資料請求リスト
0件

人工知能基本計画とは?2026年版の4つの基本方針と企業への影響

人工知能基本計画とは?2026年版の4つの基本方針と企業への影響

人工知能基本計画(AI基本計画)とは、AIの研究開発や利活用、リスク対応などに関する政府の基本方針を示す国家計画です。2025年12月23日に初めて閣議決定され、2026年7月14日には第Ⅱ期へと改定されました。

第Ⅱ期では、AIを前提に業務や社会の仕組みを変革する「日本AX」を重視しています。この記事では、人工知能基本計画の概要や2025年版との違い、4つの基本方針、企業・自治体への影響をわかりやすく解説します。

この記事は2026年11月時点の情報に基づいて編集しています。
\ 先月は3,000人以上の方が資料請求しました /
目次

    人工知能基本計画(AI基本計画)とは

    人工知能基本計画(AI基本計画)とは、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)に基づき、政府が策定するAI政策の基本計画です。AIの研究開発や利活用、リスクへの対応、人材育成などに関する方針を示しています。

    2025年12月23日に初めて閣議決定され、2026年7月14日には第Ⅱ期の人工知能基本計画が閣議決定されました。

    第Ⅱ期では、AIを前提に業務や社会の仕組みを見直す「AIトランスフォーメーション(AX)」を重視しています。特に、特定分野に特化した「バーティカルAI」や、ロボットなどを通じて現実世界で機能する「フィジカルAI」の社会実装を推進する方針です。

    また、「信頼できるAI」の実現に向け、AIの利活用とリスク対応を両立させながら、企業や行政、社会全体での活用を進めることを目指しています。

    参考:人工知能基本計画|内閣府

    人工知能基本計画の2025年版と2026年版の違い

    人工知能基本計画は、2025年12月に初めて策定され、2026年7月に第Ⅱ期へと改定されました。初版ではAIの利活用促進や開発力強化、信頼性確保などを重視していましたが、第Ⅱ期ではAIを社会全体に実装する取り組みがさらに強化されています。

    比較項目2025年版2026年版(第Ⅱ期)
    閣議決定日2025年12月23日2026年7月14日
    基本構想「信頼できるAI」による「日本再起」「日本AX、より強く、より豊かに」
    基本原則3つの原則「挑戦と学習」を加えた4つの原則
    基本方針AI利活用・開発力強化・ガバナンス・社会変革の4つ4つの基本方針を継続
    主な重点AIの利用促進と開発基盤の整備AXの推進、エージェント型AIの実装、バーティカルAI・フィジカルAIの強化

    第Ⅱ期では、単にAIを導入するだけでなく、AIを前提とした業務や組織の変革が重視されています。企業においても、AIをどの業務に活用するかだけでなく、既存の業務プロセスをどのように見直すかが重要になるでしょう。

    AI基本計画と関連政策

    AI基本計画を理解するために、関連する政策やキーワードとの関係性を整理しておくとわかりやすくなります。

    ■AI戦略(日本)
    これまでの政府のAI政策は総称的な位置づけでしたが、「AI基本計画」は法律(AI法)に基づく法定計画として、より高い実行力を持ちます。
    ■生成AIガイドライン
    政府が生成AIを調達・利用する際のルールやリスク管理の方針を定めたものです。2026年6月12日には第2.0版へ改定され、生成AIの利活用促進とリスク管理を両立させるための指針が示されています。AI基本計画は、こうした実務上のガイドラインを方向づける国の政策方針として位置づけられます。
    参考:「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」を策定しました|デジタル庁
    ■AI規制
    欧州(EU)などが厳格な法規制を進める中、日本はイノベーション重視の姿勢を取っています。一方で、AI基本計画では、リスクの高いAIに対する法的ガバナンス(ソフトローとハードローの組み合わせ)が強化される可能性も示されています。
    ■デジタル社会の実現に向けた重点計画
    日本のデジタル化全体のロードマップです。AI基本計画は、その中でAI分野を特化・具体化した計画といえます。
    参考:デジタル社会の実現に向けた重点計画|デジタル庁
    参考:デジタル社会形成基本法|e-Gov 法令検索

