ノーコード開発とは
ノーコード開発とは、プログラミングの専門知識がなくても、専用ツールを使ってアプリやシステムを直感的に構築できる手法です。
ドラッグ&ドロップや選択式のUI操作で画面や機能を簡単に作成できるため、非エンジニアでも扱いやすく、開発スピードの向上やコスト削減に大きく貢献します。
ノーコード開発の活用場面
ノーコード開発が活用されている主な場面や、実際にできることは以下のとおりです。- ■業務アプリの作成
- 勤怠管理、在庫管理、顧客管理など、社内業務を効率化するアプリを現場主導で作成できる。
- ■フォーム・アンケート作成
- 問い合わせフォームや社内アンケートを簡単に作成・公開でき、集計も自動化。
- ■ワークフローの自動化
- 承認フローや定型業務の自動化により、ミスの削減や作業のスピードアップが図れる。
- ■Webサイト・LPの作成
- コーポレートサイトやキャンペーンページを、デザイナーでなくても短期間で構築可能。
- ■データの可視化・ダッシュボード構築
- 複数のデータを集約し、グラフや表で直感的に状況を把握できるツールもノーコードで作成できる。
- ■プロトタイプ・MVP開発
- 新規サービスのアイデアをすばやく形にし、ユーザーの反応をテストするための試作品づくりに最適。
ノーコード開発が注目される背景
ノーコード開発が注目される背景には、DXの加速とIT人材の慢性的な不足があります。従来のようにエンジニアに依存した開発体制では、現場のニーズに素早く対応することが難しくなっています。そのため、業務部門が自ら課題を解決できる仕組みづくりが求められており、専門知識がなくてもツールを開発できるノーコードの活用が広がっています。
以下の記事では、おすすめのノーコード開発ツールを比較紹介しています。選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ノーコード開発とローコード開発の違い
ノーコード開発とローコード開発の違いは、「コードを書く量」にあります。ノーコード開発は一切プログラミングをせずにアプリやツールを作成できるのに対し、ローコード開発は最小限のコード記述によって柔軟なカスタマイズが可能です。
ノーコードは非エンジニア向けで、業務アプリやフォーム作成などに適しています。一方、ローコードはIT部門や開発者が中心となり、より高度な業務システムの開発や既存システムとの連携など、専門性が求められる場面で活用されます。
ノーコード開発のメリット
ここでは、ノーコード開発のメリットについてご紹介します。
開発スピードを早められる
ノーコード開発はソースコードを記述する必要がない分、業務効率化が実現し開発スピードを早められます。開発期間を短縮できるため、アプリによっては1日でリリースが可能になることも珍しくありません。エンジニアが必要ないため、作りたいアプリができたらすぐに現場の判断でアプリ開発に着手できます。
通常の開発手法では、都度プログラミングの不具合を解消したり、スキルの高いエンジニアを確保したりと多くの手間がかかります。現場で「こんなアプリが欲しい」と意見があがっても、気軽に開発をはじめられません。ノーコード開発は開発スピードが早いため、市場の変化や法令改正にも柔軟に対応できます。
開発・運用にかかる費用を減らせる
ノーコード開発ではテスト運用やデバッグを行う必要がないため、エンジニアなどの人件費を大幅に削減できます。テンプレートを利用し、簡単なマウス操作のみでシステムを構築するため、委任契約などの外注費も発生せず大幅なコストダウンが期待できるでしょう。ノーコード開発を使用できるか判断できれば、1人でも開発を進められます。
ノーコード開発のデメリット
ノーコード開発はメリットだけではありません。ここでは、デメリットの部分について解説します。
開発の柔軟性が低い
ノーコード開発は簡便性に優れている反面、柔軟性や自由度に欠けます。定型的なことしかできないため、ユーザーごとにアクセス権限を振り分けたり、アプリ内に最新の機能を実装したりするのが困難です。ゲームなど複雑なシステムを構築したい場合は、ほかの開発手法を検討した方がよいでしょう。
アプリの動作が鈍くなりやすい
ノーコード開発はテンプレートを使用するため制約が多く、アプリによっては無駄なコードが含まれたりコードが冗長化したりします。そのため、通常の開発手法と比べてアプリの動作が鈍くなりやすいです。しかし、スピードが求められるアプリを開発できないという程度のものなので、過度に気にする必要はありません。
ただ、遅延がユーザーにストレスを与えるのは確かなので、事前にアプリの内容とノーコード開発の相性は確認しておきましょう。
まとめ
ノーコード開発は、専門的な知識がなくても直感的な操作でアプリやシステムを構築できる便利な開発手法です。開発スピードの向上やコスト削減といった多くのメリットがある一方で、柔軟性の低さやパフォーマンスの課題といったデメリットもあります。
自社の業務や開発目的にノーコードが適しているかを見極め、うまく活用すれば、業務改善やDX推進の強力な武器となります。導入前には、目的や要件を明確にした上で比較・検討を行いましょう。