TPiCS-Xの導入事例【コマツキカイ株式会社 様】
生産担当者の負担大幅減、人的ミスの軽減へも効果あり
- 業種
- 金属製品製造業
- 従業員規模
- 83名 (男性75名 / 女性 8名)
- 事業内容
- 建設機械、産業機械、工作機械および輸送機械の部品製造
- 導入前の課題
- 生産拠点拡大に伴う仕組みの変更が発生
- 導入後の結果
- 材料発注や生産計画立案がスムーズに 会議や改善資料など生産計画以外の活用も
株式会社 ティーピクス研究所のTPiCS-Xについて詳しく知りたい方はこちら
生産拠点拡大に伴う仕組みの変更が発生
石川県小松市にあるコマツキカイ株式会社は、建設機械最大手の株式会社小松製作所(以下、コマツ)向けの製品を中心に、建設機械や産業機械、工作機械用部品などを製造する。製造拠点は本社工場の小松南工場(以下、南工場)と小松中央工場(以下、中央工場)の2か所。同社の工場は、かつては中央工場のみであり、ブルドーザーのトランスミッション部品などの単品生産が中心だった。 転機が訪れたのは2008年。現在の主力事業であるブルドーザー向け終減速機(ファイナルドライブ)の量産を行うことになり、同年暮れに南工場が竣工されたことだ。「ファイナルドライブは、従来のような単品部品でなく、50前後の部品で構成されるアッセンブリ構造品のため、生産管理の仕組みを変える必要性が生じました」と管理課主査の秋山裕樹氏は話す。
コスト面および現場見学による実感
2000年代に入って、初めて市販の生産管理システムを導入したが、その活用は現場の作業者に出す製造指示書の発行程度にとどまった。かつ、そのシステムではアッセンブリ製品の管理には対応できない。そこで、新たに南工場を開設することを機に、新規の生産管理システムの導入へと動いた。 「『コマツさんの使っているシステムをそのまま入れたらどうか』という話もありましたが、当社には重たすぎてとても使いこなすことができないと判断しました。そして、市販のシステムをいろいろ調べたところ、最もコストパフォーマンスが良かったのがTPiCSだったのです」(秋山氏)。 特に決め手となったのは、近くにTPiCSを活用している企業があり、現場を見学して納得したことだったという。
材料発注や生産計画立案がスムーズに 会議や改善資料など生産計画以外の活用も
部品加工メーカーのコマツキカイは、単品部品生産中心の中央工場とアッセンブリ製品生産中心の南工場の両生産拠点にTPiCSを導入。材料発注をスムーズにしたほか、得意先にジャスト・イン・タイムで納品するための生産計画立案などに効果的に活用している。システム内に蓄積されたデータをもとに、設備負荷の見える化や人員計画、予算計画など、生産計画以外の活用も始めている。将来的にはAIや自動化にもつなげていく考えだ。
2009年9月にTPiCSの導入を決定。しかしその矢先、生産管理を学習していた社員から退職・休職者が相次ぎ、TPiCSの設定は休止してしまった。状況が好転したのは、休職者が復帰し、永江氏のように前職で生産管理に携わった社員が戦列に加わってからであり、その間、約3年のタイムラグが生じた。TPiCSの導入は南工場の開設がきっかけだったが、本格活用は中央工場の方が先になった。中央工場でも仕事量が増え、材料発注や外注手配がExcelや手計算では追いつけなくなったという事情もあったが、「休職から復帰した社員が中央工場に配属されるなど条件が整い、多分に力技を働かせたものの、何とかスタートさせることができました」(永江氏)。 両工場のTPiCSが動き出してから5年半。成果としてまず目に見えたのは生産管理担当者(両工場に2人ずつ)の負担が大幅に軽減されたことだ。中央工場の場合、毎日100~200点の部品を出荷しているが、かつては担当者が材料発注のタイミングや数量をすべて自分の頭の中で考えなければならなかった。それがTPiCSが軌道に乗った現在では、基準在庫と製造リードタイムさえ設定しておけば、ほぼ自動的に発注できるようになった。また、共通部品の発注ミスが後を絶たなかった南工場でもミスがなくなった。新規顧客のフォローやマスター登録等の従来なかった業務が増えたため、人員や残業時間等には変化はないが、材料発注や生産計画立案がスムーズに行えるようになったのは大きな前進である。 実績・予定データの生産計画以外での活用も開始している。マスター類が整備されたため、品番や工程ごとの作業結果から設備負荷を読むことができるので、それをもとに人員計画や予算計画の資料に利用している。また、品番ごとの原価も見える化できたので、利益率の低い品番をリストアップして改善する活動等も始めている。 この他「IoTによる見える化」プロジェクトにも着手。「TPiCSによる実績データを積み上げ、機械に良い学習事例を覚えてもらい、最適な発注や最適な段取り方法を加味した製造指示書を自動的に発行する」、そんな夢のようなシステムが現実味を帯びている。
TPiCS-X
変化する市場に対応するために、個別生産や繰返生産に特化した最新の生産管理システムです。製品の多様化に対応し、工場のスムーズな生産を実現します。
株式会社 ティーピクス研究所
株式会社 ティーピクス研究所のTPiCS-Xについて詳しく知りたい方はこちら