    AI基本計画が策定された背景

    AI基本計画がこのタイミングで策定された背景には、国内外のさまざまな事情が絡み合っています。

    日本のAI開発・利用の現状と課題

    これまで日本は、AIの利活用において世界に後れを取っていると指摘されてきました。特にビジネスの現場では、AI導入が十分に進んでおらず、「使ってみる」という段階に至っていない組織も少なくありません。

    また、AI開発に必要な計算資源やデータセンターへの投資規模でも、米国や中国などの主要国と比較して劣勢に立たされています。

    世界のAI競争の激化

    生成AIの登場以降、世界各国はAIを国家競争力の要と位置づけ、巨額の投資を行っています。AIエージェントやフィジカルAI(ロボット等を制御するAI)といった新技術の開発競争も激化しており、産業競争力や安全保障に直結する重要課題となっています。

    日本としても、国際的な技術競争が加速する中で、AI分野への対応をこれまで以上に本格化させることが求められているでしょう。

    社会課題解決の必要性

    人口減少や少子高齢化、人手不足といった構造的な課題を抱える日本こそ、AIによる生産性向上や自動化の恩恵を最も受けるべき国です。AIを社会インフラとして組み込むことで、これらの課題解決を図る狙いがあります。

    人工知能基本計画の4つの原則

    2026年7月に閣議決定された第Ⅱ期人工知能基本計画では、施策を推進するうえでの基本的な考え方として、以下の4つの原則を掲げています。

    ■イノベーション促進とリスク対応の両立
    AIの技術革新や利活用を促進するとともに、プライバシー侵害や偽情報の拡散などのリスクに適切に対応します。
    ■アジャイルな対応
    AI技術や社会環境の急速な変化に対応するため、政策や制度を柔軟かつ迅速に見直します。
    ■挑戦と学習
    新たなAI技術の活用に積極的に挑戦し、試行錯誤を通じて得られた経験や知見を次の取り組みに生かすことを重視します。
    ■内外一体での政策推進
    国内の産業育成や制度整備だけでなく、国際的な連携やルールづくりも一体的に推進します。

    AI基本計画の4つの基本方針

    基本計画では、具体的な施策の方向性として「4つの基本方針」を定めています。企業や自治体が今後注力すべき分野を示す指針といえるでしょう。

    AI利活用の加速的推進「AIを使う」

    日本社会全体でAIを積極的に活用するため、「習うより慣れろ」の発想で、まずは使ってみるという意識改革を促します。

    ■政府・自治体での徹底活用
    政府職員が生成AIを日常業務で活用し、業務効率化を先導するとともに、地方自治体への導入支援も強化されます。
    ■データ共有の促進
    組織の枠を超えたデータ連携を推奨し、AIが学習しやすい環境を整備します。
    ■中小企業への支援
    デジタル化・AI導入補助金などを通じて、リソースの限られる中小企業でもAIを導入しやすい環境を整備します。

    AI開発力の戦略的強化「AIを創る」

    海外製AIへの依存を抑え、日本国内でのAI開発力を強化することで、経済安全保障の観点からも自律性の確保を目指します。

    ■計算資源の確保
    AI開発に不可欠な半導体やデータセンター、電力供給体制の整備に国が投資します。
    ■日本語に強いAIの開発
    日本の商習慣や文化に適した信頼性の高い国産基盤モデルの開発を支援します。
    ■フィジカルAIへの注力
    日本が得意とするロボット技術や製造業の現場データ(リアルデータ)を活かし、現実世界で動くAIの開発を強化します。

