近年、企業の再編やブランディング刷新に伴い、上場企業による「社名変更」が過去最高水準で増加しています。東京証券取引所の集計によると、2025年に社名変更を実施した上場企業は過去最高の74社にのぼり、特に2019年以降拡大傾向が続いています。
社名変更に伴い、多くの企業が新社名の認知獲得を目指してテレビCMを放送します。しかし、「どのタイミングで出稿すべきか」「どのようなクリエイティブが見られやすいのか」といった点に悩むマーケターや広報担当者も多いのではないでしょうか?
本記事では、関東エリアで放送された社名変更CMの視聴データをもとに、効果的な出稿タイミングと5つのクリエイティブパターンについて解説します。
1. 近年の社名変更CMにおける出稿パターンのトレンド
REVISIOが実施したテレビCM放送実績の集計・分析によると、社名変更CMの出稿タイミングには近年明確な変化が見られます。
- 社名変更「前」からの予告・コミュニケーション増加
かつては社名変更月(または直後)に集中して出稿するケースが主流でしたが、2025年以降は変更の数か月前から予告感を持たせたCMを放送する企業が目立ちます。
- 一過性ではなく「数か月間の継続出稿」
社名変更月に一時的な山(出稿量のピーク)を作るだけでなく、変更後も一定の出稿量を数か月間維持することで、新社名の定着を図る戦略が見られます。
2. 社名変更CMにおける「5つのクリエイティブパターン」と視聴傾向
社名変更CMのクリエイティブは、表現手法や狙いによって大きく以下の5つのパターンに分類できます。

① コミカル優位型(例:Umios)
- 特徴: タレント×コミカルな演出で世界観をつくり、好感度や記憶定着を狙う。
- 視聴傾向: ストーリー性があるため視聴者が飽きにくく、15秒・30秒を通じて高い注視を維持しやすい傾向があります。
② 刷り込み型(例:第一ライフグループ)
- 特徴: キャッチーなサウンドロゴやタレントパワー、音楽を繰り返し活用して認知を刷り込む。
- 視聴傾向: 冒頭で強いEye Catch(目線獲得)ができる一方、中盤以降に単調な展開が続くと注視が下がりやすいため、BGMの切り替えや構成の工夫が重要です。
③ イメージ優位型(例:ヨドコウ)
- 特徴: 洗練されたビジュアルやメッセージでブランドイメージを強調する。
- 視聴傾向: メッセージ提示直前に間や空白を作るなどの演出を入れることで、後半にかけて視聴者の注意を引き戻す効果が期待できます。
④ 会話ドラマ型(例:NTTドコモビジネス)
- 特徴: ドラマ風の会話を通じて、社名変更の背景や理由、意図を丁寧に伝える。
- 視聴傾向: 冒頭で「社名変更!?」のような直球のフックを作ったり、わかりやすい比喩表現を用いたりすることで「自分ゴト化」させやすく、高い注視度を維持しやすい事例があります。
⑤ ストレートトーク型(例:東京海上ダイレクト)
- 特徴: 企業姿勢や社名変更の事実、サービス内容を真面目にストレートに訴求する。
- 視聴傾向: CM感が出やすいため構成上持続的な注視を得るのが難しい一面がありますが、冒頭に強力な演出や出演者のインパクトを持ってくることで認知を最大化するアプローチが有効です。
3. まとめ:新社名認知を成功させるためのポイント
新社名を訴求するCMにおいては、自社のターゲットや目的に合わせた「出稿タイミング」と「クリエイティブ演出(Eye Catch / Eye Hold)」の設計が不可欠です。
特にCM制作においては、企業としての訴求イメージを明確にした上で、上述した型に対して以下の点を工夫すると良いでしょう。
- コミカル型・会話ドラマ型: ストーリー性を持たせて途中で離脱させない工夫
- 刷り込み型・イメージ型: 音の切り替えや工夫で重要なメッセージ前に注意を引き戻す演出
- ストレートトーク型: 冒頭数秒のインパクトでより多くの視聴者を惹きつける構成
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