術を活用したマッチング精度の向上と採用プロセスの最適化を挙げています。加えて「Zキャリア AI面接官」をはじめとしたAI関連プロダクトの機能拡充および導入拡大に注力したとしています。採用活動全体の生産性向上を支援する方向へ、提供価値を広げようとしていると読み取れます。

固定資産の動きも事業投資を示しています。ソフトウエア仮勘定が1億42百万円増加し、建物が1億08百万円、工具・器具及び備品が89百万円増加しました。プロダクト開発と拠点の整備を並行して進めた形であり、第2四半期のオフィス移転に伴う費用もこの流れのなかで発生したと考えられます。

5. 業界の注目ポイント

第4四半期に集中する案件の行方

通期の営業利益予想45百万円に対し、第3四半期累計は3億99百万円の営業損失です。単純計算では第4四半期に4億44百万円の営業利益を積み上げる必要があります。同社が第4四半期に大型案件や新規追加案件の検収時期を控えていると説明していることは、この計画の前提を示しています。

検収型の売上計上は、時期が期をまたぐと業績の見え方が大きく変わります。同社自身が通期業績予想の修正可能性に言及している点も踏まえると、第4四半期の案件進捗が今期の評価を決める最大の変数と考えられます。適時開示の内容を確認する姿勢が求められる局面です。

費用抑制から売上成長への転換

今期の損失縮小は、販売費及び一般管理費の減少によるものが大きい構図です。売上高は第3四半期累計で1.7%減であり、成長による改善には至っていません。通期の売上高予想50億円は前期比+10.8%の増収計画であるため、第4四半期には大きな売上の積み上げが前提となります。

費用抑制による改善には限界があります。減収率が第1四半期の-13.2%から第3四半期累計の1.7%減へ縮小してきた流れが続き、売上そのものが増加基調に戻るかどうかが本質的な論点になると見られます。AI関連プロダクトの導入拡大が売上に結びつく時期が注目されます。

手元資金と財務基盤の推移

第3四半期末の現金及び預金は19億64百万円で、前年度末の40億30百万円からほぼ半減しました。純資産は14億81百万円、総資産は42億22百万円です。1年内返済予定の長期借入金は10億57百万円、長期借入金は7億48百万円となっており、有利子負債の返済も進んでいます。

損失が続く局面では、手元資金の減少ペースが経営の自由度を左右します。中間期末時点の自己資本比率は32.4%であり、第1四半期末の40.1%から低下していました。財務基盤に余力があるうちに損益を反転させられるかどうかが、今後の焦点になると考えられます。

6. ITトレンド編集部の考察

ROXXの2026年9月期 第3四半期は、損失縮小の進展と通期計画との距離という二つの側面を併せ持つ決算だったと受け止めています。営業損失が前年同期の7億43百万円から3億99百万円へ縮小した点は、費用構造の見直しが確かに効いていることを示します。販売費及び一般管理費を4億83百万円減らした実行力は評価できる部分です。

一方で、売上高32億21百万円(前年同期比1.7%減)という水準は、通期予想の50億円に対して残り期間の負担を大きくしています。営業利益45百万円という通期計画に対し、第4四半期だけで4億44百万円規模の営業利益が必要になる計算です。同社が予想修正の可能性に言及していることは、この距離を踏まえた説明と読み取れます。

注視したいのは、AI関連プロダクトの拡充が成約数の増加へつながるかどうかです。「Zキャリア AI面接官」のような機能は、採用側の負担を軽くする方向の価値提案として市場環境と整合していると見られます。現金及び預金が19億64百万円まで減少したなかで、投資の成果をどれだけ早く売上へ変えられるかが今後を左右しそうです。

7. まとめ

株式会社ROXX(証券コード:241A)の2026年9月期 第3四半期決算のポイントを整理します。

  • 売上高は32億21百万円(前年同期比1.7%減)と小幅な減収。減収率は第1四半期-13.2%、中間期-5.2%から縮小
  • 営業損益は-3億99百万円、経常損益は-4億87百万円、四半期純損益は-4億91百万円と損失計上
  • 前年同期の営業損失7億43百万円、四半期純損失7億69百万円からは損失幅が大きく縮小
  • 販売費及び一般管理費は29億66百万円と前年同期から4億83百万円減少。損失縮小は費用抑制が主因
  • 営業外費用にはオフィス移転に伴う解約違約金58百万円、支払利息40百万円を計上。1株当たり四半期純損益は-67.57円
  • 第3四半期末の総資産は42億22百万円、純資産は14億81百万円、現金及び預金は19億64百万円
  • 財務体質の健全化を目的に資本金・資本準備金15億16百万円を減少させ、欠損額の補填に充当
  • 通期予想は据え置きで、売上高50億円(+10.8%)、営業利益45百万円、経常利益1百万円、当期純利益1百万円、配当は0円
  • 第4四半期に大型案件の検収時期が集中する見込みで、同社は通期予想修正の可能性にも言及

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

企業データベースの製品をまとめて資料請求