    AIガバナンスの主導「AIの信頼性を高める」

    AIを安全に利活用するためのルール整備や監視体制を強化します。

    ■AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の機能強化
    AIの安全性を評価する専門機関の機能を拡充し、技術的な評価を行います。
    ■国際ルールへの関与
    「広島AIプロセス」などの国際的な枠組みを主導し、グローバルなAIガバナンスの構築に貢献します。

    AI社会に向けた継続的変革「AIと協働する」

    AI時代に即した社会システムの整備や人材育成を進めます。

    ■人材育成とリスキリング
    AIを使う側、創る側の双方の人材を育成します。また、雇用への影響を分析し、労働移動を円滑にするための支援を行います。
    ■「人間力」の向上
    AIに代替できない創造性や対人スキルなど、人間ならではの能力を伸ばす教育を重視します。

    AI基本計画が企業・自治体に与える影響

    AI基本計画は、企業の現場や行政の実務にも大きな変化をもたらします。

    政府・自治体での影響

    官公庁や自治体では、AIの積極的な導入・活用が推進されています。単純な事務作業や問い合わせ対応にとどまらず、政策立案の支援やインフラ点検など、より高度な業務への活用も求められるようになります。

    具体的には、AI電話自動応答サービスによる窓口対応の効率化や、AI契約書レビューサービスを活用した法務業務の高度化などが進められています。職員にはAIリテラシーの向上が求められ、生成AIを活用した業務プロセスの見直しが進んでいくでしょう。

    あわせて、現場への定着を支援するAI導入サービスや生成AI導入サービス、AIコンサルティングの活用も進むと考えられます。

    民間企業への影響

    「信頼できるAI」の理念に基づき、企業が開発・利用するAIに対しても、安全性や透明性の説明責任が問われるようになります。一方で、国によるインフラ整備や補助金などの支援策が拡充されるため、AI投資を行う企業にとっては追い風となります。

    特に、医療分野では医療向けAIサービスや医療向け生成AIサービスの活用が進んでいます。一方、製造業や建設といった日本が強みを持つ分野では、フィジカルAIや現場データを活用した新規事業の機会が広がっています。

    これに伴い、業務特性に合わせたAI開発サービスや生成AI開発サービス、業務を自律的に支援するAIエージェントの導入ニーズも高まっているといえるでしょう。帳票処理分野では、AI-OCRの導入も加速しています。

    中小企業への影響

    これまではコストや人材不足でAI導入を躊躇していた中小企業に対し、導入補助金の拡充や、簡易的なパッケージ製品の普及が進むと予想されます。あわせて、専門知識がなくても活用できるAI導入サービスや、業務を代行・支援するAIエージェントなどを通じて、AI活用のハードルは着実に下がっています。

    人手不足解消の切り札として、経理AIエージェントによる経理業務の自動化、AIライティングサービスを活用した資料作成の効率化、翻訳(自動翻訳)ツールによる海外取引の円滑化など、バックオフィス業務から段階的にAI活用が進むでしょう。

    「自社に合うAIエージェントサービスを診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
    簡単な質問に答えるだけで、最適なシステムを案内します。
    無料で今すぐ利用できますので、下のリンクから診断を開始してください。

    AIエージェントサービス 診断ページ遷移画像

    AI基本計画の今後の展開と企業が取るべき対応

    AI基本計画は2025年末に策定され、2026年以降、具体的な施策が次々と実行に移されています。

    2026年以降の展開

    2026年には、生成AIの政府調達・利活用ガイドラインの改定や、AIセーフティに関する評価観点ガイドの更新が行われました。また、AIなどの研究開発を支援する税制措置も整備されています。政府では、ガバメントAI「源内」の大規模実証などを通じて、AIの社会実装を推進しています。

