シャープは、エッジAI技術「CE-LLM」を活用した議事録作成支援ソリューション「eAssistant Minutes」に、日本語と英語、日本語と中国語(簡体)の双方向翻訳機能などを追加したと発表しました。
会議の文字起こしや要約は普及が進んでいますが、実際の運用では「機密情報を外部に出せるか」「導入時に端末へアプリを入れられるか」といった制約が定着を左右しがちです。今回のアップデートは、翻訳を含めた処理をエッジで完結させつつ、ブラウザ操作にも対応して導入摩擦を下げる方向性を打ち出したものと捉えられます。
翻訳を含めた会議支援を、クラウド非依存で実現する
発表によると、「eAssistant Minutes」は外部ネットワークに接続することなく議事録の作成が可能で、会議での会話を即座に文字起こしし、一定量ごとに要約も生成します。
「文字起こし」から「話者分離」「要約生成」までを本体に搭載したエッジAIで処理することで、ネットワークを介した情報漏えいのリスクを低減するとしています。
今回新たに、日本語と英語、日本語と中国語(簡体)の双方向翻訳に対応し、翻訳処理も本体のエッジAIで完結すると述べています。
ブラウザ操作対応で、現場の導入ハードルを下げる
文字起こし、翻訳、要約生成の開始などの操作をWEBブラウザ上で行えるようにした点もアップデート内容として挙げられています。
専用のコントロールアプリをインストールせずに各種操作ができるため、セキュリティポリシーなどでアプリのインストールが制限される企業・団体でも導入しやすくする狙いです。
話者分離の精度向上で、後処理(修正)の工数も減らす
複数人の話し声から話者を分離する精度を向上させ、声の特徴に基づいて同一性を判定することで、声紋登録の手間なく話者分離が可能になったとしています。
議事録作成は、文字起こし後の「修正・整形」で時間がかかりやすいため、ここが改善されるほど実務での時短効果が出やすいと考えられます。
導入・運用の観点で意識しておきたい点
翻訳対応の議事録支援は、精度に加えて、次の観点が重要になります。
- 会議のどの範囲を翻訳対象にするか(専門用語、固有名詞)
- 共有範囲の設計(閲覧権限、保管ポリシー)
- 会議中の使い勝手(オン・オフ、言語切替、タイムラグ)
特に多言語会議では、リアルタイム性だけでなく、後から議事録として参照できる形に整える運用(テンプレ、レビュー手順)が成果を左右しそうです。
まとめ
シャープの「eAssistant Minutes」アップデートは、エッジAIで翻訳を含む処理を完結させるセキュリティ面の要件と、ブラウザ操作対応による導入・運用のしやすさを両立させる方向性を示しました。今後、会議業務の効率化は機能追加だけでなく、セキュリティ要件と運用定着の両立がより重視されていくと考えられます。