    企業が今すぐ取り組むべきこと

    DX担当者や経営企画担当者は、以下の点に着手することをおすすめします。

    ■AIガバナンス方針の策定
    自社でAIを利用・開発する際の倫理規定やリスク管理体制を整備する。
    ■データの棚卸しと整備
    AI活用の基盤となる社内データの整理や、データ連携の可能性を検討する。
    ■人材育成計画の見直し
    社員のAIリテラシー向上のため、AI研修を実施し、専門人材の確保に向けた採用戦略を練り直す。
    ■補助金・支援策の情報収集
    政府の公募情報にアンテナを張り、AI導入コストを抑える方策を探る。

    AI基本計画に関するよくある質問(FAQ)

    AI基本計画については、「いつから始まるのか」「企業に義務があるのか」「AI法との違いは何か」など、実務担当者から多くの質問が寄せられています。ここでは、特に検索ニーズの高いポイントをQ&A形式で整理します。

    Q1:AI基本計画はいつから始まるのですか?

    AI基本計画は2025年12月23日に初めて閣議決定され、2026年7月14日には第Ⅱ期が閣議決定されました。2026年度には、ガバメントAI「源内」の大規模実証など、関連施策が進められています。

    Q2:AI基本計画は企業に義務を課すものですか?

    AI基本計画そのものが、直ちに企業へ新たな法的義務を課すものではありません。ただし、「信頼できるAI」の理念に基づき、安全性・透明性・説明責任といったガバナンスの強化が求められる方向性が示されています。

    今後、関連する法制度やガイドラインの整備が進めば、実質的な対応義務が拡大する可能性があります。企業は早期にAIガバナンス体制を整備しておくことが重要です。

    Q3:AI法(人工知能関連技術推進法)との違いは何ですか?

    AI法は、AIの研究開発や活用を推進するための基本的な枠組みを定めた法律です。一方、AI基本計画は、そのAI法に基づいて策定された具体的な政策計画です。

    法律が「土台」であるのに対し、AI基本計画は「実行ロードマップ」にあたります。つまり、AI法が理念や原則を示し、AI基本計画が具体的な施策の方向性や推進方針を示す役割を担っています。

    Q4:生成AIガイドラインとの関係は?

    生成AIガイドラインは、著作権や情報漏えい、セキュリティリスクへの対応など、生成AIの具体的な利用方法に関する実務指針です。AI基本計画は、これらのガイドラインを含む上位の政策方針として位置づけられ、生成AIの活用促進とリスク管理の両立を国全体で推進する枠組みを示しています。

    Q5:中小企業にも影響はありますか?

    はい。AI基本計画では、中小企業のAI導入を後押しする補助金や支援策の拡充が盛り込まれています。専門人材が不足している企業でもAIを活用できる環境整備が進むため、導入ハードルは今後さらに下がると予想されます。

    一方で、AIを利用する企業にも一定のガバナンス意識が求められるため、ルール整備と活用の両立が重要です。

    まとめ

    2025年に初めて閣議決定された「人工知能基本計画(AI基本計画)」は、2026年7月に第Ⅱ期へと改定されました。第Ⅱ期では、AIを前提とした業務や社会の変革を目指す「日本AX」を重視しています。「信頼できるAI」を軸に、利活用の推進や開発力の強化、ガバナンスの構築、そして社会変革を一体的に進める内容となっています。

    企業や自治体には、AI導入だけでなく、業務プロセスや体制の見直しが求められます。支援策やインフラ整備も進むため、官民連携の動きを捉えつつ、自組織での活用とガバナンス整備を計画的に進める姿勢が求められます。

    \ 先月は3,000人以上の方が資料請求しました /
    IT製品・サービスの比較・資料請求が無料でできる、ITトレンド。「人工知能基本計画とは?2026年版の4つの基本方針と企業への影響」というテーマについて解説しています。の製品 導入を検討をしている企業様は、ぜひ参考にしてください。
    このページの内容をシェアする
    facebookに投稿する
    Xでtweetする
    このエントリーをはてなブックマークに追加する
    pocketで後で読む
    AIエージェントの製品をまとめて資料請求